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「天明年中叓」を読む 1

(庭のサルスベリ(白))

「古文書に親しむ」講座が終ると、しばらく受講の講座もなく、一休みできる。名古屋のかなくん親子は、息子と女房が粟ヶ岳から掛川城へ連れて行ったので、一日、家でごろごろしていた。たまには良い。

「復讐 天橋立」の1冊目を、昨日読み終えた。まだ、4冊ほど続くようだが、こちらは一休みして、最近手に入った「天明年中叓」という和本のコピー、何が書かれているのか、内容がよく分らないのだが、少し読み進めて見ようと思う。

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「天明年中叓」の解読を始める。細かい点は後回しにして、少し読み進んでみよう。

一 今度伺い奉り候儀は、宝暦八寅年(1758)、松平能登守濃州郡山の城、請け取り在番、仰せ付けられ候節の先例を以って、伺い奉り候儀に御座候。
一 相良へ召し連れ候騎馬並び武器などの儀、弐万五千石の先格、相知り難く候に付、弐万石と五千石に騎馬差積書、出し申す儀に御座候。
一 相良へ召し連れ候惣人数の儀、なおまた、相伺い候上、追って申し上げ候様、致すべく候。以上
    十月五日               岡部美濃守
※ 在番(ざいばん)➜ 江戸時代、大名の改易の際、他の大名が幕府の命令で無主となった城地を守ったこと。
※ 先格(せんかく)➜ 前からのしきたり。以前からのきまり。先例。


一 弐万石役馬向け
    騎馬弐拾五騎 鉄炮六拾挺 籏七本 弓弐拾張 長柄六拾本
右の通りに御座候、この積りにて用意仕るべくと、存じ奉り候。先格相知り難く候に付、この段窺い奉り候。以上
    十月五日   伺わさせべくの通りに候。     岡部美濃守
※ 長柄(ながえ)➜ 戦国時代に足軽が用いた柄の長い槍。

    例書
享保八年卯年(1723)十二月、松平紀伊守様、和州郡山御城、御請け取り御在番、仰せ付けられ候節、翌年正月御当地御発足、同二月、郡山御城御請け取り、相済み申し候。
宝暦八寅年十二月、松平能登守様、濃州郡山御城、御請け取り御在番、仰せ付けられ候節、翌年二月御当地御発足、同四月、郡山御城御受け取り、相済み申し候。
   右の通りに御座候。この段、各(おのおの)様まで申し上げ候。以上
    十月五日               岡部美濃守家来
                          府川仁助
※ 発足(ほっそく)➜ 出発すること。

(同文書つづく「召し連れ人名など」)

読書:「匂い袋の宵 口入屋用心棒2」 鈴木英治 著
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