平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
再びの巨木巡礼 82 郷島浅間神社の大クス
静岡市葵区郷島の浅間神社
クスは右奥に小山の斜面に根を下ろす。
11月27日、四ヶ所目の巨木は、「郷島浅間神社の大クス」である。俵峰から安倍街道に出て南下し、郷島で街道から左へ分れ旧道に入る。「工事中全面通行止」の標識を気にしながら進むと、郷島浅間神社は工事個所のすぐ手前で、細い道を入り、何とか鳥居をくぐった。
静岡から安部川の左岸を遡り、牛妻を通過し郷島に至る。旧道を少し入ると、郷島の浅間神社がある。
根元近くで2つの分かれた幹それぞれが、巨木の要件を十二分に満たしている、存在感たっぷりのクスであった。通路側に伸びた直径1mほどの枝が最近切られたようで、腐食止めの塗料がまだ新しかった。また前面で勇姿のじゃまになっていた、太い針葉樹が根元から切られて、見学者には有り難いような、残念なような気分であった。
再びの巨木巡礼 81 俵峰白髭神社のスギ
沢を渡った茶畑の向うに俵峰白髭神社の鳥居が見える
写真左側、背の高い樹木が俵峰白髭神社のスギ
11月27日、三ヶ所目の巨木は、「俵峰白髭神社のスギ」である。平野から安倍川の左岸をさらに下って、俵沢から左に入り、賤機北小学校を左へ見て山へ登って行く。俵峰の集落に入ると、左の沢の向う茶畑の先に鳥居が見える。神社の周りの道を廻って見たが、車で行く道は見つからなかった。鳥居が見えた所まで戻って、沢に橋があったので、山道(あぜ道)をたどって鳥居のそばまで行った。
俵峰白髭神社
社殿の背後を守るように四本のスギが見えた
「静岡県の巨木」では、俵峰白髭神社に、
① 幹周囲 4.9メートル 樹高 30メートル
② 幹周囲 3.9メートル 樹高 25メートル
③ 幹周囲 3.7メートル 樹高 20メートル
④ 幹周囲 3.7メートル 樹高 20メートル
⑤ 幹周囲 3.5メートル 樹高 20メートル
と、五本のスギの巨木が記されているが、四本しか見つからなかった。
再びの巨木巡礼 80 平野白髭神社のスギ
平野白髭神社のスギ
11月27日、有東木から安倍川沿いに下って来て、平野橋に差し掛かると、橋を渡ってすぐ左に、小山の上にスギの巨木らしきものが何本か見えた。立ち寄る予定は無かったが、寄ってみることにした。橋を渡って200mほど行くと、左へ戻るように、人家の間を登る道があって、まっすぐに、平野白髭神社に向い登って行く。
平野白髭神社の鳥居の正面に、右に一本、左に二本、杉の巨木があった。帰宅後、「静岡県の巨木」を確認した所、平野白髭神社には杉の巨木が3本記録されていた。
① 幹周囲 3.87メートル 樹高 30メートル
② 幹周囲 3.78メートル 樹高 30メートル
③ 幹周囲 3.18メートル 樹高 30メートル
こちらが幹回り4.2メートル
読書:「花始末 秋山久蔵御用控 8」 藤井邦夫 著
再びの巨木巡礼 79 有東木白髭神社のスギ群
有東木白髭神社のスギの内、最大木と思われる
右手の山に有東木白髭神社があるが、参道と境内に巨大な杉が林立していて、圧倒される。
「静岡県の巨木」によれば、有東木白髭神社には幹周囲4メートルを越す杉の巨木が10本記録されている。
① 幹周囲 6.7メートル 樹高 35メートル
② 幹周囲 6.6メートル 樹高 35メートル
③ 幹周囲 6.0メートル 樹高 35メートル
④ 幹周囲 5.7メートル 樹高 35メートル
⑤ 幹周囲 5.6メートル 樹高 35メートル
⑥ 幹周囲 5.2メートル 樹高 35メートル
⑦ 幹周囲 5.2メートル 樹高 32メートル
⑧ 幹周囲 5.0メートル 樹高 35メートル
⑨ 幹周囲 4.3メートル 樹高 30メートル
⑩ 幹周囲 4.2メートル 樹高 30メートル
の10本である。
本殿左側に3本
真中の一本だけ幹周囲を測ってみたら、6.1メートルあった。①~⑩のどのスギに当るのだろう。
本殿右側に2本
本殿から下、参道の右側に4本。内一本は鳥居より下、神社入口にある
境内左下隅に1本、これだけは日光を燦々と受けている
案内板によると、
白髭神社の大スギ群は、白髭神社の境内地に生える生育良好な十本のスギから成り立っている。大スギ群の中の最も太いものは、静岡市内で知られているスギの中でも最大級の大きさであり、静岡市を代表する樹木といえる。さらに、同規模のスギが十本生えている神社の社も大変珍しい。
大正時代の地誌によると、有東木の歴史は500年と記されており、大スギ群の推定樹齢は同地区の歴史に匹敵すると考えられる。白髭神社からは集落を一望でき、大スギ群は有東木の歴史を見守ってきたといえよう。
「有東木白髭神社の大スギ群」として、R2年9月1日、静岡市天然記念物にしてされた。推定樹齢は約500年、幹周は4.3m~6.6m、樹高は48mと記されていた。指定時の大きさだと思うが、どれが最大木なのか、標示が欲しいところである。
