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大空武右衛門のこと

夜、台所で女房が騒ぐ、「大きな蜘蛛がいる」
それはアシダカグモで、人には悪さはしない
蜘蛛の巣は張らない、食べ物にはたからない
蜘蛛や蝿などを捕って食べる益虫である
縄張りがあり、一部屋に一匹しか居つかない
見た目は悪いが駆除してはならない

今、沼津の大相撲の巡業が来ていると、テレビのローカルニュースが報じている。中でも、翠富士と熱海富士が大人気である。大相撲で、地元の力士に注目して、応援するのは、人生初めてである。場所中は大相撲のテレビ中継は見なくても、必ずローカルニュースで二人の相撲は報道されている。

今日、8月の古文書講座の「面白古文書」を準備した。8月のテーマは「大空武左衛門」である。身長2メートル超えの農民の子が、肥後の殿様に召し抱えられ、相撲取りにしようと、江戸に連れて来れられるが、江戸で大注目だったにも関わらず、根が優しい武右衛門は、一度も相撲を取ることなく、故郷へ帰って行ったという。

その「大空武左衛門」の実物大の絵を、渡辺華山が、「蘭鏡」を使って、書いたものがあり、その絵を二代目蜀山人(初代は大田南畝)が写し取り、曲亭馬琴(滝沢馬琴、「南総里見八犬伝」の著者)が讃を書いた。江戸の有名人が関わった肖像画である。

その讃は漢文で書かれ、当然返り点などは一切ない。辞書を引き引き何とか読み終えた。「蘭鏡」とは何を指すのか、沢山疑問は残るけれども、一応準備は終わった。

読書:「江戸の雷神 死化粧」 鈴木英治 著
読書:「物語の種」 有川ひろ 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 41

夕方、前の茶畑で散水を始めた
この暑さで茶畑も水を欲しているのだろう
おかげで、今夜は我が家は少し涼しく感じる

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  十九日  晴れ
出勤、取り調べ。

  廿日  晴れ
出勤、取り調べ。例年の通り、山道繕
(つくろ)い問い合わせこれ有り、明後日の積り。

  廿一日  晴れ
出勤、取り調べ。昨朝、一作殿帰宅の内、追って承り候事も、今日直
(ただ)
に、また出役の趣。

  廿二日  大雨、坤(ひつじさる)風より、東北風に成る。
川支
(つか)え、未(ひつじ)上刻。

  廿三日  曇り
未上刻、川口明
(くちあ)け。

  廿四日  曇り
気分悪しく、休息。

  廿五日  曇り
土蔵修覆見廻り。

(つづく)

読書:「迷い神 素浪人稼業 9」 藤井邦夫 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 40

酷暑の夏、庭の唯一のバラが花を付けている
暑さに花びらも縮んでいるように見える

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十六日  晴
南安東、与七郎忰、捨松改め治郎七義、今般、有東坂伊兵衛殿娘、嫁取り
候に付、今日披露の趣、申し来り候間、出張致し候。右立ち合い客来たる。
伊兵衛殿、平川瀬源七、北脇の人壱人、祝儀終りて一泊。

  十七日  晴
一作殿出張、郷宿臺屋へ相尋ね面会。帰路、古庄へも尋ね帰宅。

  十八日  晴
横砂惣二郎殿へ五拾斤取り替え遣わし候。もっとも、去三月、三拾とも、
六月配達の積り。出勤十六、十七日、割増し、その外取り調べ致し候。
与右衛門殿奥印の義、申し出候処、皆済未進これ有り候間、右売り渡しの
内金、先へ借用致し、相納候て後、奥印致し候例の旨申遣し候。今日出勤の節、儀兵衛殿へ申し談じ候義、昨日郷宿にて一作殿咄しこれ有り候。拜借日に
返納物控えの分、貰い出し、早々相送りくれ候様申候間、その段、談ず。
(つづく)

読書:「花の御殿 くらがり同心裁許帳 5」 井川香四郎 著
読書:「跡目 鬼役 十八」 坂岡真 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 39

散歩道のフヨウ

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十四日  晴
今日、一作殿義、昨日調べ物、かつは、今般仰せ出され候、当分助郷の分、
府中江尻橋、御進発の節の振合
(ふりあい)を以って、相願い候処、御
聞き済まし相成り候由に付、早速罷り出で候様、野村九作殿より申し越され
候間、罷り出で、その序(ついで)、調べ書き上げ致し、助郷方にても両人
罷り出で、当辰、宗門人別帳印、寺印取り、かつ出役(しゅつえき)
今般は一作、始め十右衛門、林助三人にて出づ。

