まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

新元号は「令和」

2019年04月01日 | ブログ
近畿三十六不動めぐりの記事を書いているところだが、やはり4月1日、この話題に触れないわけにはいかないだろう。

新元号は「令和(れいわ)」。候補は日本の古典からの出典も考慮するとあったが、その中で選ばれたのは万葉集だった。梅の花を詠んだ歌の一節「初春の令月にして気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」から取ったそうだ。「令月」とは「嘉辰令月」という熟語があり、めでたい月という意味がある。

万葉集は時の天皇、貴族から下級官僚、防人に至るまでさまざまな階級の人が詠んだ歌を集めたもので、日本の古典の中でも古事記、日本書紀と並んで最古の部類に属する。江戸時代の国学者の研究対象にもなったもので、国学じたいが、儒教や仏教に依らない日本固有の精神を深く研究しよう、ひいては本来の日本を取り戻そう、という学問だということを踏まえると、万葉集から採ったというのは「日本らしさ」をアピールしようとの意図もあるのかなという印象がある。

ただそこにはあえて目くじらを立てることはないと思う。万葉集といっても当時の貴族たちの「教養」とは隋や唐から受けたものが大きい。先ほどの一節もあくまで読み下し文で、原文の表記は「初春令月 気淑風和」と漢詩調であり、それすらもどっかの漢詩の教養をベースにしたものだとも言われている。

日本文化は元々中国の影響を(特に古代は)受けていたし、本当に純粋に日本オリジナルな呼び方にしたいのなら、漢語読みではなく「やまとことば」にしなければならないだろう。

1ヶ月先は「令和元年」となるわけか。ビジネスの場面では「2019年度」の中でしかないが、趣味の中では「平成最後、令和最初」がいろいろ注目される。例えば野球なら「平成最後のホームラン」とか「令和最初の勝利」だったり。大相撲なら「令和最初の優勝力士」とか。そして、私がやっている札所めぐりについては、平成のうちに満願とするもの、令和になって新たに始めようと思っているものがある。

この先、令和が何年続くのかはわからないが(おそらく今回の事例に倣って、30年、いやそれよりも早く生前退位が行われると思う)、佳き時代になることを祈念するものである・・・。
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