ウチのキッチンはIHなんだけれど、この方式の最大の不便さは器具を選ぶことだった。以前から使っていたもので使えなくなった鍋などはけっこうあるようだ。また、このために買い換えたものもあると聞く。実際家で料理をしたことがないので、あくまで、大変なのだな、フムフム、という認識しかないけれど、冬になってストーブを出すと、つれあいが「あー、便利だ」とつぶやいているのを聞く。土鍋なんかを使った料理ができるようになるということであるらしい。そういえばカセットコンロも時々テーブルの上にのっている。僕はカセットコンロというものは、宴会とかキャンプにしか使わないものだと思っていたので、IHになって、比較的身近に家庭で見るようになって愛着がわいている。つまり、結局いろいろと鍋は使い分けられているということのようである。
もちろんIH自体は火力が弱いわけじゃないし、つけっぱなしで忘れていても一定時間放置すると勝手に消えてくれるので安全であるし、なにより見た目がすっきりして、夏場でも鍋以外が熱くならないので暑苦しくないこと、などが大変にいいような気がする。僕は自分が使わないなりに、そういうわけで気に入っている。一時期アパートの西日に照らされ、汗だくで格闘しながら料理をしていたつれあいの姿(本当に気の毒だった。苦労かけたね)をよく覚えているので、料理する姿が暑苦しくないというのが、みている僕にも精神衛生上たいへんによろしい。今は冬だが、さかのぼってそう思う。
さてちっとも本題にいかないのだが、そうであったIHクッキング・ヒーターにオールメタル対応が出たらしい。僕は正直に驚いた。弟と飲んでいてそういうのがあると聞かされたときは、すぐに信用できなかった。そんな些細なことで僕を担いで何になる、などと思考をめぐらしてしまったぐらいである。弟よ、疑ってすまなかった。
僕は科学的合理性の無い話を信用するのがなにより嫌いだ。だからダイオキシンの害にも否定的だし、タバコの癌への影響についても疑いを持っているわけだ。これらはもっとも重要であるはずの科学的根拠に欠けているにもかかわらず、多くの人を騙し続けている。まあしかし今はそういう話なのではない。残念だが話を戻そう。
実は家でどんな鍋に変わったのか知らないが、フライパンをはじめいろんなものが新しくなったような気がする。僕だって一緒に買物にいったりした(何を買ったかまでは見てなかったが)ので、それぐらいは分かる。IH対応の器具のみに今後の買物の選択がしぼられたという認識は、完全にインプットされたわけである。
オールメタル対応ということであるから、メタルであればいいという選択になったようだ。電気なのにアルミが使えるってイメージがまず僕には全然ない。つくづくなんだかすごいという気がする。しかしこの説明にある3倍共振インバーターという考え方だったことも実はよく理解していなかった。何か科学的根拠が大切だよ。僕だって何にも知らないじゃん。
まあしかしすごいことではあるが、冷静になって考えてみると今使っているものが致命的に壊れない限りおいそれと買い換えることはありえない。中華なべのような底の丸いやつは相変わらず駄目だろうし、つれあいは圧力鍋は嫌いらしい。アルミホイルの包み焼はその響きからいっても旨そうだが、アルミ鍋を使うのはアルツハイマーなどのことを考えると長い目でみて敬遠した方がいいような気がする。ものすごく先の未来には恩恵を受ける可能性が広がったということに過ぎないようである。一気に興奮は冷めてしまった。
開発秘話を見る限り、何年も研究をしているということがよく分かる。製品化することを信じて技術革新をはかるという努力は尊敬に値する。考えてみると便利で簡単になることによって、電化製品は逆にその内容的な技術がまったく分からない代物になっている。いろんなことが当たり前になっていることに反比例して、その内容が誰も分からないという皮肉な世界だ。なんて厭世的なことをいおうと思っているわけでは全然なくて、僕はまったくそれでいい。
