平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「慶應四年日録/徳元」を読む 56
庭のガーベラ姉妹
暑すぎる八月も終る。この一月、自分は冷房を遠慮なく効かした部屋で、江戸時代三昧の日々を過ごして来た。ブログの「慶應四年日録」以外に、午前中は江戸中期、駿府商家の隠居が記した「硯屋日記」を解読して過ごした。もちろん、それ以外にも読まなければならない古文書も多数ある。昼寝の後は「鬼平犯科帳」や「雲霧仁左衛門」など、テレビ時代劇のビデオ鑑賞を専らにする。就寝前には、当ブログの最後に読了書として挙げる時代小説を、一晩か二晩で一冊のペースで読んでいる。年間200冊以上、主に文庫本だが、図書館利用でふところはまったく痛まない。
江戸時代の世界には、何もしがらみがない。人の生き死にを読みながら、気に病むことも何もない。登場人物も、死者も皆んな死んだ人である。コロナも、円安も、ウクライナも、原発の排水も、熱中症も、思いなやむことは何もない。知れば知る程、江戸時代は楽しい。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
十五日 雨
昨日、当所寺院中、永々(ながなが)の大雨に付、明十五日より三日の間、
昨日、当所寺院中、永々(ながなが)の大雨に付、明十五日より三日の間、
祈祷致したく、これによりその段相届け候旨、会所へ申し出候間、その段
持ち廻り、参り候間、右取り計い向きの義は、一作殿へ頼み遣わし候処、
壱町、三、四人づゝ呼び立て、右の次第申し聞き、町内へもそれぞれ
行渡り候様、申し聞き候間、右の者ども、今日寺院へ出で候由。
諸瓦不足に付、当春、五郎兵衛殿よりも、弐拾四枚借り候処、今日、新瓦にて
相返し申し候。
十六日 晴れ、曇り、雨
休息。
休息。
十七日 曇り、雨
長通井見分致す。奥津川端、越し場見分。
長通井見分致す。奥津川端、越し場見分。
十八日 雨
右越し場の処、先ず川瀬の処も相分らず候間、当分は先ず、畑損じざる様
右越し場の処、先ず川瀬の処も相分らず候間、当分は先ず、畑損じざる様
致し、越え立ての積り。もっとも、地主松蔵参り候に付、治三郎へ談ず。
弥増(いやまし)大雨に付、見合わせの由。
※ 弥増(いやまし)➜ ますますもっと。さらにいっそう。
※ 弥増(いやまし)➜ ますますもっと。さらにいっそう。
十九日 大雨
川、出水見廻り。
川、出水見廻り。
廿日 雨曇晴
昨夜より引続き大雨にて、殊の外の大水。同役とも一同出張(でば)り致す。
昨夜より引続き大雨にて、殊の外の大水。同役とも一同出張(でば)り致す。
あおり致す。もっとも、追々田畑欠所出来(しゅったい)に付、右様致す。
※ あおり ➜ 暴風のこと。
※ あおり ➜ 暴風のこと。
※ 欠所(けっしょ)➜ 欠けているところ。
また昼後より水刎(みずは)ね、小牛組み入れ。
※ 水刎ね(みずはね)➜ 杭、蛇籠、石塊などを用いて、河川が河川敷の中で蛇行したり流路を変えたりしないように河岸から河身に設けた工作物。
※ 牛(うし)➜ 水防用の聖牛(ひじりうし)のこと。
(つづく)
また昼後より水刎(みずは)ね、小牛組み入れ。
※ 水刎ね(みずはね)➜ 杭、蛇籠、石塊などを用いて、河川が河川敷の中で蛇行したり流路を変えたりしないように河岸から河身に設けた工作物。
※ 牛(うし)➜ 水防用の聖牛(ひじりうし)のこと。
(つづく)
読書:「茶葉 交代寄合伊那衆異聞 19」 佐伯泰英 著
読書:「高楊枝 素浪人稼業 14」 藤井邦夫 著
読書:「がんこ煙管 取次屋栄三」 岡本さとる 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 55
