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「復讐 天橋立」を読む 26

(畑のミョウガ)

夕方、思い付いて身に行くと、畑のミョウガが頭を出していた。食用するこの部分は「花穂」という。ここから花芽が出て、花を咲かせる。ミョウガの花穂はいくつも出ていたが、取りあえず二つ収穫し、お昼の残りのソーメンの薬味として食べた。美味かと聞かれれば、びみょう(微妙)と答える。

午後、「古文書に親しむ」講座。酷暑の昼間にかかわらず、10人の出席に有り難いことと思う。森町から出た地方文書12通、読み終えた。

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「復讐 天橋立」の解読を続ける。

延引に及びしと、委細を(つぶさ)言上(ごんじょう)すれば、殿、御悦喜浅からず。扨こそ、いしくもしたり。汝が練摩の早業(はやわざ)をもって立ち向かわば、その九郎兵衛とやらん、縦令(たとへ)神人鬼没の働きありとも、よも仕損じる事はあるまじきなり。片時も早く、かの地に立ち越し、本懐を達し、亡霊の積欝をはらすべし。
※ 具(つぶさ)に ➜ 細かで詳しいさま。詳細に。
※ 言上(ごんじょう) ➜ 目上の人に申し上げること。
※ いしくも ➜ 見事に。殊勝にも。
※ 神人鬼没 ➜(正しくは、神出鬼没)自由に現れたり隠れたりすること。 または、何の兆しもなく、突然現れたり隠れたりすること。
※ 片時(かたとき)も ➜ 一瞬たりともゆるがせにしないさま。ほんの短い間も。
※ 本懐(ほんかい) ➜ もとから抱いている願い。本来の希望。
※ 積欝(せきうつ) ➜ 心につもる心配や憂鬱のこと。


餞別(はなむけ)せんとて波平行安の刀、御手づから賜りければ、臺右衛門頂戴して、誠に若の高情、何時(いつ)かは報じ奉らん。この上は直ぐさま御暇(いとま)を戴き、罷り出で、やがて本意(ほんい)を遂げ、目出たく再勤仕るべしと、低頭拝謝し、退くやいな、時刻をうつさず、用意あらましにして、元伊勢の城下へこそは、赴きける。
※ 餞別(はなむけ) ➜「餞」一字でも「はなむけ」と読む。旅立ちや門出に際して、激励や祝いの気持ちを込めて、金品・詩歌・挨拶の言葉などを贈ること。ここでは、刀を贈った。
※ 波平行安(なみのひらゆきやす) ➜ 平安時代から近世まで続いた、薩摩の世襲の刀工名。
※ 手づから ➜ 直接自分の手で。自分で手を下して。
※ 高情(こうじょう) ➜ 他人を敬って、その心づくしや親切をいう語。芳情。
※ 本意(ほんい) ➜ もとからの考え。本来の意志。本懐。
※ 再勤(さいきん) ➜ 再び職務に就くこと。二度の勤め。
※ あらましに ➜ だいたい。おおよそ。また、いい加減。

(第二回 おわり)
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