民主党の代表が鳩山さんになった。小沢前代表の傀儡であるとか言うようなイメージがいきなりくっついた形になって、かなり前途多難な船出に見える。なんと対抗勢力の自民党がこの結果にホッとするばかりか歓迎ムードを見せている。事実上鳩山さんが日本のリーダーに一番近い立場になったわけだが、それが怖くない存在であるという見方が、自民党にとって喜ばしいことだったということだろう。
実は珍しく中三の息子がこの代表選に興味を持ったらしかった。彼が推していたのは岡田さん。なるほど、中三であっても世論かもしれない。僕が普段鳩山さんの服のセンスにケチをつけるのを聞いていただろうし、岡田さんの無理に笑う不自然な真面目さに好感を持っていたようなところもあるようだ。報道も岡田びいきの様相もあったし、自然な反応だったのかもしれない。僕がどうせ鳩山さんになるよ、というと、「ええっ」と驚いていた。結果的にそんなに差がなくて、僕はかえって驚いてしまったが…。
さてしかし、選挙までは鳩山さんは自民批判戦法しかないような気がしないではない。対する自民は鳩山(小沢)批判ということだろう。お互いの悪口を言い合って、どっちが最も悪いのかというのを判断してもらおうということなんじゃないか。日本の国民も政策論争を理解しないし、そうするより仕方ないじゃないか、という声も聞こえそうだが、そんなに馬鹿にしないでもらいたいとも思う。
自民党でも民主党でも政策を練る能力のある若い政治家はいないわけではなかろう。あえて若いと断りを入れたのは僕の偏見かもしれないが、若くない政治家は政策より政局重視に見えるからだ。そうしてやはり年配の有権者が投票して雌雄を決するわけだ。この循環が悪いのだと素直に思うからこそ、やはり政策に戻って議論をしてほしいと思う。そして、どちらの政党でもいいから、いい政策を持っている人間をすぐに登用できるシステムを構築していけるのかどうかというのが、政党の価値になっていってほしい。(一部の)有権者の声を官僚の考え方に翻訳して実行に移すのが政治家の役割なのではない。そういう意味では、政権交代がいつでも可能な拮抗した二大勢力が望ましいということにはなるのだろう。本当にそのような勢力形成を構築できるのかということを見るためには、今度の選挙だけで済むものではなさそうではある。僕の生きている間に、日本に政治の季節が巡ってくるものなのだろうか。