庭のムラサキシキブの実
7月初め、庭のムラサキシキブの花
昨日朝、サイレンと共に、地区の防災訓練。集合場所は班のゴミステーション前、日差しが強く、隣りの農協の建屋の陰に集まった。廻りに見知らぬ人がいっぱいである。コロナの数年、数ある行事も中止、班で集まることもなくて、その間に多くの隣人が亡くなったり、引っ越したりして、多くの家で代替わりしてしまった。高齢で出て来なくなった人も何人かいて、まるで浦島太郎状態であった。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
十日 曇り、雨
昨日、帰路の砌り、林助へ逢う。今般、出役の始末相咄す。宿地方(じがた)、
昨日、帰路の砌り、林助へ逢う。今般、出役の始末相咄す。宿地方(じがた)、
除地(よけち)書き上げの処、相違これ有る段、御掛り高橋泰蔵様よりも
仰せ渡され候間、早速旧記取り調べ、書き上ぐべき旨の処、帰路の砌り、
利助へ談じ、八日の出役中、今般増助、甲国村々より戻り候処、何れも
申し分これ有り候処、助郷惣代へ見させ、粗(あらあら)写しの上、
宿為吉殿へ頼み、高橋様へ返上の積り。今般、往還橋積みの処、
御下げ金の義にて、横砂村より利助を以って、問い合わせこれ有り候。
弐拾両ばかりの処、八分通り、右御時節、御下げ金頂戴致し候と存じ候旨、
答え遣わし申すべく旨、申し置き候。
十一日 雨
昨日、今般出役の義、問屋、年寄両人もの積りの処、官軍御米遣い残り
昨日、今般出役の義、問屋、年寄両人もの積りの処、官軍御米遣い残り
取り調べ、書き上ぐべき旨、仰せ渡され候処、右義も拙者掛りに
これ無く候間、相分らず。これに依り右書き上げに付、儀兵衛殿、
並び林助殿、両人にて、出役相頼みたき旨、一作殿へ頼み遣わし候処、
同人よりも申し遣わし候やにて、昨日林助出役。
農日待致し候。
農日待致し候。
十二日 大雨
休息。川除け見廻り出づ。
休息。川除け見廻り出づ。
十三日 大雨
休息。風来部屋人足、先日も願い出候処、合力差し遣わさず候間、
休息。風来部屋人足、先日も願い出候処、合力差し遣わさず候間、
今日願い出で候に付、八百文差し遣わし候由。
十四日 大雨
昼後、会所出勤致し候処、昨年中、人馬立て辻、仕訳勘定致し候間、立会う。
昼後、会所出勤致し候処、昨年中、人馬立て辻、仕訳勘定致し候間、立会う。
弁当をもって、奥津川満水に付、川見廻りに三人にて出づ。
(つづく)
(つづく)
読書:「隙間風 素浪人稼業 13」 藤井邦夫 著
読書:「宿敵 鬼役 二十二」 坂岡真 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 54
裏の畑の二本目の渋柿が実を付けた
一本目の渋柿も昨年に続いて実を付けた
二本目の渋柿は、一本目よりスマート
車のアクアのバッテリーの調子が悪く、走行中にエンジンが止まってしまう状況が頻発。今日、修理に出したが、藤枝の修理工場までアクアを持ち込むように云われ、エンジン停止、再起動を繰り返しながら運んだ。やばいと思い、バイパスには乗らずに、下道を行った。エンジンが止まること、四、五回発生。何とか到着。こんな怖い思いをするなら、JAFに頼めば良かったと後悔する。HVのメインのバッテリー廻りの交換を言われて、再び恐怖! 修理には一週間かかると聞き、代車を借りて帰った。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
七日 坤(ひつじさる)風、晴れ、雨、不斉(ふぞろ)い
久兵衛殿出府に付、御書付の義に付、御昼後、五ヶ宿罷り出で候処、
久兵衛殿出府に付、御書付の義に付、御昼後、五ヶ宿罷り出で候処、