  十五日  曇り
神詣で。出勤致し候処、耀海寺罷り出で候は、昨、宗印致し候処の内、松川屋
元兵衛の内、政治義、先年、同寺檀家に候処、清見寺町へ養子に出し、罷り
越し候に付、宿送り人別、昨卯年差し出し候処、右の寺主よりも、前以って断
りこれ有り候由の処、政治郎義、偽(いつわ)り申し出で、送り人別貰い請け
候由。右に付、元兵衛方宗門まで相滞り候の処、同人よりも種々相謝(あやま)
り候に付、先(まず)源兵衛宗印は致す。尚、政治義も宗印抜き候義、相成ら
ざる旨にて済む。もっとも、当辰年、御役所へ差し上げ候分はそのまま
致し、下書の義は張り下げ致し置く。昨年の義は、両帳とも書き加え候積り。
(つづく)

読書:「突きの鬼一 9 跳躍」 鈴木英治 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 38

大代川土手の竹林

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十日  曇
右茶ほいろ、手塚庄兵衛殿にて売り、製
(つく)り上げ致す。

  十一日  曇り、雨
昼前出勤、御触れ向き書き写し、これを演
(と)き、堅(かた)く配付。
大総督賄い、出不足の分、御支配より御察當(さつとう)これ有り、詫びに
※ 察當(さつとう)➜ 江戸時代、違法行為をとがめること。
宿方へ出で候処、その当日、触れ当て不足の分だけ、不足買い上げ銭、
惣代へ差し出し、事済
(ことすみ)に致し遣わす。今晩、横浜警衛として、
海軍副総督、鍋嶋侍従様御泊り。

  十二日  曇り
出勤、諸取り調べ物致す。これは今般御下り相成り候、官軍大総督様御付、
その外の食、人馬賃銭とも、下書き致す。もっとも去九日、取り調べ致し
置き候えども、落藩もこれ有るに付、再調べ致す。

  十三日  曇り
先だって御下げ渡し相願い候、掛川、浜松様御賄い人馬賃とも、払い返し
残金預り、割増金、新右衛門番分、請け取る。
(つづく)

読書:「散斬 交代寄合伊那衆異聞 17」 佐伯泰英 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 37

大代川土手、オニユリの群落

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  七日  雨
当辰年、宗門人別帳、小前印形取り仕舞
(しま)い候処、俄かに、駿府御逗留
これ有り候 大総督有栖川宮様始め、外(ほか)四卿とも、明八日、当駅
御昼休み、蒲原御泊りの由、府中宿よりも、内知らせこれ有り候間、一同へ
持ち廻り差し出し候処、今般は病気の者、又は他行帳付けなどこれ有り候間、
手廻り兼ね候に付、夜中、手繰りさせ、宿割り致し候処、卯の刻頃、宿割り帳
到来(とうらい)、尚又、割り替え候処、又御宿割り様、五つ頃御越しにて、
又々割り替え、大手違いに相成り候えども、御着、刻(とき)遅く候間、
差し支えの筋もこれ無く、御賄い仕り候処、人足手薄、買上など致し
御賄い仕り候。

  八日  曇り、晴れ、右に類す。
御賄い済み、八つ半頃より休息。蒲団掛り致す。

  九日  晴れ
右御通行、人足、馬、御人数とも調べ書き上げ致し、右御付き添い、會計方へ
差し上げとして、新右衛門殿、沼津泊りまで遅くに出張(でば)る。
茶摘み致す。
(つづく)

読書:「隠し船の館 口入屋用心棒 49」 鈴木英治 著
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コロナは再び流行し始めたのか

散歩道で見つけたカラスウリのつぼみ

東海地方もようやく梅雨が明けたようだ。昼のニュースが報じていた。

午後、掛川中央図書館の文学講座に出席した。テーマは「徳川家康」。「徳川家康」といえば、山岡荘八の「徳川家康」を思い出す。13巻ある作品を、実家で読んだ。もう50年以上前の話である。天下統一が成って、幕府を開くあたりまで読んできて、もういいかと読むことをやめた。60年たって、家康が大御所として過ごした駿府の近くに住んで、そういえば、家康の晩年をどう書いているのだろう。改めて読んでみようかと思う。

昨日、午前中、二ヶ月に一回、夫婦で受診している島田のS医院に行く。今日は自分のレントゲン検査と女房の血液検査がある。駐車場がいっぱいで、いつもより随分と待たされた。待たせて申し訳ないと断って、先生は「またコロナが流行り始めて、今日は検査で陽性が8人も出ている。流行の時でもここには一日に4人ぐらいしか扱わなかった。」と話す。待合室で見ていると、検査技師や看護師、事務員などがひっきりなしに駐車場に足を運んでいる。先生も裏口から駐車場に行き外で診察をしているようだった。

発熱外来は駐車場で待たせ、検査して、コロナ陰性だと、待合室とは別室に待たせて、診察する。陽性だと、診察、診察、会計まで、駐車場の車まで出向いて、行っているようであった。だから、職員の出入りが頻繁になる。院内感染防止に十分な神経が使われているようだ。

掛川図書館ではしっかりとマスクをして受講した。

読書:「慟哭 鬼役 十七」 坂岡真 著
読書:「銭十文 素浪人稼業 8」 藤井邦夫 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 36

