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「慶應四年日録/徳元」を読む 23

裏の畑のボタンクサギ

今日で6月も終わり、明日からは梅雨らしい雨の日々がしばらく続くらしい。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  廿三日  曇り
過日、御支配にて御呼び出しこれ有り、罷り出で候処、追々、御勅使
御通行相成り候に付ては、江尻より蒲原までの処、諸賄(まかな)い、
柳原越中守、田上寛蔵両人に申し付けられ候間、差し支えなき様致すべし。
尤も入魂(じっこん)などの義、堅く致すまじき旨、村々小前まで、人足どもへも、厳
※ 入魂(じっこん)➜ 日光例幣使の公家が、その権威を利用して「入魂」と称して、先々で金銭を強要していたことを指す。
重申し渡し置き候様、仰せ渡さる。諸事差し支えこれ無き様、今般の
義は容易ならざる義の旨、仰せ渡さる。右に付、助郷出会(会合)、今日、川尻
小庵真如寺にこれ有り、右申し談じ候積りに付、一作、儀兵衛、
新兵衛罷り出で候。御先鋒御賄い向き、見届けのため、西宿へ
利助差し遣わし候。手前持ち馬買い入れ致す。
且つ、沢端川土橋の義、急々出来(しゅったい)候様、仰せ渡され候間、今日、手始め致し候。
尤も、目論見書差し上げ置く。

  廿四日  曇
今日は、去卯、籾米(もみごめ)残金納むるべき旨、御廻状に付、出府。三拾五両相納められ、宿賄(まかな)い金
※ 籾米(もみごめ)➜ 籾殻を取り去ってない米。
借用、奥書致す。
(つづく)

読書:「新・地図のない旅 1」 五木寛之 著
読書:「八卦良い ご隠居は福の神 11」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 22

散歩道のハンゲショウ

「慶應四年日録/徳元」、21回まで、解読文の修正を終えた。その癖字にようやく慣れてきた。これで解読も順調に進むと思う。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  十九日  曇り、晴れ
出勤。

  廿日  晴れ
出勤。
この間、御勅使様、遠からず府中御着に相成り候の風聞、
浮説
(ふせつ)区々(まちまち)にて、実に恐悦(きょうえつ)の至りに候。
※ 浮説(ふせつ)➜ 根拠のないうわさ。風説。
  
  廿一日  雨
出勤。当番。今日、紺屋町御役所より御廻状にて、助郷惣代とも、
十右衛門殿罷り出で候。
 
  廿二日  曇雨
官軍御先鋒、御先触れ、府中まで参り候由、写し、内々相廻り候。
昨晩、御支配元締、宮部孫八郎様、針谷彦三郎様の御触れ
にて参り、川支
(かわつか)えに付、止宿致し候。
小銭元通り、四文、壱文に相成り候趣の処、御触れの義はこれ無く
候間、この間、通用の通り、拾弐文、八文、四文とも差し支えなく、通
用致すべく様、小前へ申し渡す。

(つづく)

読書:「命懸け 素浪人稼業 5」 藤井邦夫 著
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ヤブカンゾウのツボミを食べる

散歩道のヤブカンゾウ
大代川の土手道に、チラホラとヤブカンゾウの花が目立つ
咲いた時からすでに花びらの形は崩れていて
知る限り、もっとも可哀そうな花である
花は一日で終り、控えたツボミが次々と咲く
そのツボミが食べられると、かつて「やまと尼寺精進日記」で知った

思いついて、ツボミを少し頂いて、今夜、ゆでて
マヨネーズを付けて食べてみた
筋っぽくなく、柔らかくて、クセがない
これは、アスパラガスのような、立派な野菜である

「慶應四年日録/徳元」の12回まで、解読文の修正を終えた。

読書:「縁切り橋 くらがり同心裁許帳 2」 井川香四郎 著
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ブログを一週間休んだら

散歩道の真っ赤なカンナ

今朝、S氏から電話があり、「どうかしましたか?」と聞かれた。この一週間ブログを休んでいて、初めての反応だった。

今、解読している「慶應四年日録/徳元」が、思った以上に難解で、解読が滞っている。実は、この文書は解読された方がいて、先週、その解読文を手に入れたので、今、既読部分を読み直している。解読文同士を突き合わせてみると、なるほどと思う所が多いが、所々、違うだろうと思う所もある。それらを合わせて、ブログに上げた過去の解読文を修正しつゝある。