仰せられ候者、兼ねて申し渡し候、人馬割増賃銭の義、宿助郷割合の処、
助郷方難渋の趣申し立て候処、右は種々利解申し聞き候えども、強いて
宿方へ右の段御呼び出しの上、助郷の申し分御申し聞き下され度段、
申し立つ。殊に願書の義も、助郷、皆な請け取りなどと申し候義も
これ有り候て、助郷方にては、御請け印形出来難き旨にこれ有れば、
先前(さきまえ)割り合い仕出し、宿方相違の義もこれ有り候旨、
これを申し候間、その段、篤(とく)と取り調べ、助郷へ談判仕り候様、
致すべき旨の処、何(いず)れ評議の上、可不可(かふか)の旨にて、引き取り
相談仕り候処、助郷方にても、割合の義、先前の壱割の処は、少々ずつ
宿毎異同もこれ有り候処、今般仰せ渡されの義は、伺い濟みの義に候わば、
役人どもにて、私に談示など仕り候次第これ無き処、助郷方にても、
三島より相寄り候由に候間、宿方も組合集会然るべき旨、評決致し候。
丹平方にて衆議、廻状認(したた)む。
八日 大雨
右の次第に付、十四(日)まで御日延べ、願書当宿方にても差し上げ、
右の次第に付、十四(日)まで御日延べ、願書当宿方にても差し上げ、
魚萬方にて衆議。
九日 晴れ、夜雨
助郷方よりも、一応談示致したき旨に付、一同相寄り、談示仕り候処、
助郷方よりも、一応談示致したき旨に付、一同相寄り、談示仕り候処、
何れにも組合、宿へ廻状も差し出し候上は、この上如何(いかん)とも
私ども限りにて、かれこれの義、申し上げ難き段にて、何れ衆議の上と
申し相別れ候。もっとも宿方の義、十日夕刻までには、一同相寄り候
積りにて、仕立て飛脚を以って、昨暁、廻状差し出し候。夕刻帰宿。
(つづく)
(つづく)
読書:「不忠 鬼役 二十一」 坂岡真 著
読書:「夜叉姫 三人佐平次捕物帳」 小杉健治 著
読書:「情けの露 おっとり聖四郎事件控 2」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 53
酷暑、中休み
久しぶりの雨に庭の木々も息を付く
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
四日 雨
出勤。川支えに付、歩行(かち)方賄い難義の義、何れ相談の上、取り計らい
に付、申さず候ては相成らざる旨に付、勘定立て致さず引き取る。
五日 雨、坤(ひつじさる)風、曇り
今般、割り増し割合方の義に付、助郷惣代ども難渋の趣、申し立て候に付、
談義これ有り候間、明六日罷り出づ旨、昨日御書付の処、同勤何れも差し合い
これ有り候に付、出府致し候積り。
横砂惣兵衛殿へ出づ。
六日 雨、曇り
早朝出府。丹平へ出で、野村並び、府中宿清右衛門、丸子宿四平殿へ逢う。
蒲原宿、罷り出でず候間、御役所への着到の人のみ申し上げ置く。一同相揃い
候上、罷り出で候旨、申し上げ置き候。
土太夫町米屋弥七殿へ鰻飯の之馳走に成。新聞紙十一号より二十二号まで、
借り受け披見(ひけん)致す。
(つづく)
読書:「開帳師 素浪人稼業 12」 藤井邦夫 著
読書:「取次屋栄三」 岡本さとる 著
読書:「おっとり聖四郎事件控 1」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 52
今夕、山火事のような夕焼け
マグロをまとう、我が家特製ばら寿司
マーケットでマグロが割安だったので、残り飯と「すし太郎」でばら寿司にして、かんぴょう、かまぼこ、高野豆腐を細かく刻んで加えて混ぜ、海苔、きんし卵、紅ショウガを載せ、わさび醤油を付けたマグロで表面を覆ったもの。簡単だが、中々美味い。
午前中、金谷郷土史研究会。今日は講演で、金谷宿観光ボランティオアの植野修氏の、映像を使った金谷宿案内であった。金谷と金谷河原の郷蔵が、洪水を避けて、金谷小近くの山際に並んであったことなど、幾つか初めて知る話が聞けた。
