カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

データの力と少しの勇気

2006-12-05 | 雑記
 藻谷浩介さんを迎えてのセミナー。僕としては佐世保以来ですね。お久しぶりです。
 委員会の勉強の成果も、多少分かりにくかったにせよ良かったと思う。プロじゃないんだからわかりやすい必要はない。問題意識でもって考え調べひとつの結論として導き出したということがなにより大きいと思う。僕なんて恣意的動きにはまったく興味もないぐらいだから、けっこう啓蒙されました。いや、これは個人レベルにも影響のあることだったんだということを教えてくれた功績は小さいものではない。
 さて、メインの藻谷氏の講演なのだが、実感として圧巻である。データの力強さと展開の仕方は見事で、時々けっこう私見も交えているんだけれど、それも含めて天地をひっくり返す力を持った内容だった。普通は「これを参考にして…」ということになるんだろうが、はっきりと結論まで導いてあるので、参考どころかやるべきことは明確だ。
 これだけ聞けて今回の講演料は、ものすごく安いのではないかと思う。個人的には会費に含まれているとはいえ、当日受講料は無料だったのである。聞かせるべき人も他に明確にいたにせよ、本当に得をした。忙しい人らしいが、そりゃ忙しくもなるだろう。おいらも呼びたい、という人が後から生まれることは確実だからだ。はっきりいって、つばつけておいて定期的に話を聞くということが必要だと思う。マクロな話を落とし込まなければならないので、少人数でちょっとだけ理解してもムーブメントを起こせない。つまり景気と同じで結果待ちになりかねない。やることは分かっているが、やられるほうが分かってなければ、やはり物事は動かないのだ。
 いやあ、劇的な話だ。別に中心市街地だけの問題じゃないので、これはどこでもまちづくりできるということでもある。もちろん簡単じゃないけれど、不可能じゃない。おいらも商売しようかなと思わせられる。あ、既にもう商売してるんだっけ。まちとしてやんなきゃなんないんだよなあ。祭りでもわずらわしいので、僕には尻込みしてしまうのも確かだ。面白さなんだよね、たぶん尻を押してくれるのは。
僕が今回聞きながら考えたのは、シンプルに延縄より一本釣り。そしてテクノロジー(技術向上)に向き合うことだ。
 前に養老さんの本で、中国人は飯屋があたったら店舗拡張したり複数店展開したりすることが上手で実際そうするが、日本なら例えば鰻屋のオヤジは、従業員増やしても自分でクシを刺して焼いているのではないか、と言っていた。また、日本と言う世間は、そういうものを店に求めているのではないかとも思う。もちろんマクドナルドだって日本には定着していることは認める。しかし僕のような年よりくさいやつは、そんなところでは絶対に満足できない。たぶんヨーロッパにもそういう感じを少しは分かるとは思う。ただあちらでは、シェフを雇うのだろうけど。
 釣りもやらないし不器用な僕が、一本釣りと技術を磨くのだからそりゃ大変ではある。しかしよく考えると今までもやってきていることではあるのだ。「今までのやり方が駄目だったんじゃないの」と疑問に思っている向きもあろうが、それでも逆転できるんですよ、と言ってくれたのが藻谷さんだったわけだ。トヨタにできないことを僕等がやってやろうってんだから鼻息が荒いけれど、おいらは将軍様の国に生まれたわけじゃないからね。それだけでもかなり拾いもんの幸運の持ち主なんだから、がんばるに越したことはないのである。なにより元気になれたことを感謝したいものである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« システムの問題 | トップ | 自然の厳しさと、さらに寒い空 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。