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「復讐 天橋立」を読む 20

(田んぼのハクセキレイ)

この田んぼには水だけ張られて、稲が全くない。確か、田植えはしたと思われるが、思うに、どうやらジャンボタニシにやられたようだ。ジャンボタニシは稲の苗が好物で、食い尽くしてしまうと、今日、テレビで見た。その様子が、この田んぼとそっくりであった。ある程度稲が成長すれば、もう食べられることのないという。この一枚の田んぼはちょうどタイミングがあってしまったのだろう。写真をよく見ると、ジャンボタニシらしき粒々も写っている。

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「復讐 天橋立」の解読を続ける。

その上、これに並み居る人々の中にも、師の免許を取るべきもの数多(あまた)あり。されどもそれには赦(ゆる)さずして、殿に印可(いんか)を奉りしは、林田が謟諛(てんゆ)にして、実に殿のその業(わざ)に熟し給う故にはあらず。この境をも弁(わきま)え給わずして、猥(みだ)りに無謀(むぼう)譫言(たわごと)を吐き給うを以って、右のごとく申したりと。弁舌(べんぜつ)水の流るゝが如く、憚(はばか)るけしきもなかりければ、座中弥(いよいよ)冷や汗を流し、いらざる臺右衛門が身の程をも知らざる放言(ほうげん)かなと、口を閉じて扣(ひかえ)るにぞ。
※ 印可(いんか) ➜ 武道・芸道などで、極意を得た者に与える許し。免許。
※ 謟諛(てんゆ) ➜ 人の気に入るようにふるまうこと。こびへつらうこと。
※ 無謀(むぼう) ➜ よく考えずに行うこと。
※ 譫言(たわごと) ➜ ばかばかしい話。また、ふざけた話。
※ 弁舌(べんぜつ) ➜ ものを言うこと。また、ものの言い方。話しぶり。
※ 放言(ほうげん) ➜ 他への影響などを考えずに、思ったままを口に出すこと。無責任な発言。(原文は「方言」とあるが、明らかに間違い)


城主、憎しとは思し召せども、わざと怒りを抑え給いて仰せけるは、いかさまその方が申す条、一理ありといえども、また我が手裏(しゅり)にも聊(いささ)か覚えあればなり。人をあざける汝が手のうち、さこそと思われ、奥床(おくゆか)ければ、いざや某(それがし)と立合い、その妙手(みょうしゅ)を示すべしと。傍(あたり)に指揮し給い、その用意を儲(もう)けられ、稽古(けいこ)場に入らせ給えば、近習(きんじゅう)の人々、臺右衛門を(しっ)、無益の一句に御気色(きしょく)を損じたり。はやく御詫びをいたし、お相手赦免(しゃめん)を願わるべし。勝劣ともに足下(そっか)のため、悪(あ)しかるべし。
※ 手(しゅ)裏(り) ➜ 手のうち。手中。掌中。
※ 奥床(おくゆか)し ➜ 奥にひそむものに強く心がひかれる。さらによく知りたい。
※ 近習(きんじゅう) ➜ 主君のそば近くに仕える役。近侍。
※ 叱(しっ)す ➜ しかる。(原文は「吃」とあるが、間違い)
※ 気色(きしょく) ➜ 機嫌。気分。
※ 赦免(しゃめん) ➜ 罪や過ちを許すこと。
※ 足下(そっか) ➜ 二人称の人代名詞。同等以下の相手に用いる敬称。貴殿。
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