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「雲渓庵日記」の解読 29


(夕方、スコールのような夕立、縦に白く雨粒が写っている)


(たちまち、庭に水たまりが出来た)

毎日続いていた金メダルが、今日ついに途絶えた。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

正月廿三日
御家来の内、家族引き纏めなどにて、東京へ罷り越し候者、同所着、相役ども、詰め合いの中老へ相届くるべし。もっとも、頭支配これ無き分、当人より直に、御目付へ申し立つるべく候様、致すべく候。

二月朔日
金札の儀は、租税その外、上納正金百両に付、百弐拾両の定め相場を以って、上納仰せ付けられ、下方(しもかた)においては、その日々の定め相場を以って、取引致すべき処、間々(まま)は諸買物払い代など、受け取らざる者も有るやに相聞き、もっての外の事に候。右様心得違いの者は咤(しか)り取り、沙汰たるべく候条、兼ねてその旨、府藩縣において、遍(あまね)く触れ達っすべきものなり。
   正月               行政官
右の通り、仰せ出られ候間、支配中、洩らさぬ様、相触れらるべし。
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「流転の峠 問答無用 8」 稲葉稔 著

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「雲渓庵日記」の解読 28


(散歩道のルリヤナギ)

今日は、金メダル二つ、柔道女子とフェンシング男子団体である。フェンシングはルールもよく知らないのに応援し、ランプが付くと大喜びしていた。競技が始まってから、毎日金メダルが途絶えた日がない。これで累計17個になる。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

以来、御家来中、並び又者(またもの)ども旅行の節、人馬継立帳へ御国章押し候筈に付、出立前、御目付へ継立帳、差し出すべく候。もっとも、各所奉行、同支配向、沼津、田中陸軍方の者、御領内旅行の節は、その所奉行所より、継立帳へ印章相押し申すべし。就いては、兼ねて印鑑(いんかがみ)、御領内宿駅問屋場へ相渡し置き候様、致さるべく候。
 但し、各所奉行、同支配向き、並び陸軍方、その他領へ相越候節は、人馬
継立帳、出立前、御目付へ差し越し候様、致さるべく候。
    三月
※ 又者(またもの)➜ 臣下の臣。将軍などに直属していない臣。大名、旗本などの家来。
※ 印鑑(いんかがみ)➜ 江戸時代、照合のために関所や番所に届け出ておく捺印手形。

御家来の向き、東京、西京(京都)へ罷り越し候節、勝手に先触れ差し出し、人馬遣い払い、並び旅籠代の儀、一昼、五百文、一泊、壱〆三百文ずつ相払い、通行致し候様に相聞く。右旅籠の儀は、先般東京より当地へ家族引っ越しの節に限り候儀の処、中には御家御定めの旅籠代と相心得、今以って右の払い方に致し候者これ有るやに相聞き、心得違いの事に候。以後は、相当の相対旅籠(代)、きっと相払い、通行致し候様、致さるべし。人馬の儀も御家来中、一日の遣い高、御定めもこれ有り候処、勝手に先触れ差し出し、遣い払い候ては、御定めの高より相増し候儀、これ有るまじくも計り難く候間、たとえ少い人馬遣い候ても、以来は、その都度、前以って宿駅掛り、沼田貫之助、松平甚兵衛、小栗尚助へ、遣い高問い合わせ候様、致さるべく候。
    三月
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「幼なじみ はぐれ長屋の用心棒 46」 鳥羽亮 著
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「雲渓庵日記」の解読 27


(散歩道のショウジョウソウ)

本日の金メダル、男女柔道で2個、合計15個。

昨日の火事は木工所で、昔の職場で付き合いのあった木工所という。もっとも、お付き合いのあった方は、もう随分と高齢だったから、もう鬼籍に入られているのだろうと思う。

今日は、近所の茶再製工場でボヤ騒ぎがあったらしいと聞いた。この暑い夏に火事騒ぎとは、暑く苦しい話である。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

 御東幸 御発輦(はつれん)、来月七日、御治定(じじょう)仰せ出され候事。
     二月               行政官
右の通り、仰せ出され候間、その意を得らるべく候。
     二月廿五日
      各所奉行・同添え奉行へ
※ 東幸(とうこう)➜ 「東幸」は東京行幸のこと。明治2年、2回目の東京行幸を指す。
※ 発輦(はつれん)➜ 天皇の車が出発すること。
 治定(じじょう)➜ 決定すること。 