今日は静岡県の県民の日だという。明治9年8月21日に、それまでの静岡県と浜松県が合併し、ほぼ現在の姿の静岡県が成立したことにちなんで制定されたのであるが、県民のほとんど誰も知らないのはどういうわけか。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
廿九日 雨
在宅。土蔵中、雑作見廻り、差図致す。弐分判、歩増の様子。
※ 弐分判(にぶばん)➜ 弐分金とも呼ぶ。江戸時代に流通した金貨の一種。形状は長方形短冊状。額面は二分であり、その貨幣価値は二分の一両、また八朱に等しい。
もっとも安政度吹き立ての分、百両に付百六拾両余の由。会所詰め合い、
一作殿よりも申し越し候間、右賄い預り金これ有り候分、取り調べ書
在宅。土蔵中、雑作見廻り、差図致す。弐分判、歩増の様子。
※ 弐分判(にぶばん)➜ 弐分金とも呼ぶ。江戸時代に流通した金貨の一種。形状は長方形短冊状。額面は二分であり、その貨幣価値は二分の一両、また八朱に等しい。
もっとも安政度吹き立ての分、百両に付百六拾両余の由。会所詰め合い、
一作殿よりも申し越し候間、右賄い預り金これ有り候分、取り調べ書
遣わし候。宿賄い金の内、弐分判七拾八両、弐朱金四両弐分。官軍賄いの内、
※ 弐朱金(にしゅきん)➜ 二朱判ともいう。江戸時代に流通した金貨の一種。形状は長方形短冊状。額面は二朱であり、その貨幣価値は八分の一両、また二分の一分に相当する。
弐分判三拾七両、弐朱金三分。右の通り、預り有り金に候。外ならぬ
金の義に付、後日かれこれと心得違いの義、これ有り候ても宜しからず
候間、右相改め候旨、申し遣わし置き候。
五月朔日 雨
在宅。雑作見廻り。
※ 弐朱金(にしゅきん)➜ 二朱判ともいう。江戸時代に流通した金貨の一種。形状は長方形短冊状。額面は二朱であり、その貨幣価値は八分の一両、また二分の一分に相当する。
弐分判三拾七両、弐朱金三分。右の通り、預り有り金に候。外ならぬ
金の義に付、後日かれこれと心得違いの義、これ有り候ても宜しからず
候間、右相改め候旨、申し遣わし置き候。
五月朔日 雨
在宅。雑作見廻り。
二日 雨、雷鳴
右同断、差図。
右同断、差図。
三日 曇り
廿六日より廿九(日)まで、儀兵衛殿当番にて、取り調べ致し候処、林助義も
廿六日より廿九(日)まで、儀兵衛殿当番にて、取り調べ致し候処、林助義も
出府仕り候間、朔日(ついたち)よりの処、相勤め調べ致しくれ候様、
申し越し候間、承知致し候旨、申し答え、夕刻出勤。林助義も帰宿。
同道にて一作方へ出づ。当節、風聞書見請け候。
(つづく)
(つづく)
読書:「南町奉行と首切り床屋 耳袋秘帖」 風野真知雄 著
読書:「狼虎の剣 八丁堀「鬼彦組」組激闘篇」 鳥羽亮 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 51
裏の畑のタカサゴユリ
我が物顔に繁茂するけれど
次々に場所を移ってゆくらしいから
来年は無いかもしれない
明日、金谷宿の「古文書に親しむ」2講座の準備に追われる。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
廿三日 曇り、雨
書見致す。
書見致す。
廿四日 曇り、霢霂(みゃくもく)、晴れ
※ 霢霂(みゃくもく)➜ 小雨。霧のような細かい雨。
昼後より、ちょっと出勤。助郷渡し金の処。些(いささ)か見合わせの積り。
※ 霢霂(みゃくもく)➜ 小雨。霧のような細かい雨。
昼後より、ちょっと出勤。助郷渡し金の処。些(いささ)か見合わせの積り。
賄い金数、調べ、一作、儀兵衛、見させ申し候。
廿五日 雨
