大阪ダブル選挙は橋下市長の圧勝に終わった。それは20万という得票差を見て言えることではあるが、平松候補も50万票以上、得票率は41%取っているということで、むしろ健闘している風にさえ見える。傍から見ている分にはもっと差があっても当然のように思っていたので、報道の方が手のひらを返したようにも思える。
既に解説は山のようにあるのでそちらを参照してもらえばいいのだけど、選挙戦をネットで眺めている分には、それなりに反橋下という空気が先鋭化していたように感じた。敵も必死だったわけだ。大阪がダメになる、壊される、というような論調と、橋下独裁者に対する懸念の声が大きかった。確かにやり方はほとんど独裁だが、日本は独裁で無ければ変えられないところまで来ているという論調もあって、さらにそれくらいがんじがらめに既得権益の力が強くて、孤軍奮闘(ほんとは孤軍でも無いんだけど)しているという橋下氏こそ、孤独な戦士という感じでもあった。当選後からこそ本当の戦いが始まるわけで、橋下氏がお気の毒にさえ感じられる。いくら強そうな人とは言え、敵は強力にサボタージュしてくるだろう。ひょっとしたら具体的に刺される危険もあるかもしれない。既得権益というのは生活が掛かっている訳で、本当に恐ろしげである。
更に当選後の報道などでは、橋下氏の巧みな演説を取り上げるなど、本当にピントがズレまくりであった。やっていることが何にも分かっていないから、そういう風に決めつけて勝因を結論付けるしか出来ていない。もちろん演説は下手ではないが、フリルで防寒着を選ぶ人など少数だろう。
圧倒的に糾弾される立場から、少しだけは流れを掴んだという感じが本当の姿なのかもしれない。それが民主的な勝利なのかどうかはよく分からない。これだけの圧倒的な風が吹かなければ強力な指導者が生まれないということでもあって、しかしそれが日本に生まれたというのは、本当に凄いことだったように思う。しかし、これからも勝ち続けなければならない訳で、本当に道は険しいものだと思わざるを得ない。今になってあわてているような人がいそうな気がして(それも政治家に!)、それが日本のほとんどの姿なら、さらに悲しいのだった。