市在に旅宿致し居り候御家来の内には、宿主へ猥りに用向き申し付け、または、私に問屋場へ申し達し、人足差し出させ候者もこれ有るやに相聞こえ、もっての外、心得違いの事に候。右は畢竟(ひっきょう)、心得方等閑(なおざり)にて、前々触れ達し致し候、御趣意にも相悖(もと)り候儀に付、夫々取調べの上、急度も、相達すべく候処、中には、相対旅宿の趣意柄、心得違い致し居り候向きも可これ有るべきやに付、この度の儀は、別段、巨細取り調べに及ばず候えども、以後、右様の儀、これ有るにおいては、急度、命じらるべき品もこれ有るべく候間、心得違いこれ無き様、致すべく候。
右の通り、相達し置き候間、問屋場にても、この旨相心得居り、若し不案内の
談し、強いて申し聞き候者これ有り候節は、奉行所、道中掛りの内へ可申し出るべき段、申し渡し置かるべく候事。
    二月
(「雲渓庵日記」の解読つづく) 

読書:「柳生一刀石 無言殺剣 10」 鈴木英治 著
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「雲渓庵日記」の解読 26


(植木鉢のミニトマトが色付いた)

どこで貰って来たか、女房がミニトマトの種を植木鉢に蒔いた。小さな株ながら、幾つも実を付け色付いた。

メダルラッシュはさらに続く。今日の金メダルは、柔道女子と水泳女子、さらに男子体操個人総合の二つ。累計で13個。

午後、金谷の街の方で火事があったようだ。夜は区の打合せ。夜中、雷が鳴り、大粒の雷雨。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

    巳二月廿九日、また到る、拙ばかりへ
      口達覚
一 御東幸に付、島田以東、奥津(興津)宿まで、七ヶ宿の間、勤番組にて、御道固め、命じられ候事。
一 前夕七つ時までに、屯所へ罷り出候事。
一 御固め罷り出候者、その節に限り、他支配向きの差図をも、受け申すべき事。
一 服紗小袖、麻上下、着用の事。
 但し、三等勤番の向きにて、麻上下、差し支えの向きは、平服にて苦しからず候事。
一 御手当として、一日に付、永弐百文ずつ下され候事。
一 屯所において、御賦(おわけ)下され候事。
右の趣、最寄り支配向き、役々より相達候間、その意を得らるべく候事。
    二月                各所奉行

      全條写し
一 朝廷より仰せ出され候御規則、堅く遵奉(じゅんぽう)し、一己(いっこ)の私見を去り、勤王の道、厚く体認致すべく候事。
一 文武の学業、相励み申すべき事。
一 人撰の儀、公道を旨とし、家筋の差別なく、人材に応じ撰挙致すべき事。
一 藩事に付、見込これ有り候わば、憚(はばか)りなく、忌嫌(きけん)その筋へ申し立つべき事。
一 党与を立て、私論を主張致し候儀、厳禁たるべき事。
右の條々、堅く相守り、向後、触れ達しの趣、すべて違背すべからざるものなり。
    明治二巳年二月
※ 遵奉(じゅんぽう)➜ 法律・命令・教えなどを尊重して、これに従うこと。 
※ 一己(いっこ)➜ 自分一人。自分だけ。 
※ 体認(たいにん)➜ 自分のものとして体験的に会得すること。
※ 忌嫌(きけん)➜ 酷く嫌って避けること。忌み嫌うこと。
※ 党与(とうよ)➜ 一緒に何かをする仲間。徒党。
(「雲渓庵日記」の解読つづく)
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「雲渓庵日記」の解読 25


(裏の畑のハグロトンボ)

今日の金メダルは、柔道男子と女子ソフトボールの二つ。累計で10個。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。 

    二月十三日夜六つ時頃、拙(せつ)計りへ御達し
急廻状を以って申し達し候。然れば、各(おのおの)方、御扶持方御渡しに相成り、受取手形、藤枝宿調所へ、廻状到来次第、印形持参、為受取のため、相越さるべく候。その節、受取場所、日限などの儀は申し談ずべく、この段申し達し候。廻章(廻状)刻限附を以って、早々順達、留りより返却これ有るべく候、以上。
                  藤枝宿 勤番役
                       仮調所

