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「天明年中叓」を読む 5

(散歩道のノウゼンカズラ)

午後、散歩に出たら、まだまだ暑くて、30分ほどで、汗たらたらで帰った。外で、証券会社の若者が待っていた。今は運用に充てるお金もないので、普通なら玄関で応対して帰ってもらうのだが、自分が冷房に当りたくて、応接に上げた。ほとんど雑談で、一時間ほどして、ほてった身体が漸く落ち着いた頃、帰って行ったが、彼の役に立ったかどうか。束の間ながら涼しく過ごせたことは間違いないが。

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「天明年中叓」の解読を続ける。

一 右城附武器の儀、別帋(べっし)の通り、心得らるべく候。米、金、塩、味噌などの儀は、御勘定奉行承り合わせ、御代官へ引渡し候様、致さるべく候。

                    本田(多)伯耆守
 遠州相良城附武器の内
  一 長柄 五拾筋     一 同替鞘 五拾
  一 弓 四拾張      一 征矢 五百五拾本
  一 弓臺 五ッ      一 関弦 七拾
  一 弦〆革 三拾弐    一 矢柄箪笥 壱荷
  一 鉄炮 六拾五挺    一 手鑓 拾八本
  一  四ッ       一 弓〆革 五
※ 替鞘(かえざや)➜ 取り替えのための鞘
※ 征矢(そや)➜ 鋭い鏃をつけた、戦闘に用いる矢のこと。
※ 弓臺(ゆみだい)➜ 弓を立てておく台。
※ 関弦(せきづる)➜ 昔、戦陣で用いた弓弦の一。弦苧(つるお)に黒く漆を塗った上に絹糸を巻き、さらにこれを漆で塗り固めたもの。
※ 矢柄(やがら)➜ 矢の幹。鏃(やじり)と矢羽根を除いた部分。普通は篠竹で作る。
※ 手鑓(てやり)➜ 柄が、標準より短い槍のこと。
※ 靭(うつぼ)➜ 矢を携帯するための筒状の容器。

     内、鑄形
  一 鉄炮三百目(匁)壱挺 一 同百匁 壱挺
  一 同拾匁 五挺     一 同六匁 三拾三挺
  一 同三匁五分 廿七挺  一 胴乱 八
  一 火縄 四拾五     一 鉄炮革覆 弐
  一 陣貝 壱ッ      一 陣太鼓
  一 数具足 廿領     一 陣笠 六拾
  一 鑄鍋 壱       一 薬入 九
  一 鉄炮弐拾匁 壱挺   一 玉箱 弐荷
  一 同三匁三分 五挺   一 小姓具足 廿領
  一 三ッ道具三組
     右の通り、城付候間、岡部美濃守相談し、受け取らるべく候。
※ 鑄形(いがた)➜ 鋳型。鋳物を鋳造するときに、溶かした金属を注ぎ入れる型。
※ 胴乱(どうらん)➜ 皮または布製の四角の袋で、鉄砲の弾丸を入れるのに用いた。
※ 陣貝(じんがい)➜ 昔、陣中で軍勢の進退などの合図に吹き鳴らした法螺貝。
※ 数具足(かずぐそく)➜ 量産品の安物の具足。
※ 鑄鍋(いなべ)➜ 溶鉱炉で溶かした鉄を取り出して鋳型に注ぎ込むのに用いる容器。
※ 薬入(くすりいれ)➜ 火縄銃用火薬入れ。
※ 小性(こしょう)➜ 小姓。武家の職名。主君に近侍してその身辺の雑務にあたるほか,外出の折や戦場にあっても騎馬もしくは徒歩にて側近く仕える近臣の称呼である。
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