蔵中裏板、その外見廻り。
蔵中裏板、その外見廻り。
廿六日 晴れ
番茶摘み致す。
番茶摘み致す。
廿七日 雨
書見「常山紀談」。昼後出勤。当番の処、談(常山紀談)相持ち候やと存じ、
書見「常山紀談」。昼後出勤。当番の処、談(常山紀談)相持ち候やと存じ、
※ 常山紀談(じょうざんきだん)➜ 儒学者の湯浅常山によって書かれた、戦国時代(天文・永禄年間)から江戸時代初期までの武将たちの逸話を集めた随筆的な軍談書である。
罷り出で候処、儀兵衛殿当番、持ち候由に付、引き取る。
罷り出で候処、儀兵衛殿当番、持ち候由に付、引き取る。
廿八日 晴雨、氣候不斉(ふせい)
※ 不斉(ふせい)➜ そろわないこと。
昨日、又兵衛殿出府、用の義、今般、御朱印除地(じょち)、その外取り調べ、
※ 不斉(ふせい)➜ そろわないこと。
昨日、又兵衛殿出府、用の義、今般、御朱印除地(じょち)、その外取り調べ、
差し出すべき旨に付、御触れに付、当町龍興寺、奥禅寺除地、書き上げ、
畑米代返納の義、下げ渡し候旨、惣代よりも申し越し候間、右金弐分と
百拾三文、伝左衛門殿よりも持たせ遣わされ候。当時、定免年季明けの
処、仰せ渡され候は、当辰壱ヶ年限り、昨卯年振り合いを以って取り立て
処、仰せ渡され候は、当辰壱ヶ年限り、昨卯年振り合いを以って取り立て
候間、その旨相心得べき旨、仰せ渡され候由。
昼前、山見廻り。桧苗木植替え。
(つづく)
(つづく)
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「慶應四年日録/徳元」を読む 50
季節外れの庭のコブシの花
この暑さと台風を潜り抜けて
何をとち狂ったか、コブシの花が狂い咲き
それも一、二輪ではなく、蕾を合わせて二十輪以上
「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
廿日 曇り、雨
太政官日誌、書き写し致す。
太政官日誌、書き写し致す。
廿一日 晴れ
土蔵見廻り。弥作殿弟一同着の由に付、廟参(びょうさん)として、在所
※ 廟参(びょうさん)➜ 墓参り。
土太夫町へ相返す。もっとも、太政官日誌返却。中外の義は、今少々の
間、借用致したき旨、申し遣わし候。洞一条に付、弥七郎殿へ出ず。夕飯の
馳走に相成り候。
土蔵見廻り。弥作殿弟一同着の由に付、廟参(びょうさん)として、在所
※ 廟参(びょうさん)➜ 墓参り。
土太夫町へ相返す。もっとも、太政官日誌返却。中外の義は、今少々の
間、借用致したき旨、申し遣わし候。洞一条に付、弥七郎殿へ出ず。夕飯の
馳走に相成り候。
廿二日 晴れ
先達て、洞村片付(かたづけ)一条、出張の節、清地村平右衛門殿方借用へ、
先達て、洞村片付(かたづけ)一条、出張の節、清地村平右衛門殿方借用へ、
差し向け候分、七拾四両、拙者預り候処、弟五兵衛殿参り、岩渕、今日、
右方へ出張り致し候積りにて、参り候間、渡しくれ候様申し参り候間、
相渡し遣わし候。
昨日、洞一条、弥七郎殿にて、それこれ心配致しくれ、伝左衛門殿へ談じ、
昨日、洞一条、弥七郎殿にて、それこれ心配致しくれ、伝左衛門殿へ談じ、
三通の義、委(くわ)しく書き取り、横砂権左衛門殿へ申し遣わす。
(つづく)
(つづく)
読書:「親子剣躍る 新剣客同心親子舟 2」 鳥羽亮 著
読書:「丑の刻参り 三人佐平次捕物帳」 小杉健治 著
読書:「再会 交代寄合伊那衆異聞 18」 佐伯泰英 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 49
裏の畑のクサギ
植えたものではないので、名前は未確認
背丈より高くに蕾みをたくさん付けている
鳥が種を運んだのだろうか
