録画していた今日の料理を見ていたら、マロンさんという人が料理を作っていた。この業界もいろんな人が出てくるね。
それがまあ、簡単そうで、そして旨そうなんである。僕は料理は不得意だけど、一人暮らしでも何とかなりそうな気がしたね。したけど単なる錯覚だということくらいは自覚してますけど。それにひとり暮らしはしたくないし。
僕がマロンさんの料理の手際で感心したのは、なんというか、見た目を大切にするくせに、材料を無駄なく使おうとするというか、少しせこいような、いや、正確には、そつのない要領の良さを感じたからだ。
これは僕の偏見だが、どうもそっち系の人らしいマロンさんは、苦労しながらも自分というものに正直に向き合うことを止めなかったのではなかろうか。笑い方は妙だけれど、料理作りにすっかり心を打たれてしまったのだった。
知らないくせに言わせてもらうと、料理というのは、構成力という気がする。司会者と二人三脚だし陰でスタッフが手配をしているのは分かるのだけど、番組の構成を細かく理解して料理を展開しているのが良く分かった。もちろん多くの料理家がそのようにしている訳だけれど、既にかなり備わっている力強さを感じさせられた。もっとも僕以外の家族は既に彼のことを知っているらしく、そんなことが新鮮なのは僕の無知であるにすぎない訳だが。
僕自身も少しだけだがひとり暮らしの経験がある。誰も信じてくれないが、ちょっとだけ自炊していたこともある。友人を呼んで部屋でパーティだってやったことがあるくらいだ。イカの塩辛を作ってストックしたり、マメだったようなふりだってしてた。料理本は短編小説の代わりによく読んでいたので、何となく料理は出来る自信があったのだけど、結局技術が伴わず、それにやはり煩わしくて、いつの間にかやめてしまっただけのことである。料理が嫌いなのではなく、片付けるのが嫌いだっただけである(誰だってそうかも)。
番組は、一人暮らしを始める人を想定して、簡単料理を紹介するものらしい。誰も喜んでくれないけど、たまには料理を作ってみたいなあ、と思わないではない。以前ならパエリヤだとか鳥の丸焼きだとか大仰なものを作りたがったものだけど、普通のお惣菜のようなものを手早く作れるっていうのが、何よりの憧れだ。男の料理のようなものじゃなくてぜんぜんいい。
つれあいから怪訝がられるのは確実そうだけど、料理教室に行ってみたい気分であります。