カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

カマトトが輝いていた頃   昼下がりの情事

2019-05-27 | 映画

昼下がりの情事/ビリー・ワイルダー監督

 オードリー・ヘップバーン主演のコメディ。探偵をしている父の事件の詳細を盗み聞きするのを趣味としている娘が、ある浮気事件が殺人に発展しそうなことを知り、止めようとすることから大富豪のプレイボーイと恋に落ちる話。今となっては多少時代がかっているが、やっぱりオードリーなので許される作品となっている。ただし相手役の大富豪役のゲーリー・クーパー(当時56歳だと思われる)が、すでにかなり年上すぎる感じで、今一つ合っていないのが残念であった(ゲーリー・クーパー自身は大変に二枚目俳優であることは間違いないのだが)。また、劇中流れる「魅惑のワルツ」が印象的なのだが、僕個人的にはチャップリンの「ライムライト」の印象が強すぎて、妙に違和感があった。いい曲ではあるんだけれど。
 コメディなので仕方ないが、そのような設定自体が笑えるのだというのも分かるが、やはりなんとなく釣り合っていない感じは終始残る。大富豪がぞっこんになるから何とかなるけれど、やはり男を手玉に取るには、もう少し実際に悪いことをしないといけないのではないか。若い俳優を使って、恋のライバルに誤解を与えるなど工夫がほしいところであった。
 もっともそのような健全性が時代背景にあるのも間違いなかろう。昔の人は案外カマトトなんである。まあ、オードリーはどう考えてもそんな感じの代表的な人ではあるんだが、それだけかわいいので許されることに過ぎない。真似をしたい気持ちは分からないではないけれど、やっぱり背伸びをしすぎてしまった人は多いんじゃなかろうか。
 というわけで、やっぱり古き良き時代を楽しむ映画なのであった。
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