    二月十九日出、廿日到来
急廻状を以って御意を得候。然れば、各方儀、府中奉行支配、御割付相成り候に付、急速御談(だん)じ事、申したき儀これ有り候間、廻状到来次第、印形御持参、藤枝宿仮調所へ御越成らるべく候。

    二月廿八日
今般 御再幸(再度の行幸)に付、御道固めの儀、各方へ命じられ候趣き、命じられ候旨、各所奉行衆、達しさせられ候間、御手当その外の儀、なお巨(こさい)御達申し候間、廻状到来次第、藤枝宿木町仮調所へ御出張成らるべく候。この段、御達し申し候、以上。
                  各所奉行支配
                      仮調所
(「雲渓庵日記」の解読つづく)
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「雲渓庵日記」の解読 24


(散歩道のサルビア・ガラニティカ)

午前中、二ヶ月に一度の掛り付け医へ検診に、夫婦して行く。ワクチンは若い人に副反応が多く、一日休む人も多いと聞く。医療関係者の接種状況として聞いた。その医院では休みの前日に接種したから、休む人もいなかったらしい。これから若い人への接種となると、嫌がる人も多いかもしれない。

オリンピックはゴールドラッシュで、今日もスケボウの女子、柔道の男子、卓球の混合ダブルスが金を取り、三日間で八つの金とはすごい。日本の若者たちも捨てたものではない。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。この欄は、オリンピック観戦で、一日の量を減らしている。

御領外、旅行致し候者、御家来の証、これ無く候ては、万一不都合の儀もこれ有るべく候に付、以来、御国章御渡し相成るべく候間、その時々御目付へ申し出、請け取る様、致さるべく候。
この度、御家来一行へ、御領内にて、居住所御割り渡し相成り候に付ては、鬮(くじ)取りを以って、御定め相成るべく候えども、祖先墳墓これ有り、又は旧米地の廉(かど)にて、願い出たき向きは、申し立て次第、その地御割り渡し成らるべく候間、右の次第、相認め、早々支配へ願い出るべく候。
今度、勤番の向き、各所奉行支配、命じられ候間、別紙小札の之通り、当分、分割支配候間、その意を得、諸願届などの儀は、横内御門内、元学問所にて、調役の者など取り扱い候間、同前へ相届き候様、致さるべく候事。
 但し、府中、又は、その支配の奉行役所へ、道路程、遠きの向きは、最寄々々の奉行役所へ願い、届けをも差し出さるべく候。
   巳二月
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「検断 聡四郎巡検譚 2」 上田秀人 著
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「雲渓庵日記」の解読 23


(散歩道のセイヨウノコギリソウ )

夜、区の班長会に出席する。

オリンピックは日本の選手の活躍が目立つ。今日は金が四つ。種目や個人名は詳しくないが、スケボウで一つ、水泳で一つ、柔道で二つ。これで昨日の柔道の一つと合わせて、金が五つになった。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

正月廿三日、和泉殿
海軍局の儀、以来廃止され候に付、行速丸は御勘定所にて進退致し、同艦乗組の者は、御勘定所附属運送方と命じられ候間、その意を得、委細の儀は、御勘定頭、談(はな)さるべく候。

正月廿八日、和泉殿
  大目付、御目付へ
御家来の内、墓参のため、東京へ罷り越し候向き、追々これ有り候処、当春は別して道中筋、混雑も致すべく候間、墓参などの類(たぐ)いにて、差し向き候要用にこれ無き分は、先ず当分見合わせ候様致すべく候。

  大目付、御目付へ
陣笠の儀、以来、裡(うら)金御廃止、左の通、御改正相成候間、来たる五月朔日まで、相改め候様、致さるべく候。
一 上士 御目見以上、以下共、差別なく、すべて黒塗り、もっとも形は銘々
勝手次第たるべき事。
 但し、上士は、御印、輪貫(わぬき)、朱。御目見以上は同断、白。同以下は同断、黄。
一 輪貫大きさ、差し渡し三寸。
 但、輪の太さ五分、明き弐寸、もっとも笠の形により、輪貫太さ、差し渡し四寸までは苦しからず候。


