ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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韓国駆逐艦レーダー照射問題~軍事専門家の見方

2019-01-18 13:42:23 | 国際関係
 韓国駆逐艦レーダー照射問題は、日韓の話し合いで平行線が続いています。素人でも、日本側には非がなく、韓国側は自らの非を認めようとしていないことが明らかにわかります。
 1月14日シンガポールで行われた日韓実務者協議で、日本側は証拠となるレーダー情報の交換を提起しましたが、韓国側はこれに応じず、協議は平行線に終わったとのことです。韓国国防省報道官は15日の記者会見で、日本の提案について「受け入れ困難で非常に無礼な要求」などと批判しました。
 これに対し、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は、17日の記者会見で、韓国側がレーダー情報の相互開示を求めた日本を「無礼」としたことについて、「主権国家であるわが国に対し、責任ある韓国の人間が『無礼』などと言ったことは極めて不適切であり遺憾だ」と述べ、「われわれの要求はまったく合理的なもので、韓国の非難は当たらない」と主張しました。また、「われわれは(レーダー照射の)確固たる証拠を持っている。韓国側は真摯(しんし)に受け止め、事実を認めて再発防止に努めてほしい」と強調しました。
https://www.sankei.com/politics/news/190117/plt1901170017-n1.html

 このレーダー照射問題について、我が国の軍事の専門家は、これまで次のような見解を述べています。

●香田洋二元海将
 「韓国側が公開した映像はへ理屈に満ちていて、説得力のある材料は何一つ無かった。映像は、韓国側の人道的な活動を海上自衛隊のP-1哨戒機が妨害したという趣旨の主張を繰り返しているが、これは論点のすり替えだ。韓国側は『火器管制レーダー』の照射等を一切否定しているが、それを証明する客観的な証拠は何も示していない。
 韓国側は、P-1の低空飛行や通信環境が微弱だったこと等を主張している。これも後付けの屁理屈だという印象が強い。そもそも、もし本当にその様な危険な状態なら、駆逐艦からP-1に対し『飛行の意図』を確認する呼びかけがあってしかるべきだ。軍隊としての基本動作が全く出来ていない事を、韓国は自ら吐露している。
 映像は客観性を著しく欠いていて、公開の目的が判然としない。ゲスの勘ぐりかもしれないが、最近の慰安婦問題や所謂『徴用工』問題等も相俟って、日本の悪い印象を世界に発信したかっただけではないか。ともあれ、私の様な軍事関係者にとって目を見張る情報は何もなかった」。
(産経ニュース:2019/01/04 18:32 JSTより)

●織田邦男元空将
 「韓国側の反論映像を見たが、全くつまらない代物だった。まず韓国側の映像で海自P-1が米粒の様に映っているが、私の経験上、高度は1,000~2,000ftの間だろう。航空法では艦艇と500ftの距離を保っていれば、何の問題も無い。韓国側は防衛省が公開した資料も使い、駆逐艦とP-1の距離の近さを強調しているが、これも1,000ftは離れている。脅威でもなんでもない。
韓国は駆逐艦の直上をP-1が低空飛行したと主張しているが、これも在り得ない。P-1は写真や映像を撮るために、駆逐艦の周囲を旋回飛行していた。直上を通過する様な飛行では写真や映像は撮れない。
韓国側の映像は、P-1が国際法に則り、極めて常識的な哨戒任務に当たっていた事を裏付けている。これは諸外国の軍事関係者にも容易に分かる筈だ。韓国側は寧ろ墓穴を掘った。韓国がこれ以上の強弁を重ねるのなら、照射されたFC(火器管制)レーダーの周波数の公開も検討すべきだ。《秘》を明かされて困るのは韓国側だ」
(産経ニュース:2019/01/04 18:32 JSTより)

●軍事アナリストの小川和久氏
 「火器管制レーダーの照射は艦長の指示、承認がなければできないので、駆逐艦の艦長は強い反日感情を抱いている人物か、艦長として不適格な愚か者だろう。日本政府としては、動かぬ証拠を突きつける中で艦長の処罰を要求し、それ以上の対応、例えば国防部長の更迭などは要求しない方が望ましい。そして、文在寅政権が人気とり的に煽っている反日感情を沈静化させるよう、外交カードとして活用すべきだろう」
(FBポスト、2018.12.28より)
 「日本側としては、1)排他的経済水域を哨戒していたP-1哨戒機の側に何ら落ち度はないことを明確にし、2)P-1が接近した意図について無線で問い合わせなかったという初歩的ミス、3)韓国側が主張するように光学装置(望遠鏡)を使う目的だったにせよ、火器管制レーダーのアンテナをP-1に向けた国際常識の欠如、4)P-1からの複数の周波数を使っての呼びかけに応答しなかった非常識さ、を指摘しなければならない。
 特に2)3)については、韓国海軍の参謀総長が「激励」名目で訪問した第1艦隊司令部で事実上の「叱責」をしており、韓国側も自覚している。
 しかし、問題の指摘についてはプライドを傷つけないところから始めるのが、高度な外交のテクニックだ。相手の立場に理解を示しつつ、「お互いに、こういうことがないようにしょうね」という形で着地するのが望ましい。
 韓国が相手の場合、気をつけなければならないのは、日本側が決着したと思っていた問題についても、いきなり後ろから斬りつけてくるようなメンタリティがあるという点だ。
 仮に「お互いに気をつけよう」という形の決着であっても、韓国海軍の参謀総長が厳しく部隊に申し渡した、国際法の厳守、友好国の航空機や艦艇への対処、国防省が取りかかるとしている「マニュアルの作成」に言及した文書を取り交わし、公表すべきだろう。
 事務レベル協議を通じて日本側が確認すべきは、駆逐艦「広開土大王」の対水上レーダーがAN/SPS-55であり、火器管制レーダーとは別に恒常的にXバンドを出していた可能性だ。それが確認された場合、日本側としても友好国・韓国の艦艇についての情報の在り方について、整理すべきだろう」
(FBポスト、2019.1.14より)

 ところで、野党第一党の立憲民主党は、本件に関して、日本の政党として完全に失格であることをあらためて露呈しました。百田尚樹氏はツイートで次のように書いています。

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百田尚樹‏ @hyakutanaoki ·6時間前

 立憲民主党が韓国のレーダー照射に対して、何の抗議も非難もしないということで、彼らの本質が明らかになった。立憲民主党は日本人の皮をかぶった韓国の政党である。
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 「立憲」民主党というより、「立韓」民主党でしょうか。このような政党が国会で相当数の議席を保持している状態が変わらなければ、わが国は、独立主権国家として毅然たる外交ができません。

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