ジャッジ!/永井聡監督
広告の国際賞の審査員として代理で出席した上に、同僚の女性と夫婦と偽って参加し、広告主の代理店として、賞取レースの駆け引きに奔走する。他国の審査員の代表者もそれぞれくせもので、自分の作品を売り込むことに必死である。そんな賞にいったい何の意味があるのかと観ている方は疑問にも思うが、まあ、そういうお話なんだから仕方がない。
広告業界のことはまるで知らないが、恐らくそういう業界の内部事情として、こういういかがわしさの中で仕事をするということをコメディとして表現していると考えられる。コメディなのでリアリティはそんなに無いが、次から次に嘘をつきとおさなければならないし、失敗するとクビになるらしいし、同僚のギャブル好きの女とは、同じ部屋に泊まりながら上手くいかない。設定として面白そうになりそうだというのは分かるのだけれど、妙な正義感なんかもあって、結局なんだかシラケる感じだ。要するになんとなくハズしていると言ったところか。まあ、そこのあたりの感覚の人の作品というのが、大衆性があるということかもしれないけれど。
いろいろ変わった人ばかり出てくるが、そういうものにも伝説的なモデルになる人物がいるのかもしれない。デフォルメはあるのだろうが、そのようにして仕事をしなければならないというのは、お金がかかっている業界として、当然ということなんだろうか。
最近のニュースでは、広告業界というのもかなりブラックであるということになっているけど、さもありなん、といったところか。まあ、漫画的な話なんで、本当に悲惨さは無いが、こういうところには見切りをつけて働いた方が,
人生は建設的である。お金のために何でもするというのは、人間臭いようで、実際は、まったくそんなことないと思う。人はヤクザ的に生きるのは結構つらいものである。まあ、よくわからんまま言ってしまうと、そういう疑問がたくさんある映画だった。