カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

自由奔放なムーミン   トーベ

2023-06-28 | 映画

トーベ/ザイダ・バリルート監督

 「ムーミン」の原作者であるフィンランドのトーベ・ヤンソンの伝記映画。トーベの父は国民的に著名な彫刻家で母も画家だったようで、家では弟子たちがひしめき合って創作活動をしているような奇妙な生活をしている。父からはトーベの漫画のような絵は、なかなか認めてもらえてないような感じだった。トーベは政治家の男性と不倫関係にあったが、ある時舞台演出家の背の高いかっこいい女性に惹かれていき、恋に落ちてしまうのだったが……。
 ヘビースモーカーで、活発で奔放なトーベの若き頃の姿をみると、ムーミン村の物語作家としては、いささか意外な印象も受ける。しかしながらそのような環境にあって、葛藤を経ながら、漫画のような絵を描くトーベは成功の階段も登っていくことになる。当時としては高給取りの漫画家兼物語作家になるのである。一方で恋の行方の方は……、という物語になっている。
 時折当時描かれていたであろうムーミンの絵もふんだんに出てくるが、日本のアニメで育った僕としては、ちょっとソリッドな感じの絵に、なるほど彼女は元々絵画としての作家だったのだ、ということを改めて認識し直した。絵の才能はもちろんあるが、父に認められたい葛藤も秘めながら、財政的には成功を収めることになる。ある意味割り切っているらしいところもあったようだ。作品は舞台化されるなど話題を呼び、ひいては日本のアニメになったということだろう。
 トーベには子供もいたようなので、女性との恋愛もありながら結婚もしたのであろう。そのような時代の断片を描いた映画で、いわゆる純愛ものである。別段隠された事実ということでもないのかもしれないが、時代が変化して改めて表に出されるべき物語になったのかもしれない。改めて思うことだが、男女の恋愛は、今や純愛とは呼べなくなってしまった感がある。表に出るべきものというのは、そのような時代の先見性なのかもしれない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 変わりゆく難しさと変わらな... | トップ | 質問は盛り上がりすぎてもい... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。