まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

只見線乗車

2008年08月27日 | 旅行記C・関東甲信越

P8232570会津若松駅の4・5番ホーム。狭いホームに大勢の乗客が押し寄せている。これから乗車する13時08分発の只見線小出行きを待つ客たちである。只見線で会津若松と小出を結ぶのは1日3往復(それこそ、朝・昼・夜に1本ずつという感じだ)という超ローカル線なのだが、そういうのが逆に「その筋の人たち」の興味を引くようで、青春18のシーズンともなれば全国有数の人気路線となる。遅くとも発車30分前にホームに並ばないと、自分の好みのボックス席に座ることはできない。

さて入線してきたのはキハ40系の2両編成だが、1両はボックス席が並ぶものの、2両目は全てロングシート・・・。幸い私はボックス席のある車両のほうの行列に加わっていたので座席を確保することができたが、ロングシート側となると・・・4時間半、あの体勢で座らなければならないのである。もっとも、沿線のあちこちで席を移動して写真を撮る、というような人なら、ロングシートのほうが動きやすいのだろうが。

P8232585車内のほとんどが青春18利用の客で埋まる中、発車。七日町、西若松という市街地の駅で高校生も多く乗ってきて、立ち客も多く出てそれこそ都市近郊区間と変わらない混雑ぶり。これで会津盆地を南西に向かう。今年も豊作を予感させる稲穂が波を打つ。会津坂下着。ここで高校生や地元の客の下車が目立ち、立つ人はいなくなった。ここから只見川に沿って山間へと入っていく。車窓も山深くなり、人家も少なくなってきた。

P8232578三島町の中心駅である会津宮下では20分以上の大休止。ここで対向列車と行き違うわけではないが、列車の交換駅も少ないため、時間調整となる。こういう長時間停車があるために所要時間が延びるのだが、只見線に通しで乗ろうという人たちにとってはむしろそのほうがよかったりする。ちょっとした撮影タイム、喫煙タイム、飲み物の購入(といっても商店はなく自動販売機だが)タイムになる。

P8232591ここからさらに山越えに挑み、15時22分、行程の半分まで来たところで会津川口着。ここでは小出からやってきた列車との行き違いがあり、双方向の列車が顔を揃えるということでしばしの撮影タイムとなる。このローカル線で一番賑わう駅といってもいいだろう。只見川のすぐ脇にある昔ながらの汽車駅というたたずまいがよい。

P8232599この会津川口から只見までの間がもっとも列車本数の少ないところで、1日3往復の区間である。そんな小さな駅でも、地元の学生だろうかが降り立っていく。普段は「夜の列車」で帰っているのだろうか。このあたりは頭に「会津」の地名が冠せられた駅が続く。さすがに3時間近く列車に揺られていると、眠気のほうもピークに達してくる。列車の揺れもちょうどいいリズムだし・・・。

P8232571只見線の車両には冷房がついておらず、このため暑い時期は窓を全開にして、自然の風を存分に味わうことができるのだが、この日は朝から涼しいくらいの気候。扇風機を回す人はいたが、窓を全開にするとさすがに寒く感じるのか、写真を撮る人が遠慮がちに窓を開けて、撮り終えるとすぐに閉めるというくらい。

只見でも10分停車。次の田子倉という秘境駅で下車する人もおり、ここから六十里越に挑む。日本でも有数の豪雪地帯で、そのために国道が閉鎖され交通機関が鉄道しかなくなってしまうという区間である。いずれ本当の豪雪の時期に乗ってみたいものである。

長いトンネルを抜けると新潟県。今度は魚沼のコシヒカリを栽培する田園風景である。もっともこの区間になるとほとんど居眠りしており、駅の停車時くらいしか記憶がなく・・・。ちょっと、もったいなかったかな。

P8232605 4時間半の長丁場を終えて、終点の小出着。新幹線の「のぞみ」なら東京から新関門トンネルの手前までの所要時間。最近長距離を走る鈍行列車が少なくなる中では貴重な体験である。

この時間、鈍行の乗り継ぎではその日のうちに東京に戻ることができない。ならばということで、逆にやってきた長岡行きの列車に乗り込む。長岡で特急車両使用の快速「くびき野」に乗車し、目指すは新潟・・・。(続く)

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