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中国製毒入りギョウザ事件

(横須賀城址の紅梅-今日)

一日、中国産毒ギョウザのニュースが日本中を飛び回った。ホットなニュースは少し時間を置いて書き込むようにしていた。話がどちらへ転がっていくか予測がつかないのに、無責任なことを書くのもまずかろうと、材料が出揃うのを待つのが常であった。しかし、このニュースは取り上げたくなった。

昨日の時点で、これは単なる残留農薬の問題ではないなと思った。故意か過失かは別にして、製造過程で混入したものに違いない。中国の製造工場の実情を見てきた経験から、中国製の食品に毒物が混入してもそれほど驚くことではない。

中国の製造工場の社長は金儲けの手段として事業をやっているだけで、縫製工場でも、機械加工工場でも何でも良かったのだ。ただお金の勘定がしっかり出来る能力のある人がトップをやっている。さらに問題なのは、工場で働く人たちが大事にされていない。だから、定着率が悪く、次から次に代わってしまう。マニュアルは作っているのだろうが、自分たちが人の口に入るものを作っているという意識は薄いし、トップもそんな意識を植え付ける気もない。

そういう状況の中でどういうことが起きるか。多分残留農薬はしっかり検査し、検査結果も残こすマニュアルになっているから、問題は起こさない。輸入する日本側の検査も厳しい。

ここからは想像だが、ある日、工場内にハエが飛んでいるのを誰かが見かけて、食品工場にハエはまずいだろうと注意した。マニュアルにないことである。気を利かせた誰かが家で使っている噴霧型の殺虫剤を買ってきた。中国の殺虫剤は強力である。たちまちハエの駆除は出来たが、その下に包装前の製品が流れていた。自分の仕事の意味を理解しないで仕事をしていると、おうおうにしてこんなことが起きる。(星野仙一さんのテレビでの発言をヒントにした)

中国で起きたことはそんなにびっくりしない。変な信用をしないで、輸入側でもっとシビアな検査をすべきであったというくらいであろうか。

ギョウサを食べて服毒症状が出て、兵庫県の保健所が原因を突き止め、東京都から輸入元の会社のある品川区にファックスを転送したとき、手違いで肝心の毒物部分のファックスが一枚漏れてしまった。そのために、肝心の輸入元にその情報が間違って伝わり、商品の回収などの対策が取れずに半月後に新たな患者を出してしまった。

中国のことには驚かなかったが、全く同じように、自分の仕事の意味を理解しない人たちが日本の中に居たことにショックを感じた。食品に毒物が混入していたなどと言う、めったにないショッキングな事件に対して、多分事務連絡のためのマニュアル通りのファックスを送ってことを終えている。大事なことならファックスの内容の理解が出来たか、確認の電話を一本入れることが出来たはずである。おせっかいだと言われても、ことの重要性を理解すればそこまで念を入れるべきである。最近問題になっていた薬害問題でも、全く同じことが行われた、いや行われなかった。自分たちが国民の命を預かっているという自負が少しでもあれば出来たことである。
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賞味期限とフリーガン

(屑ミカンで作った生ジュースと絞り機)

裏の畑に温州ミカンの木が3本ある。自宅を建てた20数年前に植えたもので、無農薬、無肥料ながら毎年実をたくさん付ける。皮が厚くて見てくれは悪いが、品種物だから上品に甘い。摘果もしていないから、ゴルフボール大で食べるには少々細かすぎるミカンがたくさん残った。ほとんどは捨てられる屑ミカンなのだが、女房はそれも丁寧に収穫し、自分に手伝わせてジュースにした。

上下に真っ二つに切り、手作業の絞り機に入れて絞る。ぎゅっと絞り、角度を変えてもう一度絞る。絞った果汁をさらっと煮立てて、少々の砂糖で味を調え、ペットボトルに入れて冷蔵庫で冷やしておく。0.9リットル(五合)のペットボトルに3本出来た。飲んでみると、そのままでは濃すぎる。倍に薄めるくらいがちょうどいい。味は小さくても変らないから、美味しい生ジュースができた。

