嫡外子相続二分の一違憲判決ニュースは、ふーん、程度だったのだけど、ネットではあんがい批判的な意見も多いのでかえって驚いた。みんな何をそんなに恐れているのだろう。
まあ、遺産相続でもめるのは、持っているところでは普通に揉める。いや、もちろんもめないところもあるが、さらにもめる要素が増えると考える人が多いのかもしれない。でもまあ普通に考えると、そんなに付き合いの無い別の家庭の異母兄弟が、親の死後に遺産の相続分をくれと言ってくる場合の方がものすごいレアケースなんじゃなかろうか。その上に裁判にまで発展して相続分を、なんてことになる場合はさらにどうなのか。まあ、少ないから問題では無いとは言えないが…。
親の介護もしてない他人のような人が、相続だけ権利を主張するのはおかしい、という意見もあった。よく分からんが、これも言ってくる人はあんまりなさそうだけど…。まあしかしそれは実のきょうだい間でももめそうですね。今回の判決でこのもめごとがさらに増えるという以前の問題ではないかとも思う。
いろいろ杞憂のあるのは分からんではないが、今回の判決のポイントは、たぶんしかしほとんどそういうことを指しているのではないと思う。基本的には役場に対して、事務的にこうなったからよろしくね、ということなんじゃなかろうか。さらに日本の戸籍制度に対しても、今後は少し手直しの必要もあるかもしれんね、ということでしょう。
さらに今までも度々話題にはなっていたが、日本の婚姻制度そのもののひずみから生じている問題という気もする。僕も普通に結婚式などでは口にするけど、ご両家のご結婚のお祝いというニュアンスから、完全に個人同士の結婚というものに変わっている事が一つと、そもそも婚姻すらしない事実婚のカップルも、相当増えていくという予想があるんじゃなかろうか。さらに当然離婚問題もある。離婚率は減る傾向は考えられないので、当然そのことに比例して、2人以上の父親を持つ子供の数というのは、今後減ることは無いだろう。
文化や習慣の違いがあるとはいえ、日本と韓国以外の国では、婚外子という存在はごく普通というか、実はメジャーということになっているらしい。今はまだ少数だから実は無視されていたということであって、当然そういう流れになることは、もはや必然的なことなんだろう。そうであるのに、一緒に暮らしていた事実上の親が死ぬと、嫡外子ということで二分の一の相続ですね、と役場で言われるのを覆すのがなかなか難しい、ということなんじゃなかろうか。