まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大相撲名古屋場所観戦記・前編

2019年07月23日 | 旅行記D・東海北陸

大相撲名古屋場所は横綱鶴竜の7場所ぶり6回目の優勝で幕を閉じた。大関4人が相次いで休場という事態の中で、千秋楽まで両横綱による優勝争いが続いたことで一応の面目は保つ形になった。また友風、照強、炎鵬ら若手力士で新たに三賞受賞者が出るなど、土俵を沸かせる力士も多かったが、次の横綱、大関を狙う位置の力士たちはまだまだ力不足といったところだった。

15日、その名古屋場所の9日目を観戦した。名古屋場所は初めてだったので会場の様子も大阪場所とはまた違った面白さがあったので、西国四十九薬師めぐりの続きとして書いてみる。

前日は津駅前のホテルに宿泊し、15日朝、客室内で前日コンビニで買っていた朝食を済ませて6時27分発の名古屋行き急行に乗車する。名古屋までは営業キロだと66.5キロあり、急行だと1時間あまりかかるが、そこはクロスシート車両に座ることができて快適に移動する。

名古屋からは地下鉄東山線で栄まで向かい、名城線で市役所に到着。この時点で時刻は8時すぎ。9日目の取組開始は8時40分だから余裕で間に合う。いつ見ても独特な造りの市役所の建物を見て、堀に沿って二の丸を目指す。こちらには昨年「金シャチ横丁」という飲食店のゾーンができている。まだこの時間では開店していないが、名古屋城の新たなスポットとして注目されているようだ。

朝の太鼓の音が聞こえてくる中、二の丸にある愛知県体育館、愛称ドルフィンズアリーナに着く。さまざまな幟が並ぶ。

春場所の大阪府立体育館(エディオンアリーナ)は町中、狭い通りに面しているが、ドルフィンズアリーナは二の丸の中に建つとあって広い。また着いた時にはすでに入場も始まっていて、並ぶこともなく入場する。タマリ席、マス席、イス席で入場口が分かれていて、今回はマス席Cを取っているのでその入口から入る。もっとも、中の通路は席の種類で仕切られているわけでもなく、同じ並びである。係の人に案内されて2階の自席に向かう。

マス席C(一人用)は東西のマス席の一番後の列にあり、すぐ後が通路、そしてイス席である。感覚的には備え付けのイス席の上に櫓を組んだような高さで、座ると尻から腰にかけた高さに手すりが来る。この手すりが背もたれ代わりだ。

また、マス席というと4人がびっしり座って身動きが取りにくいイメージがあるが、このマス席Cは幅が結構広い。隣の席とは棒を目印にして区切っているが、座布団と、大きめのリュックを置いて座ることができる。この後実際座って観戦したが、リュックを立てれば空いたスペースに缶ビールやつまみは楽に並べられた。これはなかなかいい感じだ。

他には四隅にマス席Dというのもある。こちらは四隅のスペースに座布団を並べた広間と言っていいだろう。

もっとも、名古屋場所はイス席でも春場所と比べて土俵が近く見えるように感じる。その辺りは地方場所の良いところと言える。

取組の電光掲示板など見て、1階に下りる。入口正面には賜杯、優勝旗などが飾られている。

そして土俵周りへ。名古屋場所でも、序ノ口や序二段の取組くらいならタマリ席の客でなくても、そこに座っていても特に何も言われない(もちろん、自分の席で観戦するのが正しい)。中には序ノ口の力士であってもタマリ席から大きな声援が飛ぶこともある。そのタイミングからすると部屋の後援者だったり、また愛知県出身の力士に対するものだったりする。

このくらいの番付だと、勝って上の番付を目指すのは当然としても、「相撲を取りきる」ことが求められているように思う。確かに動きがぎこちなかったり、まだ体ができていない(中には私よりも痩せている・・)力士もいるが、とにかくお互い前に出て「相撲を取りきる」一番が多い。逆に、立ち合いで変化するとか、自分からはたきに行くような取組はほとんどない(流れの中で逆転の突き落としはあるが)。この段階の力士には部屋の親方もそうした指導を徹底しているのかな。

正面側、向正面、花道横など場所を変えながら観戦する。いずれもテレビとは違った角度で新鮮だし、特に花道横は出入りする力士の表情もはっきりわかる。勝った力士に拍手すると頭をちょっと下げたり、逆に負けて首をかしげたり舌打ちする力士の顔もわかる。

しばらくはそうやって観戦だが、タマリ席では飲食はできない。まだ午前中だが、後は自席にてビール、日本酒などいただきながら観戦とするか。そろそろ売店も準備が本格的にできたようだ。

相撲のグッズ、土産物はどの店も豊富に取り揃えている。また飲食物は弁当や助六寿司、いろいろつまみもある。一応焼き鳥があり、つまみで買い求めたがどう見てもスーパーのお惣菜コーナーにあるパックだ。まあ、国技館のように専門に作っているわけではないから、これは雰囲気のものだ。ちなみに食事なら館内にレストランがあり、取組を終えた力士がここで食事をすることもあるそうだ。

そんな中、土俵には春日岫(東序二段7枚目)が上がる。序二段とはいえ、私の地元藤井寺市出身の唯一の現役力士。私が観戦した時はいつも敗けていたように思うが、この日は勝武士相手に土俵際で投げを打っての勝利。これには上段からコールさせてもらった。ちなみに名古屋場所は5勝2敗の成績で、来場所は三段目に復帰できそうだ。

土俵上の中入にはまだまだ時間があるが、ブログを書いているほうがいい加減に長くなってきた。ということで、この一文にて、中入・・・。

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