解読を先へ進められないので、ブログを休んだ。今まで17年、ほとんど毎日、休みなしだったので、ブログを休むと如何に楽かと、味をしめてしまった。そんなわけで、ついつい一週間休んでしまった。

特に体調が悪いわけではないので、御心配をかけたとすれば、申しわけなかったと思う。これからは、ちょくちょく休むと思いますが、悪しからず。

このブログ、60歳で始めて、今年は喜寿を迎えた。だんだん無理が利かなくなっていることも確かである。

この一週間の自分の活動を以下へ書き留めておく。

23日、静岡へ、駿河古文書会に出席した。「慶應四年日録/徳元」の解読文を入手した。

読書:「断絶 交代寄合伊那衆異聞 16」 佐伯泰英 著
読書:「トランパー 横浜みなとみらい署暴対係」 今野敏 著
読書:「逃れ者 素浪人稼業 3」 藤井邦夫 著
読書:「蔵法師 素浪人稼業 4」 藤井邦夫 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 21

散歩道のユリ

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

(「十八日」の続き)
今朝出勤、右御廻状拝見仕り候処、昨夜直様(すぐさま)、一作、治三郎、右名落ち
に候は、如何
(いかが)の旨、御伺(うかが)いに罷り出で候由。宿方、難渋の廉々(かどかど)に、書付
※ 廉々(かどかど)➜ それぞれの箇所。部分部分。ふしぶし。
を以って、尾州様へ願い上ぐべきは、何(いず)れ手越宿との振合(ふりあい)もこれ有る趣に付、
※ 振合(ふりあい)➜ 他との照らしあい。他との比較。釣り合い。
突き
め候上と存じ、先ず下書き取り致し置く。八つ頃、一作殿、治三郎とも
帰宿の由にて、高札取り外しの次第、談示致したき処、
母義も横砂へ参り、妻も留守の義故、その段、断わり及び候処、
先ず高札は取り外し候由。妻、在所より帰り。

(つづく)

読書:「手練 鬼役 十五」 坂岡真 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 20


散歩道のノウゼンカズラ

昨日は、午前、午後と金谷宿大学「古文書に親しむ」の初心者と経験者の2講座を実施した。二番茶で4人ほど欠席だったのは、残念であった。経験者クラスでは、今日は急遽、見附宿の成瀬家の「御由緒」をテキストとして取り上げた。「どうする家康」の大河でタイムリーだと思ったからで、牧之原塾の講座でも同じものを読んだ。

初馬から、トウモロコシの御すそ分けを頂く。夜、三本、レンチンで頂いた。甘くて美味しい。子供の頃、食べたトウモロコシは、しっかり焼いて醤油の類いを塗ったり、塩を振ったりして食べたものだが、今時のトウモロコシはそんな必要はない。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  十八日  曇り、東北風
昨夜、紺屋町御役所よりも、御廻状にて、これまで掛け置き候公札の分、
※ 公札(こうさつ)➜ 高札。
宿村々とも、取り外し置き候様、尾州様御目付、都築九郎右衛門殿
より達しの趣、これは今般、朝命の趣を以って、御触れこれ有るに付、承知
の旨、請印も仕るべきの処、奥(興)津宿これ無く、中宿町はこれ有り候間、
直様(すぐさま)相談致したき旨の処、風邪に付、その段、相断り罷り出でず。
(「十八日」つづく)

読書:「そこにある幸せ ご隠居は福の神 10」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 19

庭のグラジオラス

夜、防災説明会出席した。ハザードマップの見方とスマホ防止情報の取得方法などを、自治会長が説明してくれた。さすが土木出身の人である。

午前中に、明日の2講座の準備を完了した。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十五日  曇り、晴れ
土蔵裏板に致し候。松木代り、桧植え付け見廻り。小銭
(しょうせん)、元通りの由、
※ 小銭(しょうせん)➜ 小額の金銭。こまかい金。
風説これ有り候間、実
(まこと)に直(ね)下げ相成り候ては、相違義これ有り、大騒ぎ致し候。
※ 風説(ふうせつ)➜ 世間にひろまっているうわさ。とりざた。風評。

  十六日  晴れ
出勤。宗門人別改め廻り。西筋
(にしすじ)風聞承り。

  十七日  曇り、雨
妻在所へ迎えに遣わす。昨日、洞村角左衛門殿より書き越しの処、
西筋風聞とも。一作、両人の名前にて、返書
遣わす。
(つづく)
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「慶應四年日録/徳元」を読む 18