最近は「もったいない」という言葉が再び市民権を得て、こんな工夫も胸を張って発表できる。

もったいないといえば、昨年は賞味期限など食品偽装が世間を騒がせ、廃棄処分にされた食品が大量に出た。それらの食品が最終的にどのように処分されたのか知らないけれども、食品自体に毒性があるとか、細菌に汚染されているわけではなくて、メーカーが嘘をついていただけで、食品そのものは昨日まで平気で食べられていたものである。メーカーが糾弾されるのは当然だが、食品そのものには罪がない。それらの大量の食品が廃棄処分にされてしまうのはいかにももったいない。しかしそこに焦点を当てた報道にはお目にかかったことがない。環境が叫ばれ、飢えている人たちが世界にはたくさんいる。その中で、潔癖感だけで大量の食料が廃棄されてしまうのはいかにももったいない

そんな思いでいたところ、テレビに面白い映像が流れた。アメリカにフリーガンと呼ばれる人たちがいる。フーリガンといえば試合の後理由も無く暴れまくるサッカーのサポーターのことを呼ぶ。ここではそのフーリガンではなくてフリーガンである。

フリーガンは路上に捨てられている品物を拾って再利用する人々のことで、ホームレスや廃品回収業ではない。ちゃんとした職業に就き、自宅も持っている人たちなのだが、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を批判する立場から、廃棄物の回収・再利用を生活の一部に取り入れている人たちだという。特に賞味期限切れでゴミとして捨てられるものから食料を得ている。テレビでは記者がフリーガンの自宅に行き、賞味期限切れの拾ってきた食品で作った料理をこわごわ味見して、普通の家庭料理と何ら変らないと話していた。フリーガンの本人もそれらを食べて身体を壊したことは一度もないと語った。ニューヨーク市などにはフリーガンのコミュニティも存在しているという。

自分でフリーガンになりたいとは思わないが、賞味期限に神経を尖らせながら生活するような潔癖さが本当に正しいのかどうか、疑問に思う。賞味期限に頼らなくても、人間には腐ったもの、危険な食品は見分けられる能力があったはずと思うのだが。

今日のお昼、ようやく赤福の営業停止措置が解除されたとのニュースが流れた。

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今夜、中国産の冷凍餃子による中毒事件が飛び込んできた。書き込んだ話題を吹っ飛ばすような話題である。ただ、これは残留農薬の問題というよりも、何らかの事件もしくは事故の臭いがする。
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寺島実郎氏講演会(続き)

(咲き出した庭のサクラソウ)

安倍川の水が一部、完全に伏流水になって途絶えたというニュースを聞いた。あの安倍川の流れが絶えるなど初めて聞く。鮎などの溯上に影響がありそうだ。今日の雨で流れが戻っているだろうか。一方、春節の民族大移動に入っている中国では、時ならぬ大雪で民族大移動に滞りが生じ、浙江省杭州駅前には軍隊が出動して、列車待ちの帰省客のためにテント村が出現しているという。世界各地で気候変動がじわじわと起っている。

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(昨日の寺島実郎氏講演会続き)
世界経済に占める大中国圏(中国に、香港・台湾・シンガポールを加えた経済圏)の比重が年々大きくなって、日本の輸出入において、大中国圏がアメリカを越えてしまった。GDPも、ドイツを追い越し、4兆ドルとなって4.3兆ドルの日本を追い越し、世界第2位になることは時間の問題といわれている。また資源大国として、ロシアやオーストラリアの勢いも目覚しいものがあり、今やそれらの国々の人達にとって、日本の物価は比較的安くなり、買い物ツアーや観光客が日本に大挙して訪れる時代になってきた。

イギリスでは25年前のサッチャー改革以来、グローバル化により経済は成長を続けているが、発展は海外からお金が入ることによる成長で、技術革新とか物づくり面ではさんざんたるものである。10数社ある電力会社は1社を残してあとはすべて海外資本に握られ、自動車産業に至ってはすべて海外資本傘下に入っている。最近、老舗のジャガーがインドの資本に買収されるというニュースはショッキングであった。インドはもとイギリスの植民地であった国である。

小泉改革で日本はイギリスのサッチャー改革の後を追っていると言われてきたが、経済成長は果たせても実産業の部分で海外の資本に蚕食されて良いのか、考慮を要する点ではある。

企業物価指数を見ると、2000年を100とすると07年10月水準で、素材原料は199.5、中間財は115.7、最終財は92.3(うち耐久消費財79.1、非耐久消費財103.7)という極端なギャップを示している。

日本人が営々と蓄えてきた個人金融資産1500兆円が生かされていない。それらの資産は日本株を買うことにもなっておらず、低金利の預金等にあずけられているか、海外に円キャリーとして出ているかである。現在、日本株の60%は海外投資家が持っており、日本の株は割安と言われながら低迷している。もっと日本人の個人金融資産で日本株が買われても良いと思う。

