カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ブロンソンの出稼ぎ時代   夜の訪問者

2021-04-16 | 映画

夜の訪問者/テレンス・ヤング監督

 観光客相手の釣りなどで商売をしているらしい個人船長のジョーのもとに、無言電話がかかってくる。そうして夜中に家にやってきた男といろいろあって、結局ジョーはその男を殺してしまう。死体を隠して帰ってくると、また二人の男が家の中で待っていた。実はこの男たちは、ジョーが以前刑務所に入っていたころの仲間で、ともに脱獄したのだったが、ジョーが裏切って置き去りにして、結局彼らはまた捕まってしまった。当たり前だが、そのためにジョーを恨んでいるのだった。それで、復讐もしたいだろうが、その時の償いのようなことで、また、麻薬取引の仕事をジョーにやらせようとしている。さらに妻と娘が人質になっており、ジョーはしぶしぶ取引に応じることになるのだったが……。
 チャールズ・ブロンソンがフランス語を話しており(多分吹替)、ちょっと米国の映画と比べると、テンポというか間合いのようなものが違って、ユーモラスな感じが漂っている。以前日本人なんかも吹替アクションで香港映画に出ていたことがあったが、要するにそんな感じなのである。
 プロット(いろんな出来事が起こって、とにかくスジが複雑である)の説明が厄介だが、家族を人質に取られているのに、相手のボスの愛人を逆に人質にして取引したり、カーチェイスをしたり、せっかく相手を倒したのに、そのまま放っておいたり(だからまた逆襲される)、なんだか途中で疑問符がたくさん出てくる。しかし、そういうアクションに緊張感はないわけではなくて、娯楽作に徹した作り、ということなのかもしれない。でもまあ、今時こんな筋書きの映画なんて、とても企画が通りそうもないのだが、それが時代ということなのだろう。
 時代といえば、チャールズ・ブロンソンの男としての脂の乗り切った時期でもあって、ピチピチのTシャツに筋肉がしっかりついていて、それでいて髭面でかっこいいのである。うーん、マンダム、なのだ(そんなの知ってますか?)。もちろん、そういうのが懐かしいな、と思って僕は録画しておいたのだろうと思う。映画としては、大した出来栄えではないけれど、そういうファンにとっては、見ておいて損はない作品ではなかろうか。実際面白くないわけではなくて、その変な展開そのものが、なかなか味わいもあるような気がしないではない。ふつういくら悪人であっても、人を殺したり、倫理的に踏み外したことをしておいて、でもかっこいいから正義であるような内容なんて、なかなかもう作られはしないだろう。
 でも、我らがブロンソンだから、それでいいのである(たぶん)。
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