まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「昭和の日」に歩く「どっぷり、昭和町。」

2010年04月29日 | まち歩き

4月29日は昭和天皇の誕生日ということで「昭和の日」。朝は叩きつけるような雨が降っていたが、それも朝食をとって活動する時間になるとさっと引いて、空に雲がほとんどない晴天。いったいどうなってるんかいな?

さて昭和の日であるが、昨日twitter上でのリストを眺めていて「面白そうやな」というイベントを見つけた。

Dscn8969「昭和町で昭和の日に昭和建築の文化財で昭和の文化を味わうおまつり開催」ということで、「どっぷり、昭和町。」というイベント。

Dscn8968地下鉄御堂筋線の天王寺から1駅南の昭和町。大阪出身でありながらこの駅に降りるのは初めてである。駅のすぐそばに昭和建築の文化財である寺西家住宅を中心とした長屋の建物があり、ここをメイン会場としてイベントをやるようだ。

Dscn8972・・・・とその前に向かったのは近くの小学校。ここの体育館で「田辺寄席」という名の無料寄席が開かれるということでのぞいてみる。こうした「学校寄席」というのも、普通の演芸場で聴くのとはまた違った趣がある。この日は5回公演を行うとか。

私が行った1回目の公演では4組登場したが、中でも小学生の女の子が「りんりん亭りん吉」という名前で「粗忽長屋」を披露していたのは、しっかり熊・八の人物描写もできていて上手かった。

Dscn8979これで午前の時間をつぶし、再び寺西長屋界隈に行ってみるとえらい人だかり。路地にはさまざまな物売りが出ており、ちょうどお昼時とあってそこで買った物を食べる人も多い。昭和の賑わいが甦ったかのようである。

Dscn8977その脇には各地から取り寄せた地酒を一杯売りする露店も。島根や広島の地酒を味わい、いい心持になる。路地で即席のイスに腰掛けて「角打ち」をやる・・・これも昭和の長屋風情。

Dscn8984寺西長屋というのは現在では飲食店に姿を変えており、ちょっとした隠れ家的雰囲気を出している。この日は混雑していることもあり中には入れなかったが、何かの折に誰か食事に誘ってみるのもいいかもしれないな。

Dscn8983この日は音楽ライブも楽しめるということで、2階の窓からDJやら楽器奏者やらが顔を出して演奏を披露している。露店で買ったものを食べながら眺めるという風情。どうも、長屋の2階に居候している大家の若旦那が芸を披露するという、何だか落語に出てくるような世界。

Dscn8995さてこの昭和町、昭和風情の長屋住宅がまだ残っているという。まつりの賑わいから少し離れて歩くと、住宅地の中に長屋建築が残る一角に出る。

Dscn9001近くには昭和風情のアーケードの商店街もある。比定できるかどうかは意見の分かれるところだろうが、東京でいうところの谷根千のような感じである。へぇ~、こういうところがあったんですな・・・。

Dscn9003商店街を抜けると、阿倍野の地名の由来ともなったのであろう阿倍氏の創建とも言われる阿倍王子神社、そして陰陽師・安倍晴明生誕の地と言われる安倍晴明神社が並ぶ。晴明神社には占いコーナーもあるようで、何やら相談している声も聞こえる。

Dscn9006ここまで来れば阪堺電車の線路に出る。路面電車というのも昭和風情のある乗り物である。ちょうど天王寺方面からやってきたのは昭和初期の車両。いや~、絵になる。

Dscn9011もっとも、これが折り返してくるまで待つほどでもないかなと思うので、東天下茶屋駅に次にやってきたのは普通タイプの車両。まあ、乗ることに意義あり。

そうやって戻ってきた天王寺駅前。こちらは長く親しまれてきた近鉄百貨店の建物も建て替えのため取り壊され、西日本最大規模となる高さ何百メートルだかの建物に生まれ変わるべく工事に入っている。天王寺・阿倍野界隈の雰囲気も変わりそうである。

ただその中にあっても、南大阪の人情味、庶民性というのはいい意味で変わらずに受け継がれてほしいものである・・・・。

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