これらの個人資産を都会と田舎の2地域居住の促進などによって個人消費へつなげるとか、金利を2ポイントぐらい上げて、その膨大な利息を個人消費につなげるとか、内需を上げる方策を取らなければ前述のギャップは埋まらず、日本の経済の閉塞状態に出口がないと考える。
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寺島実郎氏講演会

(寺島実郎氏講演会)

掛川のホテルで寺島実郎氏の講演会があって、午後出掛けた。演題は「平成20年の経済展望と国際情勢」である。寺島氏は三井物産入社後、物産一筋に実業の世界で過ごし、現在、三井物産戦略研究所所長を務める、経済評論家である。役人、学者、金融などの出身の経済評論家と違って、話の内容に共感できるところが多かった。たくさんの数字を駆使して様々な話がされたが、ここでは琴線に響いた点を拾って記す。

21世紀に入って7年経ち、この間に世界経済は実質成長率で平均3.5%とかつてない伸びを示し、世界貿易は実質伸び率で平均7%の伸びを示した。一方、世界株式市場時価総額は平均で14%と驚異的な伸びを示している。世界経済と世界貿易の伸びはブリックスなどと呼ばれる新興諸国の台頭で納得できる部分もあるが、世界株式市場時価総額の伸びは異常といえる。

その原因として、中東、ロシアのオイルマネーが1.8兆ドルに肥大化して流入し、マネーゲーム化が進行しているといわれる。しかし、忘れてならないのは、日本の超低金利による円キャリー資金(ジャパンファクター)が1.0兆ドルに上っていることである。その中に「ミセス・ワタナベ」と呼ばれている日本の女性たちのミニ円キャリーが馬鹿に出来ない額になっている。日本の預金利息は長期に渡って世界でも例を見ない低金利が続いている。何とか少しでも金利の高い海外へお金を投資しようとする女性たちが激増していると言うのである。

石油の高騰は中国などの新興国の需要が激増したからと言う理由がつくが、間違っている。中国は今でも主力エネルギーは石炭であるし、供給もロシアや北海油田などで十分増加している。高騰の主たる原因は投機的要素がほとんどである。ここでもマネーゲームが横行している。

石油の高騰は1999年に1928円/バーレルだったが、2007年には8826円/バーレルと実に4倍以上になっている。しかし、日本経済はオイルショック時のようなパニックになっていない。その理由は、
  第一に産業力によって為替を円高へシフトをしてきた。
        (73年271円/ドル、現在110円/ドル)
  第二にエネルギー効率の飛躍的改善をしてきた。
        (現在はアメリカの2倍、中国の9倍)
  第三にガソリン税を乗せてガソリンを高くしてあった。油の原価率が低くしてあった。
        (日本50.9%、アメリカ18.3%、ドイツ72.4%)
そのような努力の結果、石油の高騰にも日本経済はパニックにならずに耐えている。

(明日に続く)

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「ねんきん特別便」の議論

(今年も家の甘夏はここまで実っている)

今朝から地震が相次いでいる。震源地は静岡県西部、掛川市の北部、森町、春野その辺りの山岳地帯の地下20kmという。午前10時台に5回、午後3時台に2回、午後8時台に2回と、合わせて9回、体感する地震が起きている。最大で震度3が1回、震度2が5回、震度1が3回という。当地での震度の最大は2で、まだまだ驚くほどの地震ではないが、5時間置きに陣痛のように地震が起きているのが何とも不気味である。次の5時間後は夜中の1時台である。気象庁は来るべき東海地震との関連はないというが、どんなものだろう。女房は少し不安を感じているようだ。

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昨日の朝、息子との話はさらに続いて、「ねんきん特別便」の話題になった。社会保険庁の調査で、基礎年金番号に未統合の5千万件の年金記録があり、それに該当すると思われる人に「ねんきん特別便」を送った。その内容ははっきりしている加入履歴を添付し、漏れを書き込んで返送することを求めたものであった。それが社保庁側にある「浮いた記録」と合致すれば、記録が統合されることになる。実施した結果、対象者の多くの人が漏れはないと返答してきた。社保庁のもくろみは見事に外れてしまった。社保庁は再度、今度は漏れている可能性のある期間を示して、「ねんきん特別便」を再送すると発表した。

これって、社保庁は国民にクイズを出しているようなものではないか。確認作業であるならば、「浮いた記録」の内容を示して、本人確認をすべきであると話した。息子は、そんなことをすると該当しない人まで、自分の分だと答えてしまう。加入していない分まで払うことはあってはならない。自分がどこへ勤めていたかぐらいは個人の責任ではっきりすべきだ。