台風七号は紀の岬に上陸、ゆっくりと兵庫県を北上、我が故郷の但馬を縦断して、今夜遅く日本海へ抜けるという。故郷に大きな被害は聞かないのが幸いだが、舞鶴や鳥取の被害が報道されている。当地は、西へ逸れて大雨も降らなかったが、静岡に竜巻が発生して被害があったとの報道には驚いた。
被害のあった皆さまにはお見舞い申し上げます。
昨日、名古屋の孫も予定を早めて帰って行った。来年は上の孫は高校生になる。今までのように、帰省してくれるであろうか。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
十八日 雨
昼前、太政官日誌書き写し。庄之助殿参り候間、御昼引けに、御掛り吉野
三五郎様へ罷り出で候処、最早御出勤に相成り候間、御引けの節を
相待ち居り、罷り出で御伺い立て候処、定免年季明けに候とも、当年の義は
上向きの所、聢(しか)と致さざる義もこれ有り候間、先ず昨年の振り合いを
昼前、太政官日誌書き写し。庄之助殿参り候間、御昼引けに、御掛り吉野
三五郎様へ罷り出で候処、最早御出勤に相成り候間、御引けの節を
相待ち居り、罷り出で御伺い立て候処、定免年季明けに候とも、当年の義は
上向きの所、聢(しか)と致さざる義もこれ有り候間、先ず昨年の振り合いを
以って割り付け置き候様、相談致し置き候間、何(いず)れ近々(ちかぢか)
御役所よりも、その段相達し申すべく候間、左様相心得申すべき旨に付、
書き付け相認め候えども、別段、御役所へ、その方ども罷り出で候にも
及ばざる旨に付、その侭にて引き取る。
十九日 曇り
帰宅、昨夜より関東勢、船にて豆州真鶴(まなづる)と申す処へ上陸致す。
帰宅、昨夜より関東勢、船にて豆州真鶴(まなづる)と申す処へ上陸致す。
追々三島、沼津、それより府中まで罷り越し候風説にて、巷説(こうせつ)
※ 巷説(こうせつ)➜ 世間のうわさ。ちまたのとりざた。
区々(くく)これ有り候処、帰宿の上は左様の義これ無く、もっとも吉原
※ 区々(くく)➜ まちまちで、まとまりがないさまのこと。
辺りまで参り候由に候えども、今般、関東御取り置きの処も、極々(ごくごく)
上印の趣に候間、先ず一同引き返し申すべき旨、御目付様御越しの由、
※ 上印(じょういん)➜ 高い印象。
風説これ有り候間、甲州筋へか、参りやの風聞。
(つづく)
読書:「裏始末御免 くらがり同心裁許帳 8」 井川香四郎 著
※ 上印(じょういん)➜ 高い印象。
風説これ有り候間、甲州筋へか、参りやの風聞。
(つづく)
読書:「裏始末御免 くらがり同心裁許帳 8」 井川香四郎 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 48
喜寿の祝い、孫たちの寄せ書き
一昨日は、駿河古文書会で静岡へ行く。帰宅すると、名古屋のかなくん母子が帰郷していた。夫君も帰郷の予定がコロナで高熱が出て、母子で静岡へ避難して来たような結果となったと話す。まだまだコロナは健在である。
昨日は、午後、「駿遠の考古学と歴史」講座に出席した。夕刻、島田の料理屋で、子や孫、八人で喜寿の祝いをしてくれた。名古屋の夫君が出席できなかったのが、何とも残念であった。酒を飲む者がなくて、二時間足らずで御開きとなる。久しぶりに鰻を食した。次は米寿、頑張って生き延びなくてはならない。
今日、夜は寿司パーティ。孫たちに、思い思いに巻きずしを作らせたら、メインのマグロが無くなってしまった。急いで買いにマーケットへ走り、追加購入してきた。7合あった寿司飯が空になった。
台風7号が近づいて、名古屋は明日帰ることになった。台風の進路はだいぶ西へずれるようで、紀伊半島へ上陸の模様と、テレビが伝えていた。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