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読書:「詫び状 知らぬが半兵衛手控帖 14」 藤井邦夫 著
「雲渓庵日記」の解読 64
今年最後の干柿
今年は渋柿が手に入らなくて、これが最後の干柿になる。小振りでよい干柿にはなりそうにない。
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御藩債高、凡そ弐拾万千弐百五十両余の内、一ヶ年御下ヶ金
一 金壱万四千九拾六両余
御藩高弐拾壱万七拾六石弐斗五合六勺七才
内
高弐万千七石六斗弐升五勺七才 後 士族・卒、世扶持の分
この藩債割合、金千四百九両弐分永百文
高拾万四千弐百九拾九石弐斗 前 御家禄の分
同断、六千九百九拾八両壱分永百七拾文
高八万四千七百六拾九石三斗八升五合壱勺 公庁御入用の分
同断、五千三百八拾七両三分永弐百三拾文
扶持割合
一 拾人扶持取 壱ヶ年 金壱両壱分
一 八人扶持取 〃 〃三分三朱
一 七人扶持取 〃 〃三分壱朱
一 六人扶持取 〃 〃弐分三朱
一 五人扶持取 〃 〃弐分壱朱
一 四人扶持取 〃 〃壱分三朱
一 三人扶持取 〃 〃壱分壱朱
六月廿五日
免本官 参議 大久保利通
〃 木戸孝允
〃 大隈重信
〃 佐々木高行
〃 斎藤利行
免本官并兼官 神祇伯兼宣教長官 中山忠能
免本官 神祇大副 近藤忠房
免本官并兼官 神祇少副兼宣教判官 福羽美静
免本官 民部大輔 大木喬任
免本官并兼官 大蔵大輔兼送策頭 井上馨
免本官 兵部卿 熾仁親王
同少輔 山縣有朋★ (★は誤記に付、正しく直す)
刑部少輔 宍戸璣★
宮内卿 万里小路博房
同大輔 烏丸光徳
弾正尹 九条道孝★
任参議 従三位木戸孝允
任参議正三位 鹿児島藩大参事 西郷隆盛
六月廿九日
着神祇伯宣教長官 右大臣三條実美
麝香間祗候、仰せ付けられ候事 従一位中山忠能
任民部少輔 従五位井上馨
(「雲渓庵日記」の解読つづく)
読書:「平蔵の母」 逢坂剛 著
再びの巨木巡礼 78 横内白髭神社のクス
藤枝市横内 白髭神社/鳥居と本殿の間、奥に御神木の楠が見える
再びの巨木巡礼 77 小坂熊野神社のイチョウ
かたわらに祠があり、『鴨脚天神社』と木柱に表示され、『鴨脚』に『いちょう』と振り仮名があった。『銀杏』や『公孫樹』はよく見るが、『鴨脚』ははじめてであった。広辞苑によると『鴨脚樹』で『いちょう』と読む。葉の形は確かに鴨の足に似ていないこともない。
再びの巨木巡礼 76 草薙神社の大クス
静岡市清水区草薙 草薙神社正面
草薙神社の大クス
11月21日、車で小鹿神明社に向かっている途中、草薙神社の標識を目にして、草薙神社に大クスのあることを思い出した。見に行った記憶があった。小鹿神明社の巡礼の後、草薙神社に引き返した。
再びの巨木巡礼 75 小鹿神明社のカゴノキと「たそがれの楠兵衛」
小鹿神明社右手裏の社叢(最も右に、白い幹が見えているのがカゴノキ)
小鹿神明社にまだいる。11月21日、二本目の巨木は、「小鹿神明社のカゴノキ」である。神明社の右裏手に廻ると、白っぽい幹のカゴノキがある。「静岡県の巨木」によれば、幹回り3.1メートル、樹高20メートルとある。30年前の記録だから、現在どうなのか、巻き尺で測ってみた所、3.4メートルであった。
カゴノキ(鹿子の木)は、ネットで調べると、高さ10~15メートル、直径30~40センチほどのクスノキ科の常緑中高木で、大きいものは高さ20メートル、直径1メートル以上になることがある。樹皮が円い薄片状にはげ落ち、古い黒褐色の部分と新しい淡黄白色の部分が、鹿の子まだらをなすので鹿子の木の和名がある、という。
「たそがれ楠兵衛」
「静岡県の巨木」によると、小鹿神明社の巨木として、もう一本記録されている。神社正面の右、道路脇にあるクスノキである。30年前、幹回り4.3メートル、樹高20メートルあったクスノキである。ところが、今では8メートルほどの所で主幹が失われて、枝一本で生きているという姿で、幹も心なしかやせ細っているように見えた。大クスがあまりにも立派に見えたので、それと比較して、このクスに「たそがれ楠兵衛」とニックネームを付けた。
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午前中、女房とS医院へ行く。2ヶ月に一回の定期受診である。今日は珍しく混んでいた。その事に触れると、インフルエンザの流行も無く、この所、ゆったりと診察できていたが、何か、急に混み合ってきたという。インフルエンザの予防注射も始まったことにもよるが、このところ普通の風邪の患者が増えた。これまで医者を敬遠していた人たちが、コロナが治まって、来るようになったのだろうと。夫婦して血を取られて帰った。
読書:「おしどり夫婦 研ぎ師人情始末7」 稲葉稔 著
再びの巨木巡礼 74 小鹿神明社の大クス
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