「浮いた記録」の内容を示しても、一般の人はほとんど正直に答えるはずだ。人の分まで自分の分というような人は居てもわずかなものだ。今、疑われているのは社保庁の方で、国民の側ではない。社保庁は大きな勘違いをしているのではないか。せめて「浮いた記録」の会社名くらい明示して確認しないと、何十年の間に職場とした会社名を漏れなく答えられる人が何人いるだろう。該当する人たちはおそらく複数の職場を転々とした人が多いだろうから余計である。これが自分の考えである。

しかし、息子とは考え方が平行線で終わった。今の若い人たちは個人の責任と言う点で厳しい。我々の時代と違って、個人がしっかりしていなければ、どうにかなってしまう、たいへん厳しい社会になってしまったと言うことなのだろう。

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夜の10時台に、さらに一回震度1の地震があった。
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EDINETの怪

(EDINETのホームページ)

朝起きてダイニングに入ると息子がいた。話すのは久しぶりで開口一番、EDINETの話をした。初めて聞くらしくて、すぐにケイタイでチェックし、そんなことがあったんだと確認する。

EDINETは金融庁の開いているホームページで、株を大量取得した場合にそこに公表する。投資家はそのページをかなり注目しているらしい。そこへ、金曜日の午後4時過ぎに川崎市のテラメントという会社が、ソニー、トヨタ、NTT、三菱重工など日本を代表する六つの会社の株式の51%を取得したという内容が書き込まれた。つまり、それらの会社の経営権を取得したというのである。株が安くなったとはいえ、それだけの株を取得するには20兆円という途方もないお金がいるわけで、ガセネタであることは明らかだった。

EDINETに情報を載せるには金融庁に申し込み、パスワードを取得すれば割合簡単に書き込めるらしい。しかもガセだと判っていても金融庁で勝手に消すわけにはいかないようだ。現在EDINETのホームページを見ると、そのトップに現在調査中である旨の注意書きが出ていた。

こんな簡単に書き込めてしまうのはそら恐ろしい。今回の場合は金曜日の取引後で相場に大きな影響を与えない時間帯であったことと、情報が余りにも途方もなくて誰もが真実とは思えない内容だったから、間違って相場が動くということはなかったと思う。実害はなかっただろうと思う一方、いったい誰が何の目的でやったことなのだろう。現在調査中のようだから、それを待つしかないが、勝手に推理してみよう。

誰かがEDINETへの書き込みが意外と簡単にでき、その内容は書く側の良識と善意に任されていると言うことに気付いた。そのシステムには大きな危険をはらんでいる。そのことを世の中に警鐘を鳴らそうと思った。そして最もセンセーショナルに訴える手段としてこんな方法を選んだ。そんな推理も成り立つと息子に話したら、サイバーテロに近い犯罪だと、息子は否定的だった。そうでなければ愉快犯であろうか。

実際にガセネタを出して特定株の値上がりを狙って稼ごうと考えるならば、もっと目立たないように書き込みするだろう。怪事件で今後の捜査に注目しよう。
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メタボ予防が始まる

(メタボ予防のパンフレット)

健康保険組合の理事会があって静岡に出かけた。今日は新年度を前に健保の料率などを決める理事会である。来年度から大きく変わるのは、メタボリックシンドロームの予防のために、健康診断と保健指導が加わることである。健保の負担も増える。

昨年秋に、健康診断が終わってから腹囲の測定が抜けていたと言われ、日を改めてヘソ回りを測られた。メタボに関連する測定だと想像は出来たが、中年のおじさんにとってはほとんど嫌がらせのような検診項目だと思った。

新しく始まる検診では、内臓脂肪の蓄積の状態を見るために、①腹囲の測定、②脂質検査、③肝機能検査、④代謝系検査、⑤尿・腎機能検査 の検査項目が始まるのだが、「腹囲の測定」以外は従来の健康診断でも行われていたから、検診項目としては新たに「腹囲の測定」が加わるだけである。対象は40歳から74歳までの、健保加入者及びその被扶養者である家族が対象になる。

次に検診の結果をもとに、保健指導の対象者を選ぶ。対象者は、
  1.腹囲が男性85センチメートル、女性90センチメートル以上の人
  2.BMIが25以上の人
        BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  3.血糖値、血中脂質、血圧で規定値を越える人、及び喫煙歴のある人