裏の畑のムラサキカタバミ
雑草もしっかり見れば美しい

昨日午後、牧之原塾の「古文書解読を楽しむ」講座を行った。一人欠席の連絡を受け、残り10人の受講者が1時開始の10分前にはそろった。まことに気持ち良く、講座が始められた。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十一日  曇り、晴れ
前日申し談じ置き候一条、帳方へ談じ、納得(なっとく)承知致し候。馬指由、歩行
割りに申し付け候積り。馬指四人にて相勤め候筈。同人ども難渋の趣に付、
金壱両ずつ四人へ、拾弐文刎(は)ね見当(けんとう)に、貸し候積り。

  十二日  曇り、晴れ、曇り
今日、桧(ひのき)植付の人足、出入の者参り候。竪瓦付け見廻り。
※ 竪瓦(たてがわら)➜ 壁の腰などに張りつける平らなかわら。

  十三日  曇り
桧植付荒施の処、見廻り。

  十四日  雨
作人未進の分、催促(さいそく)に遣わす。
(つづく)

読書:「素浪人稼業」 藤井邦夫 著
読書:「にせ契り 素浪人稼業 2」 藤井邦夫 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 17

散歩道のガクアジサイ その1

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。この日録、中々難解で、少しづつしか解読できない。

  十日  曇り、雨
出勤、朔日
(ついたち)より五日迠、諸勘定割増取立済む、皆済。先役
(付け)より申し立て候義、今日相談致し候処、古役、忠二郎、利助、作助
文蔵四人、壱ヶ月廿日持ち、幸助、壱ヶ月三日見習い帳付け、順作、
義作、新兵衛三人にて、小の月六日、大の月七日、当番持ち候様、
申し聞かせ候積り。若し右にてこの役の者、勤まり兼ね候次第もこれ有り候わば、
余義なき次第に付、相断わり候積り、内談致し置き候。馬指難渋
※ 馬指(うまさし)➜ 江戸時代、宿駅および助郷人馬に対する荷物の差配をする役。
の趣、申し出で候。いずれ相談の上、申し置き候。夜に入り、
(ひつじさる)風、戌下刻川支え。
※ 坤(ひつじさる)➜ 南西の方角。
※ 戌下刻(いぬげこく)➜ 戌は午後七時から九時。その下刻は、午後八時二十分~九時頃。
(つづく)

読書:「どくろ夫婦 ご隠居は福の神 9」 井川香四郎 著
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簡単巻き寿司に挑戦

簡単巻き寿司

6月11日は自分の77回目も誕生日である。この日は初孫だった掛川のまーくんの誕生日でもある。昨日、子供たちからの誕生祝いを、代表して掛川の娘が持ってきてくれた。

そこで、まーくんの初ホームランの話を聞いた。さく越えの堂々としたホームランだったという。まーくんのホームランで、その試合を逆転勝利をして、掛川市の中学校野球部のリーグ戦で優勝したという。今日、日曜日も野球の試合だというので、午後からじいちゃん特製の巻き寿司を作っておくから、夕方に取りにおいでと約束した。まーくんとじいじのダブル誕生祝いだと。

今日は朝から雨で、野球は休みで、作っているところへ、掛川の孫たちがやってきた。


テレビで、簡単巻き寿司の作り方をみていて、これなら自分でもできそうと始めて、もう数回作った。具はマグロ、蟹カマ、干ぴょう、椎茸、胡瓜、卵焼きの6種類。


海苔は扱い易い半分の手巻き用を使う。巻き簀は使わず、テーブルにサランラップを敷き、半分の手巻き寿司用の海苔を敷いて、炊飯器で炊いた普通のご飯を、しゃもじを使って写真のように広げる。そこへ市販の寿司酢を、刷毛でぺたぺた塗るだけで、海苔の上で寿司飯になる。後は具を並べて、サランラップさら、くるくると巻けば、巻き寿司の出来上がりである。(下の写真)


 
予め、寿司飯を作ればよいのだが、刷毛で塗る利点は、具の残り具合で、どこで止めても無駄がない。残ったご飯は普通の食事に使える。海苔が半分だと、巻き簀がなくても楽々巻ける。サランラップは汚れたら新しくすればよい。

子供の誕生祝いなら、これにカラアゲでも付ければ上等で、まーくんのパパは家でカラアゲを作って待っていると言い、帰りにケーキを買って帰ろうと、巻き寿司をタッパーに入れて持ち帰った。

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昨日、午前中、金谷宿大学の総会に出席。午後、「駿遠の考古学と歴史」講座に出席。

読書:「くらがり同心裁許帳 1」 井川香四郎 著
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