正月廿八日、和泉殿
  大目付、御目付へ
医業の儀に付、この程、仰せ出され候御趣意もこれ有り候間、向後、術業、格別御撰(えら)びの上、家筋に拘わらず、御医師、命じらる。依って、勤番組御医師の向き、以来、御医師の唱(とな)え、差し止められ候。就いては、人物による外、御場所へ召し出し候儀もこれ有るべく候間、その旨、心得らるべく候。
   正月

急廻状を以って、その意を得候。然れば、別紙御書付、御達し書写しとも、三通相達し候間、小札名前書へ承知附け致し、昼夜限らず刻附を以って、早々順達、留りより、駿府横内御門内、元学問所跡、府中方調所へ相返さるべく候、以上。
  二月十一日      府中方 調所
               府中奉行   中臺信太郎
               同添奉行   渕邊徳蔵
                      山口虎次郎
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「わるじい慈剣帖 6 おっとっと」 風野真知雄 著
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「雲渓庵日記」の解読 22


(散歩道のタチアオイ)

昨日は、オリンピックの開会式の放映を見ていて、翌日になってしまったため、当ブログは休みとした。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

    正月十六日出、十八日到来
正月十三日
  府中奉行   町奉行       中臺信太郎
  同 添奉行  大目付附属     渕邊徳蔵
  浜松奉行   勤番組頭      井上八郎
  中泉奉行兼
  同 添奉行  公用人       前島来輔(前島密)
  沼津奉行   陸軍御用重立取扱  阿部邦之助
    陸軍重立取扱、これまでに通り。
  同 添奉行  二等勤番組頭取   小川達太郎
  掛川奉行             岩田緑堂
  同 添奉行  御使番       内藤七太郎
 遠州
  横須賀奉行  御目付介      男谷勝三郎
  同 添奉行  一等勤番組     石川周三
  赤坂奉行             大久保樫軒
  同 添奉行  勤番組頭並     平岩金左衛門
  田中奉行   勤番組頭      高橋伊勢
  同 添奉行  一等勤番組     高力主計
  相良奉行   大目付       山高八郎
  同 添奉行  一等勤番組     依田伊勢
 三州
  横須賀奉行  御目付       櫻井庄兵衛
  同 添奉行  一等勤番組     新見史雄
  中泉添奉行  二等勤番組之頭取  田村弘蔵
  小島奉行   勤番組之頭     林又三郎
  同 添奉行  幹事役附属     水澤主水
    和泉殿御渡し。
                   是野民七郎
  当分の内、田中へ取締として差し遣わし候間、早々出立致さるべく候。
  御用人並   御勘定頭      加藤餘士郎
    奥掛り席御役金、これまでの通り。
  応対役    勤番組頭      土屋冨三郎
  御目付    〃         牧野向三
  応対役    〃         宮重丹下
  公用人    御勘定頭並     山田虎次郎
  御使番肝煎  応対役並      松平権之助
    別段御手当、百両下され候事。
  同断     一等勤番組頭取   井上源三郎
  御使番    〃         服部藤左衛門
  同断     〃         本多弥五郎
  同断     〃         葉山六三郎
  同断     〃         小堀大學
  同断     〃         小笠原六五郎
  御使番肝煎  二等勤番組頭並   田付駒次郎
    御手当、別段、百両下され候事。
  御使番    〃         福田作太郎
  同断     〃         伊佐新次郎
    各所奉行、御役金六百両、席御側御用人次ぐ。
    同 添奉行、御役金四百五十両、席御目付上。
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「通い妻 知らぬが半兵衛手控帖 6」 藤井邦夫 著
 
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「雲渓庵日記」の解読 21


(散歩道のノリウツギ)

ノリウツギはアジサイの仲間で、花期が7月から9月と、他のアジサイより遅い。

オリンピック、女子ソフト、メキシコにサヨナラ勝ち。男子サッカーは南アフリカに1:0で勝った。いよいよ明日が開会式である。賛否両論あったが、始まったら、みんなで応援して、コロナ禍中ながら、よいオリンピックだったと言わせたい。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。

