カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

当然なら称賛も無い訳で……

2023-08-23 | net & 社会

 イクメン君と言われるような人もちらほら見るようになった。もちろん職場環境もあるようで、そのような人がいない職場もあるという。そもそも働き方として無理という事か。ところでイクメン君にそれとなく聞いてみると、素直に「怒られるから」という返答が返ってきた。なるほど、そうなのか。そういうことかもしれないですね、確かに。
 妙に納得はしたものの、内容としては基本的に分業制で、曜日を決めて保育園に迎えに行くとか、そういう時は彼が先に帰るので、夕飯を作る、ということのようだ。簡単なものは作るが、お惣菜を買う場合もあるという。夕飯の用意ができればいいというかんじなのか。お子さんの風呂入れはだいたい役目で、そのあと寝かしつけるなどは奥さんの方が多い(ということは、することもあるということか)という。最初は出来なかったらしいが、二人目の時に育休を数週間とって、その時にだいぶ覚えたのだそうだ。これも奥さんと話し合ってのことのようだ。奥さんも働いているので、一人では限界が来たのだということだろう。それにしても聞いているだけで偉いものだな、と素直に感じるが、それでもまだ不十分なのは分かっているので、奥さんの不満は無くなっていないはずだそうだ。
 若い人というのは、やはり実にえらいな、と思いながら、そういうイクメン君の話を聞いたのだが、ある時雑誌の記事で、イクメン君がちょっとした家事をするだけでもてはやされ、一般的な妻が圧倒的な家事の負担をしていても、おおかたの人は無視をしている、というのを読んだ。なるほど、確かにそうだな。僕は素直にイクメン君スゴイと感じたが、そういう感覚は、頑張っている女性を少なからず傷つけることでもあるかもしれない。なかなかに難しいが、こういう感覚が残っている中での、過渡期としてのイクメンもてはやしは、やはり少数者としての無理解の上での称賛に過ぎないのかもしれない。イクメンも、もっとすごいイクメン、例えばキャラ弁などの特殊な方向に行ってこそのものが正解なのだろう。
 そんなことがあってSNSを眺めていると、僕は世代が違うので多くは無いけれど、検索するとやはりイクメン自慢は出てくるようだ。料理は結構あって、これは得意不得意もありそうだけど、お弁当作りなんてものも結構ある。お弁当を作ったことが無いことと、毎日ということを考えると、やっぱりすごい人もいるものである。でもまあ、イクメン自慢のものの多くに、奥さんの影が薄い感じもなんとなくあって、これはモチベーションでやっている可能性はあるものの、そういう意見も是非聞いてみたい気もした。相方が面白くない、と思っている可能性もあるし、うまくノセている可能性もある。いや、そういう見方はうがったものなのだろうか。
 子育ては女性だけが担うのが当たり前でないというのは、倫理的には当然のことだけれど、その理屈で分かっている当たり前は、現実にはかなりというか程遠い理想であり続けている。打破するその為には、当たり前のイクメンを育てていくよりないとも思う。しかしイクメン称賛は、ある意味では今の時点で問題も含んでいるかもしれない。それは必ずしも育児を当然としている今の女性の負担を(とくに精神的なもの)、軽くするものではないかもしれないからだ。それは冷めた視線でもダメそうで、しかし頑張れ応援も必要ではあるのである。ジレンマに陥ると何もできない。さらにもう自分は孫にしか可能性を見出せない(いないけど)。期待もされていないかもしれない。ペットの面倒を見るくらいしか、模範的なことはできないのかもしれない。
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