まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第7回中国観音霊場めぐり~玉島の町と、岡山県コンプリート打ち上げ

2019年11月03日 | 中国観音霊場

円通寺のお参りを終えて、再び急な坂を下りて玉島の町並みに出る。

先ほど歩いたバス通りから1本入った通りは町並み保存地区にもなっている。かつての問屋が並ぶ通りとのことで、港町としての賑わいの歴史を今に伝えるところである。北前船も寄港したところで、備中の産物である綿と、肥料となる干鰯の取引が行われたそうだ。玉島は山陽の「小浪華」という

その向うに、町のランドマークのように瓦屋根の建物が見える。羽黒神社というところで、まずは自動車用のスロープを歩いて上る。

羽黒神社は1658年、備中松山藩主の水谷勝隆が玉島の干拓を行うにあたり、水谷家の氏神である出羽の羽黒山の神を勧請したものである。この神社も元々は阿弥陀島という小さな島だったところで、干拓により周りが陸地になった。この阿弥陀島が玉島とも呼ばれていたことから一帯を玉島と呼ぶようになったとかで、だから羽黒神社は玉島発祥の地である旨の案内が書かれている。

その後運河も開かれ、水門も整備された。羽黒神社がある丘を囲むように商店街があり、地元では昭和のレトロ商店街としてPRしている。毎月1回「みなと朝市」というイベントも開かれているようだ。

そろそろバスの時間ということで玉島中央町のバス停に戻る。バス停に隣接する地元スーパーをのぞき、「燦然」という地酒を購入する。ロゴが一瞬「獺祭」に見えたのだが、「燦然」を造っているのは菊池酒造。先ほど訪ねた円通寺に続く丘の麓にある。アテになればということで、岡山産の釜揚げしらすも一緒に購入する。

新倉敷駅に戻り、山陽線で岡山に戻る。駅前で少し時間をつぶした後、いよいよ中国観音霊場の岡山県コンプリートということで一人打ち上げとする。訪ねるのはもちろん「鳥好本店」である。

さすがに平日の16時過ぎということで、混雑するこの地元人気店もまだガラガラである。普段ならこの時間はまだ仕事なので申し訳ないなという気持ちだが、休暇なのだからと割り切って生ビールで乾杯。刺身盛り合わせ(必ず鰆が一切れ入る)、名物とり酢、「のりくらっち」など、来るといつも同じものを注文しているように思うが、周りの岡山弁を聴きながら一献やるというのも私の岡山での楽しみである。ただその分、他のエリアや店の開拓ができていないのだが。

これで岡山県の区切りができたようないい心持ちになり、駅に戻る。帰りは新幹線ということで、17時56分発の「こだま746号」に乗る。700系レールスターのゆったりした座席に腰かける。相生や姫路での通過待ちの時間にホームに出ると、少しひんやりした空気が心地よい。

さて中国5県をめぐる旅も次は広島県となる。中国観音霊場があるのは福山、尾道、生口島、三原、広島、宮島と点在する。岡山県は日帰りで訪ねてきたが(児島の蓮台寺へは四国から移動したが)、広島県となると新幹線を使えば日帰りも可能だが、中国観音霊場のための宿泊も出てくるか。季節の移り変わりも見たいので秋から冬、春と期間を置いて訪ねようかとも思う。これからも楽しみである・・・。

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