人間は新しい環境でも対応できる能力というか柔軟性があるのだと思う。便利に慣らされているというんじゃなくて、便利に対応しているんじゃなかろうか。どんどん新しいことに慣れるというのは、不便なことにも慣れる能力がちゃんと備わっている証明ではないか。僕は素直にびっくりするような技術革新が次々に現れないものかと思っている昭和世代の子供なのである。お互いにお互いをびっくりさせたいという欲望が、ちょっと先の未来を切り開くような、漠然としたイメージがあるのだろうと思う。今回はびっくりさせられてよかったのであった。
もちろんIH自体は火力が弱いわけじゃないし、つけっぱなしで忘れていても一定時間放置すると勝手に消えてくれるので安全であるし、なにより見た目がすっきりして、夏場でも鍋以外が熱くならないので暑苦しくないこと、などが大変にいいような気がする。僕は自分が使わないなりに、そういうわけで気に入っている。一時期アパートの西日に照らされ、汗だくで格闘しながら料理をしていたつれあいの姿(本当に気の毒だった。苦労かけたね)をよく覚えているので、料理する姿が暑苦しくないというのが、みている僕にも精神衛生上たいへんによろしい。今は冬だが、さかのぼってそう思う。
さてちっとも本題にいかないのだが、そうであったIHクッキング・ヒーターにオールメタル対応が出たらしい。僕は正直に驚いた。弟と飲んでいてそういうのがあると聞かされたときは、すぐに信用できなかった。そんな些細なことで僕を担いで何になる、などと思考をめぐらしてしまったぐらいである。弟よ、疑ってすまなかった。
僕は科学的合理性の無い話を信用するのがなにより嫌いだ。だからダイオキシンの害にも否定的だし、タバコの癌への影響についても疑いを持っているわけだ。これらはもっとも重要であるはずの科学的根拠に欠けているにもかかわらず、多くの人を騙し続けている。まあしかし今はそういう話なのではない。残念だが話を戻そう。
実は家でどんな鍋に変わったのか知らないが、フライパンをはじめいろんなものが新しくなったような気がする。僕だって一緒に買物にいったりした(何を買ったかまでは見てなかったが)ので、それぐらいは分かる。IH対応の器具のみに今後の買物の選択がしぼられたという認識は、完全にインプットされたわけである。
オールメタル対応ということであるから、メタルであればいいという選択になったようだ。電気なのにアルミが使えるってイメージがまず僕には全然ない。つくづくなんだかすごいという気がする。しかしこの説明にある3倍共振インバーターという考え方だったことも実はよく理解していなかった。何か科学的根拠が大切だよ。僕だって何にも知らないじゃん。
まあしかしすごいことではあるが、冷静になって考えてみると今使っているものが致命的に壊れない限りおいそれと買い換えることはありえない。中華なべのような底の丸いやつは相変わらず駄目だろうし、つれあいは圧力鍋は嫌いらしい。アルミホイルの包み焼はその響きからいっても旨そうだが、アルミ鍋を使うのはアルツハイマーなどのことを考えると長い目でみて敬遠した方がいいような気がする。ものすごく先の未来には恩恵を受ける可能性が広がったということに過ぎないようである。一気に興奮は冷めてしまった。
開発秘話を見る限り、何年も研究をしているということがよく分かる。製品化することを信じて技術革新をはかるという努力は尊敬に値する。考えてみると便利で簡単になることによって、電化製品は逆にその内容的な技術がまったく分からない代物になっている。いろんなことが当たり前になっていることに反比例して、その内容が誰も分からないという皮肉な世界だ。なんて厭世的なことをいおうと思っているわけでは全然なくて、僕はまったくそれでいい。
人間は新しい環境でも対応できる能力というか柔軟性があるのだと思う。便利に慣らされているというんじゃなくて、便利に対応しているんじゃなかろうか。どんどん新しいことに慣れるというのは、不便なことにも慣れる能力がちゃんと備わっている証明ではないか。僕は素直にびっくりするような技術革新が次々に現れないものかと思っている昭和世代の子供なのである。お互いにお互いをびっくりさせたいという欲望が、ちょっと先の未来を切り開くような、漠然としたイメージがあるのだろうと思う。今回はびっくりさせられてよかったのであった。