次に問題のある項目数にしたがって、保健指導が行われる。
  1.最も軽い場合は情報提供(パンフレット・講演会など)を行う。
  2.次の段階の場合は動機づけ支援(生活習慣改善を促す、原則1回の指導)を行う。
  3.最も問題がある場合は積極的支援(3ヶ月以上、複数回の指導)を行う。

さて、このような対策の実効性を確保するために、各健保に対しては年度毎に実施の目標値を設け、その未達成に対してはペナルティを課すというから、かなり本気でやるようだ。ただ、そこまでやると、プライバシーの問題にもなり、対象者の協力が得られるのか、被扶養者をどうするのか、など色々問題がある。メタボでいる自由だってあるのかもしれない。理事会でそんな会話も交わされた。
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「温泉文学論」を読んだよ!

(雲が北西から南東にせわしく動く- “日向ぼっこ書斎” より)

「楊貴子」さんから書き込みがあった。最近、「温泉文学論」という本を購入し、志賀直哉の「城の埼にて」が取り上げられているのを読み、このブログの書き込みで「城崎温泉 力餅」さんとのやり取りを思い出して書き込んでくれた。「楊貴子」さんと、「城崎温泉 力餅」さんとは、故郷の高校時代の同級生である。

さっそく昨日、浜松に出た際に「温泉文学論」を買ってきた。今日はお天気も回復して、外へ出るのは寒いけれど、日向ぼっこ書斎は暖かくて最高だった。早速、「温泉文学論」を読書に及んだが、薄いカーテンを引かないと暑いほどの日差しであった。折りしも北国では吹雪に荒れた一日で、テレビでは台風並みの風に風力発電の風車が壊れたと報道していた。

色々な日帰り温泉に入るのを趣味にして、すでに40湯を数える。もちろん同じところへは何度行っても一湯にしか数えない。地域的には静岡県が主で、愛知県と山梨県が続く。静岡県で最も温泉が集中しているのは伊豆であるが、車で行ってもけっこう時間が掛かるから、伊豆にはまだ一湯を記しただけである。

「城崎温泉 力餅」さんは温泉の真ん中に住んでいるようなもの。城崎温泉は外湯巡りが名物で、町内各所に銭湯のような温泉施設が点在している。「温泉文学論」から拾うと「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「地蔵湯」「鴻の湯」「柳湯」「さとの湯」と7湯ある。子供の頃は別にして、最近では駅前の「さとの湯」だけは入った。ところで、昔から外湯は7湯だったのだろうか。駅前の「さとの湯」は無かったように思うが。話は変わるが、「楊貴子」さんの住む大阪近辺にも日帰り温泉はたくさんあるのだろうか。今日のような寒い日に温泉に行って来ようと出かけると、どの辺りに行くことになるのだろう。

昔「城の崎にて」を読んで、志賀直哉が城崎温泉に来た理由が怪我の傷を癒すためだったことは知っていたが、こともあろうに山手線に跳ねられた怪我だったことは初めて知った。山手線に跳ねられて怪我で済むなんて夢のような話ではないか。

温泉にたびたび行くようになって、著者のように文学論を展開するつもりはなかったが、文学に出てくる温泉入浴の描写を少し集めてみようかと思っていた。温泉の描写で思い浮かぶのは、「坊ちゃん」の泳ぐシーン。翌日「温泉で泳いではいかんぞなもし」と書かれる。「伊豆の踊子」で、対岸の温泉から裸でいることを忘れてこちらに手を振る踊り子。「草枕」で浴場の湯気の中で幻のように浮かぶ女の姿など。読み直したわけではないから、正確ではないかも知れないが、自分の脳裡にはそんなイメージが残っている。

気が付いたら、「温泉文学論」の新書本を持ったまま、日向ぼっこ書斎で午睡の中にいた。
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半年ぶりの福岡正行氏講演会

(福岡正行氏)

今朝は東京は雪らしい。静岡は冷たい雨が夕方まで続いた。

午後、S銀行の新春講演会にS氏を誘って浜松まで出かけた。講師の白鴎大学教授、福岡正行氏の講演は半年前に聴いている。あの講演会では参議院選挙間近で、自民党が大敗して参議院での与野党逆転が起きることと、政権交代にはならないものの、安倍内閣は終るであろうことを言い当てた。ただし、後任内閣は麻生太郎総理になるという予測は外れた。政局も経済も大きく動いている現在、どんな見解を持っているのか聞いてみたくて出かけた。