(十七日分の続き )
畢竟(ひっきょう)、今般、油冥加上納鑑札、相願い候義は、新規に同商売の
者、出来申さず候様に致し候義に付、これまで、一同相稼ぎ居り候上は、
同職故障もこれ有るまじく、又は後々の義に候とも、定納これ有る上は、
聊(いささ)か差支えの義もこれ無き筈と申され候間、その段、五兵衛殿へ
談じ候処、左(さ)候わば、差し置き候て然るべき積りにて、帰宅の積り。
その序(つい)で、定免(じょうめん)年季明けに付、如何(いかが)のものに候哉。
※ 定免(じょうめん)➜ 江戸時代の徴税法の一。過去五年・十年・二十年間などの田租額を平均して、租額を定め、一定の期間内はその年の豊凶に関係なく、定額を徴収したこと。
御伺(うかが)い立て候処、その意なく捨て置き候ては宜しからざる旨、
仰せられ候間、その段、当町へ申し遣わし候て、昨年の下書き取り寄せ
申し候積りにて、仍(すなわち)取返す。土太夫町へ出で、中外新聞紙、
太政官日誌借り受け候。
(つづき)
(つづき)
読書:「完全犯罪の死角 刑事花房京子」 香納諒一 著
読書:「地獄小僧 三人佐平次捕物帳」 小杉健治 著
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「慶應四年日録/徳元」を読む 47
裏の畑のヤブラン
昨日は、まきのはら塾の「古文書解読を楽しむ」講座で、榛原文化センターに行く。今日は、掛川古文書講座受講に、掛川中央図書館に行く。
台風6号は北へ去ったけれども、南に台風7号が発生して、どうやら東海地方へ、上陸をねらっているようだ。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
十四日 曇、霢霂(みゃくもく)。
※ 霢霂(みゃくもく)➜ 小雨。霧のような細かい雨。
出勤、取り調べ致す。
※ 霢霂(みゃくもく)➜ 小雨。霧のような細かい雨。
出勤、取り調べ致す。
十五日 曇り
出勤、取り調べ。
出勤、取り調べ。
十六日 晴れ
出勤、取り調べ。十一日よりの分、惣調べ致し、助郷初分割致し相渡す。宿方の分とも揚ぐ。
出勤、取り調べ。十一日よりの分、惣調べ致し、助郷初分割致し相渡す。宿方の分とも揚ぐ。
十七日 晴れ、夜に入り、雨
出役致す。油鑑札御渡し。御掛り、市川貫一郎様へ出づ。当町油絞り
稼ぎ人ども存意の義、当最寄り村々、新規油絞り冥加永、
※ 存意(ぞんい)➜ 考え。意向。意見。存念。
取り極め上納の積りにて、今般鑑札御下げ渡しの趣。然る処、当町
の義、旧来冥加永、上納致し来り候処、右様の義に付ては、如何(いかが)の
者に候や、御伺い上げ候旨、申し上げ候処、その町の義は定納に相成り
居り候上は、縦令(たとい)鑑札これ無く候とも、差し支え候筋これ無き義、
出役致す。油鑑札御渡し。御掛り、市川貫一郎様へ出づ。当町油絞り
稼ぎ人ども存意の義、当最寄り村々、新規油絞り冥加永、
※ 存意(ぞんい)➜ 考え。意向。意見。存念。
取り極め上納の積りにて、今般鑑札御下げ渡しの趣。然る処、当町
の義、旧来冥加永、上納致し来り候処、右様の義に付ては、如何(いかが)の
者に候や、御伺い上げ候旨、申し上げ候処、その町の義は定納に相成り
居り候上は、縦令(たとい)鑑札これ無く候とも、差し支え候筋これ無き義、
もっとも強いて、鑑札相願いたき義に候わば、何れにも取り計い申すべく
候えども、左これ無く候とて、差し支えの義はこれ無く筈の由、仰せられ候。
(十七日分、つづく)
読書:「ぼやき地蔵 くらがり同心裁許帳 7」 井川香四郎 著
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