カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

愛のむきだし

2010-03-10 | 映画
愛のむきだし:予告


愛のむきだし/園子温監督

 あまりの名作かげんに呆れてしまう。いや、打ちのめされる。
 4時間という時間に躊躇していたし、この予告編を観て分かるとおり、自宅でつれあいと思春期の息子達と一緒に観るということも、かなり問題のようにも思われる。しかし、傑作という真意は確かめてみなくては…。
 しかしながらぜんぜんそんな心配はおかまい無しに、いきなりその面白さに没頭してしまう。実は前半と後半は日時を分けて観たのだけど、特に前半の爆発力にはまいった。多少コメディタッチではあるけど、ものすごい映画であることは間違いない。エロだけでなくグロも満載だけど、純文学より純粋だ。本当に素直に、愛とは何だ、と頭の中でリフレインが続く。他人の勃起をみるだけでこんなに感動をすることがあるとは、思いもよらないことだった。こんな説明してもかえって支離滅裂に聞こえることはなんとなくわかるのだが、ぜんぜん冗談で言っているわけでないので困るのである。愛ゆえに死ぬほど苦悩し、人間として生きるために再生し離脱するという、正真正銘の感動の物語なのである。
 それにしても、実話が元だと言ったって、これは凄すぎるだろうというという世界。後半は宗教の恐ろしさも考えさせられて、実にお得な満足感も得られる。エンタティメントに徹していながら欲張りに芸術的かつ哲学的テーマを紐解く世界観に脱帽するよりない。なんという力強さ、そしてカタルシスだろう。
 愛の物語を真面目にやると、どこか「ケッ」という恥ずかしさをいだいしてしまう屈折した人間にとって、愛というものは素直に生きる力だということを言っていいのだと分からせてしまえる見事な名作であると言わざるを得ない。おそらくこれは人を選ばない。勇気を持って観ることをお勧めいたします(いや、やっぱり観ない方がいいかも…)。

追伸:安藤サクラって、奥田瑛二の娘なんだ…。
 本当にDVD買ってしまうかもしれない。少なくとも人生のうち何度か見直すことになるんじゃないだろうか…。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なんでそうなる、芦田の毎日 | トップ | いまだにそんなところで… »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。