この半年の間に、福岡氏は大腸ガンが見付かり手術を受けるという大病で2ヶ月ほど入院していたという。安倍氏から福田氏への政権交代のときは入院中であったようだ。

都会と地方の格差、無為に高給を貪る役人、“ハゲタカ” が狙う日本企業、霞ヶ関の言いなりの官邸、ねじれ状態で混迷する国会、世界経済はサブプライム問題に続いてモノライン問題が新たな火種になっている。問題だらけのなかで、今後の政局はどうなるのか。

半年前ほど歯切れは良くなかった。3月末、ガソリンの暫定課税の日切れ回避と来年度の予算を通過させた後、政局は一気に動く。参議院での内閣不信任案の可決、解散に打って出たい福田首相と、自民党は負ける総選挙は戦えないから福田降ろしの総裁選で乗り切る。大連立の動きは総選挙の結果次第で動く。負けた党が割れる。色々なシナリオは描けるが、福岡氏も方向性を量りかねているようだ。

大病をした結果、福岡氏の姿勢は変わったようだ。評論家に徹してきたが、これからは国の行く末を見つめ、もっと発言をして行こう。かくあるべきと主張をしていくことにしたと言う。

これから、次の五項目をことあるごとに発言しようと思っている。

 1.トップを変えれば日本が変わる。
 2.リッター25円のガソリンの暫定課税廃止、財源は公務員の20%削減。
 3.消費税は10%、ただし食料は0%。年金福祉特別税とし、年金を国庫負担とする。
 4.政権をどの党が取っても当分年金大臣として「長妻昭」を据える。
 5.選挙は怒りの一票を投じてほしい。「憲政の神様」といわれた尾崎咢堂は「一票が国を変える」と言った。

詳しい説明無しにこの五項目を挙げた。今後の彼の発言に注目してみようと思う。

※ 長妻昭 日本電気の営業マン、日経ビジネス記者を経て、民主党衆議院議員、年金記録問題で、一年以上にわたって政府・社会保険庁を追及しつづけ、所謂「宙に浮いた年金」「消えた年金」の存在を明らかにした。
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羽根温泉、楽の湯おかざき

(羽根温泉 楽の湯おかざき)

今朝は周りの山々がうっすらと白かった。昨夜の雨が山では雪になったようだ。この冬初めて車のフロントガラスが凍りついた。もっとも出勤する頃には、それも融けた。

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(昨日の続き)
大樹寺のあとは一目散に温泉に向かった。もう3時を回っていた。選んだ温泉は「羽根温泉 楽の湯おかざき」で、出来てまだ一年の新しい温泉であった。何ヶ所かに分かれた駐車場もほぼ一杯で、混みあっていた。入湯料は700円、内風呂が幾つにも仕切られていて、シェイプアップバス、指圧風呂、電気風呂、サウナなど色々と揃っている。少し嫌な予感がする。スーパー銭湯に多いバリエーションだからだ。温まってから頭や身体を丁寧に洗った。

露天風呂も幾つかに分かれている。四阿(あずまや)風の屋根が付いた丸い湯舟が妙に混んでいる。当然そこを避けて入る。空は曇っているが雨はまだ降っていない。岩から滝になって落ちる湯口のそばで、冷気に頭だけすっきりして、実に気持が良い。

昼抜きで来たから、ここでうどんを食べて出た。外は夕闇が迫っていた。帰りも下の道を帰った。7時半ごろに家に着いたが、女房と息子が待っていた。携帯に何度電話しても出ないし、遅くなるなら連絡をくれという。もっともな言い分で一言もない。携帯はマナーモードだし、連絡しようと思ったが、運転に駆られて途中からは忘れてしまった。

寄せ鍋の夕食後、もらってきたパンフレットを見た。しっかり読んでみるとほとんどスーパー銭湯だった。一応「大庭園露天風呂」に「ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉(低張性・アルカリ性)で濃度を一定に保った人工温泉」と書かれていた。露天の四阿風の屋根下の湯舟だけは「炭酸温泉」とあり「自慢の癒(ゆ)」とあった。混んでいるわけであった。肝心な湯舟に入っていなかった。だからと言うわけではないが、今日の温泉は身体に何となくぽかぽか感がない。布団に入ってからも、いつまでも大腿部辺りの冷えが抜けずに、寝られないで転々とした。出掛けの不安が的中したように、何かちぐはぐな一日であった。不満は残るが、40湯目の日帰り温泉としておこう。
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