平右衛門殿御渡し
御家来中、御宛行(あてがい)筋の儀に付いては、先達ってより度々御達し候次第もこれ有り候処、この度、改めて、在職、不勤の差別なく、旧禄に応じ、基の通り御扶持方下され候。
     元高三千石以上  五人扶持
     同 千石以上   四人扶持
     同 五百石以上  三人扶持
     同 百石以上   弐人扶持
     同 弐拾俵以上  弐人扶持
     同 弐拾俵以下  壱人扶持
右の通り、持高に成し下され候事。
一 在職中は、先達って命じられ候、俸金割合の御扶持、下され候事。
 但し、俸金割合の御扶持、多きの者は、在職中も持ち扶持の通り、下され候事。
一 御役御免、または病死の者へ御扶助金下さるべき旨、先達って相達し候得共、持ち扶持御定めの上は、右御扶助金は下されず候。就いては、俸金の内、五分通り御預りの儀は、御差し止めの事。
一 御家臣の子弟、厄介、並び農商より御役命じられ候者、御役御免相成り候得ば、元身分に帰り候事と相心得べく候事。
一 その身、召し出され、未だ御譜代相成らざる候者は、一生の内、割合の通り、御扶持下され候事。
 但し、その身、召し出され候者にても、格別功労これ有り候わば、思し召しを以って、御譜代に成し下され候儀も、これ有るべく候事。
一 御地場(じば)にても、前々より番代にて、勤続候者、並び同用の向きにて、既に小普請入り命じられ候者は、以来、御譜代成し下され候事。
右の通り、命じられ候間、御家来中へ洩れなき様、相触れらるべく候事。

十二月廿八日御達し
急廻状を以って申し達し候。然れば、荷物下され、城の越廻船問屋、武右衛門方へ着致し候に付、来る十九日、引き取りのため、印形用意、朝五半時、右同所へ罷り出らるべく候。もっとも当日雨天、日送りと相心得、廻状刻附けを以って、早々順達致さるべく候。
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「ふたたびの光 南蛮おたね夢料理6」 倉阪鬼一郎 著
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「雲渓庵日記」の解読 20




(大代川のダイサギ)

大代川の流れが枯れて、残った溜まりで、ダイサギが魚を捕らえて食べた。その様子をカメラに収めようと次のチャンスを待つうち、カルガモが通り、カラスがおこぼれを狙うのか、降り立った。わずかな水辺は賑やかである。

暑い夏、オリンピックがすでに始まった。女子ソフトはオーストラリアにコールド勝ち、なでしこはカナダと引き分けた。こちらも目が離せない。

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「雲渓庵日記」の解読を続ける。 

平右衛門殿御渡し
  寄合頭・小普請掛御用人・同並み・寄合頭取へ
    寄合頭・小普請掛御用人、改め、勤番組の頭
      〃     御用人並、勤番組の頭並み
    寄合頭取、改め、一等勤番組頭取
右の通り、唱え替え命じられ候間、その意を得らるべく候。もっとも、席御役金の儀は、これまでの通り、心得らるべく候。

小普請掛御用人へ
その方ども御役名、唱え替え命じられ候に付いては、支配組頭の儀は、勤番組頭取と唱え替え、その余、右に順じ唱え替え候上、可被申し聞けらるべし。もっとも、席御役金の儀は、いずれも、これまでの通り、心得らるべく候。

寄合頭・小普請掛御用人へ
寄合並び御用人支配組の者、府中、その外 御城勤番命じられ、これにより、以来一同、勤番組と相唱う。もっとも、寄合の分は一等勤番、御目見以上の分は二等勤番、御目見以下の分は三等勤番と、相唱うべく候。
 但し、右勤番組の面々より、その場所々々において、拝借地命じられ、或いは、御長屋御貸し渡し成らるべく候。
右の通り、命じられ候間、その段、申し渡さるべく候。

勤番組の頭、同並みへ
在職、不勤の差別なく、旧禄に応じ、御扶持方下され候旨、この程、命じられ候に付ては、不勤移住の者へ、兼ねて下され候御賦は、下されず候。もっとも、当年中は下され候間、その段、申し渡さるべく候。
  辰十二月廿七日御達し
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「南の風に誘われて」 椎名誠 著
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