すてきな片思い/ジョン・ヒューズ監督
姉の結婚式を翌日に控えたあわただしい日に、誰もサムの誕生日であることを思い出してくれない。気分は最悪だが、夜にダンスパーティーがあり、思いを寄せる(しかし彼女あり)カッコいい先輩と、何かきっかけを期待して出かけていく。しかし言い寄ってくるのは、年下のめんどくさい饒舌な少年である。そんな中、パーティは酒が入って異常な盛り上がりに展開していくのだった。
主役のモリー・リングウォルドのアイドル映画的な作品だが、日本のアイドルものとは少し感じが違って、要するに若者らしい無茶苦茶な青春像を描いたものになっている。僕も中高生の頃にアメリカのこのような青春映画をみて、家でハチャメチャなパーティをやるらしいアメリカ社会に憧憬を覚えた記憶がある。高校生なのに皆酒を飲んで車を運転している。親が許すはずもないし、物理的にこんなことが開催されるなんて不可能だろう。
まあしかし、ティーンエイジャーにも性の芽生えがありながらのもどかしい恋があるのはどの国でもあるだろうことで、むしろ派手に性的にも開放的な印象のある米国であっても、恋の葛藤においてはむしろシャイなところが結構あって、それなりに共感できるところはある。まあ、結局金持ちでカッコいいのが一番偉いというのは気に食わない訳だが…。
面白いからいいというのはあるんだろうけど、アジアの青年はアジア的だし、憧れの先輩の以前からの彼女への対応にも疑問が残る。姉の結婚式にしても、具合が悪いのなら休ませるべきである。面白さのためにやりすぎてしまって、ドリフ化したギャグの多い作品と言えるかもしれない。まあ、そういうところもこの時代のアメリカ的な雰囲気があって、それなりにいいものではあるんだけれど…。