ストレイ・ドッグ/カリン・クサマ監督
徐々に明かされては行くが、過去に問題があり、相棒とともに潜伏捜査していた経験のある女刑事が、ある殺人事件にかかわっている。今の相棒とは別行動をとり、規則も規律もろく守ることはなく、離婚して連れている娘との関係も最悪である。はっきり言って何もかも破綻している様子なのだが、勝手な捜査は続き、娘と付き合っている不良の年上男とも関係が悪くなる一方だったが……。
過去にひどいことが起こったことは徐々に明かされていくわけだが、それで今もって荒れた生活を送っているようだ。そういう態度は仕方がないとでも言いたいのかもしれないが、警察官である。アメリカの警察組織が荒れた警察官に甘いとは考えられないが、ともかく彼女は嫌われながらも自由である。しかしこれは一種の復讐劇になっていることが明らかにされていき、では彼女はどうやって復讐を遂げるのか、ということになるのかもしれない。ちょっとしたトリックがあって、最後の方で、やっと、ああなるほどな、という感じかもしれない。見たい人はお楽しみに。まあ、分かる人には途中で気づくのかもしれないが。
それにしても、ニコール・キッドマンである。若いころから絶世の美女だったわけだが、いわゆる性的にはともかく、汚れ役と言えるかもしれない。きれいな女優さんだけど、精一杯汚い格好をしているという感じだろうか。でもまあ以前にいは大胆に脱いだこともあるわけで、ふつうに考えてそちらの方がハードルが高いことかもしれない。僕は彼女が主演だとは知らないで観ていたので、途中でアレレ、と思った。そうしてクレジットを見て、やっぱりそうだったんだと思ったので、ある意味で覆面演技である。年齢もあるし、新しい境地を開こうという魂胆なのかもしれない。
ハードボイルド作品は、多くの場合中年男性の専売特許という感じもあったわけだが、こういう女優さんによって、女もそういうことするんだよ、ということになるのかもしれない。成功しているかどうかは、観る人で判定してください。面白くないわけではないけど、僕にはビミョーって感じっすかね。