散歩道のヒマワリ

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  三日  晴れ
事業。

  四日  晴れ
紺屋町御役所より、高札三枚補理(しつらい)、持参致すべき旨、御廻状の処、
(ほか)用向きにて、一作殿出府これ有り候間、右三枚の高札板、大小もこれ
有り申すべく候間、出役(しゅつえき)先にて、外宿一同打ち合わせ、
補理(しつらい)候様致したく、右に付、帳付け新右衛門弟、榊原様、旅籠請け
取り候用もこれ有り、出張に付、一作殿へ御廻状の表、並びに口上を以って、
その段申し遣わし候。
曽我主水(もんど)様、土着に付、御越しに相成り候。土太夫町弥七殿参り候
処、ちょっとに帰り。
※ 土着(どちゃく)➜ その土地に住みつくこと。
(つづく)

読書:「歌の旅びと 下」 五木寛之 著
読書:「見返り峠 くらがり同心裁許帳 4」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 35

掛川図書館近所のカノコユリ

今朝、地区の防災点検、ポンプはエンジンが修理へ出してあるのか、載っていなかった。点検できず。帰り、Nさんから小玉のスイカを頂いた。

午後、クーラーの元、昼寝を二時間ほどした。今日はのんびりである。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

(四月二日の続き)
八番出し、当春、自普請目論見(もくろみ)の処、水中
※ 自普請(じぶしん)➜ 堤・川除(かわよけ)・用水・道橋等の普請において,周辺村落が費用を出して行った工事。
深くに候間、石積み相成らず。これにより巻籠(まきかご)に致し候ては如何
※ 巻籠(まきかご)➜ 堤防施設の一つ。川中に積み重ねる石出しを蛇籠(じゃかご)で包んだもの。
(いかが)の旨に付、見分致す。もっとも入用石積み、巻き籠は差し支え、
※ 辻(つじ)➜ 物の合計。
却って籠の方、入用相減じ候様に相成候由に付、その積りに取り計らい置き、
江川堀見廻り致す。戻り、持山境木に植付致し候間、俗に飛龍松と申す木の
根立ち芽、取りに行く。
当年、下女の義、一旦、善五郎娘抱え置き候処、嫁付き候間、
風呂や半右衛門方より抱え置き候処、これも間に合いかね候間、断り申し遣わす。横砂村よりも相頼み置く
積りの処、今日参り候。

(つづく)
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水木金土、四日間の奮闘



庭の真っ赤な花 2題
ハイビスカスとガーベラ

この水曜日から土曜日まで、4日連続の古文書講座、五講座をこなした。さすがに疲労で、今日の二講座の後、昼寝した。

4日間、五講座の内容は次の通りである。
 水曜日 まきのはら塾の「古文書解読を楽しむ」講座の講師。
   この日のテーマは、田沼意次の罪状を糾弾した文書である。意次で町お
   こしをしている牧之原市でこの文書はどうかと思ったが、まだ、途中で
   あるが、しっかり読み解くと、それら罪状がでっち上げであったことが
   判ると思う。
 木曜日 掛川図書館古文書講座へ出席、受講。
   年に10回のこの講座には、もう10数年通って受講している。郷土史
   が専門のK講師からは、今も講師として、いろいろ学ぶことが多い。
 金曜日 静岡、駿河古文書会の当番、発表。
   「遠州相良引渡一件」本多越中守から板倉佐渡守への所替の一件書類
   で、始めてから年二回平均で7年になるという。ほぼ自分が担当してき
   たが、今回で読み終えることになった。
   講座の中で、六つ時とか、五つ時とかいう時間が今の時間で何時になる
   のか、未だにすぐには思い浮かばないと話した。すると、ある方がこん
   な計算式を教えて下さった。
      (9-何どき)×2=現在のおよその時間
   五つ時なら、(9-5)×2で、8時となる。朝も夕も同じである。
   これは便利だ。
 土曜日午前 金谷宿大学の「古文書に親しむ(初心者)」講座の講師。
   講座の前にショックな話があった。受講者のO氏の奥さんという方が見
   えて、先月、O氏が亡くなられたと聞く。びっくりして、とっさにはお
   悔やみの言葉も出なかった。自転車の事故で亡くなられたという。古文
   書講座のファイルや、古文書の辞書も残っていて、古文書の勉強を楽し
   んでいらしたという。欠席の前回と今回の資料をどうされますと聞くと
   頂いて、仏壇に供えますと言われた。受講者の方が現役で亡くなられる
   のは、自分の講座では初めてのことである。残念!無念! 合掌。
 土曜日午後 金谷宿大学の「古文書に親しむ(経験者)」講座の講師。      
   「硯屋日記」を本格的に読み始めたが、それほど難しくないと思って読
   み進んでいくと、どう読むのか中々判断に迷う所が講座を進めるうちに
   出てきた。もっとしっかり読み解いて、講座に臨まなければならない。

読書:「罪人の刃 徒目付 久岡勘兵衛」 鈴木英治 著
読書:「一日署長」 大倉崇裕 著
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