ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

激動する世界を生き抜くため、日本再建を急げ4

2020-03-15 11:57:23 | 時事
●ウクライナの二の舞になるな

 ナザレンコ・アンドリーという青年がいる。ウクライナ生まれで24歳である。
 ウクライナは、旧ソ連の一部だった国で、ロシアの西側にある。2014年(平成26年)3月、ロシアはウクライナの領土であるクリミアに侵攻して一方的に併合した。この年夏、アンドリー氏は、日本の大学に留学するために来日した。その直後、アンドリー氏の故郷であるウクライナ北東部の都市、ハリコフの行政機関が親ロシア派のテロ組織の手に落ちた。アンドリー氏は、そのニュースを聴いて、衝撃を受けた。その後、ハリコフはウクライナが奪還したが、ウクライナの国内では、戦闘が続いて、多くの犠牲者が出ている。
 アンドリー氏は、昨年5月3日、櫻井よしこ氏らによる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」等が主催する「公開憲法フォーラム」で、意見を発表した。
 「(日本に来て)改憲に反対している方々の主張は、ウクライナが犯した過ちと非常に似ているので、強い危機感を覚えました。簡単に言えば、自称『平和主義者』は何と言っていますかというと、それは『軍隊を無くして隣国にとって脅威にならなければ攻められないと。どんな争いでも平和を訴え、話し合いさえすれば解決できると。そして集団的自衛権を認めたら他国の争いに巻き込まれるから危険だと』(言っている)」
 だが、「1991年にソ連から独立した時にウクライナには沢山の核兵器と100万人の軍隊がありました。しかし、維持費がかかるし、隣国に警戒されてしまうし、危険なのでウクライナは全ての核兵器を譲りました。代わりに『ブダペスト協定書』という国際条約を結び自国の防衛を他国に委ねてしまいました。そして、100万人の軍隊を20万人に。つまり、5分の1まで軍縮しました。しかも、大国の対立に巻き込まれないようにNATOのような軍事同盟にも一切加盟しませんでした。
 日本共産党の考える平和主義は、まさにこれではないでしょうか。こんな政策は素晴らしいと考えている方を是非、今、ウクライナの前線に連れて行きたいです。戦禍で燃え尽きた村の廃墟、ミサイルが落ちている中で学校の地下に隠れている子供、20歳までさえ生きられなかった戦没者のお墓を見せて聞きたいです。『あなたが望んでいる日本の未来はこれなのか? 戦争は言葉によって止められるものなら、その言葉を教えてくださいよ。安全な日本にいる時だけでは戦争のことばかり話しているのに、どうして実際の戦地に一度も平和の精神とやらを伝えに行ったことが無いのですか?』  そう聞きたいです」
 「憲法改正されていない状況を隣国はどう受け止めるのでしょうか。『日本人って武力を持って攻撃したら、いつまでも押し付けられたルールに大人しく従うんだ。日本の領土を奪っても国民を拉致してもミサイルを飛ばしても国際条約を破っても何度も領土侵犯しても全く動こうとしないんだと。日本の国会に決断力がなくて、どんなに危機に直面しても行動を取らずに中身の薄い議論を続けるばかりなんだと』
 こういうふうに思われてしまうことこそは、戦争を招かざる得ない事態だと私は思います」
 「実はウクライナ人だって2014年まで皆そういうふうに考えてきた訳なんです。しかし、今、平和ボケしてた時期を振り返ってみると、戦争が一切起こらないと考えさせることも、敵の戦術の一つだったと私は分かりました」
 この戦術は、スイス『民間防衛』では、第4段階に当たる。日本は、それ以上の第6段階が進みつつある。
 アンドリー氏は、「日本はウクライナの二の舞になるな、憲法を改正して日本を守れ」と訴えている。ユーチューブに録画がアップされているので、お勧めする。

●結びに~憲法改正で日本の再建を

 憲法改正に関することとしては、昨年7月に参議院議員選挙があった。結果は与党が過半数を維持したものの、残念ながら憲法改正に必要な、いわゆる改憲勢力は3分の2以上の議席を割ってしまった。参院は3年ごとに半数が改選だから、この状態のままでは、次の令和4年(2022年)7月の参院選で3分の2以上を確保するまで憲法改正はできない。
 だが、この間、憲法改正への取り組みが止まってしまったら、ますますわが国は国際情勢に対応できなくなる。残り2年4カ月ほどの間に、日本人は真剣に、国家と国防のあり方を考え、できるだけ早く憲法改正ができるように進めていかねばならない。
国会では憲法に関する議論の場である衆参の憲法審査会が、この2年、機能不全に陥っている。改憲の手続きを定めた国民投票法改正案は立憲民主党など野党の遅滞戦術により採決が見送られ、5国会連続で継続審議となっている。国民は国会での憲法審議を要求し、憲法改正を目指す動きが進むように求めていく必要がある。
 本年1月20日通常国会冒頭で、安倍首相が令和初の施政方針演説を行った。その中で、首相は衆参憲法審査会で具体的な憲法改正案を示すことが「国会議員の責任」だとし、「歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場でともに責任を果たしていこう」と与野党議員に呼びかけた。
 安倍首相は「自らの手で改憲を成し遂げる」と明言しているが、安倍氏の自民党総裁の任期は来年9月末までである。任期中に憲法改正を成し遂げるのは、今国会で国民投票法改正案の成立、改憲原案の国会提出までこぎつける必要がある。衆参両院で3分の2以上の賛成を得て今秋召集の臨時国会で発議し、5~6カ月間程度の周知期間を経て国民投票を行うという日程になる。これは、非常に厳しいスケジュールなので、自民党には、総裁4選を可能性にしようという動きがある。それを可能にするには自民党規約の改正が必要である。
 わが国は、戦後、戦勝国から憲法を押しつけられ、国防に規制がかかられ、自国の存立を他国に委ねさせられている。国民には、国家への忠誠や国防の義務がない。自衛隊は法律上の機関で、憲法に確かな根拠を定められていない。そのため、日本は独立主権国家としての要件を欠き、日本人には自ら国を守る意思が失われている。
 冒頭に述べたように、新型コロナウイスに対しても、緊急事態条項がないため、他国のように緊急事態宣言を出すことが出来ず、後手後手に回った。1990年以降、つくられた104の国の憲法のすべてに緊急事態条項がある。ネパールやトルコは、そこに感染症への対応も定めている。日本の憲法は、個人の権利を重んじるあまり、公益のために個人の権利を一時的に制限することができない。緊急事態の時には国民全体の利益を優先して、不測の事態に対応できるように憲法に定めるべきである。
 新型コロナウイルスは、コウモリのコロナウイルスが自然に変異したものではないと、世界の多くの感染症・遺伝子等の専門家が指摘している。ロシア政府の衛生部長は、新型コロナウイルスは中国が人工的に造ったものだと発表した。つまり中国が生物兵器として開発したウイルスが管理ミスで漏れ出てしまった。いわば自爆事故だと見られる。新型コロナウイルスは、武漢人工ウイルスと呼ぶべきものである。わが国は憲法の規制により国防力が弱く、中国の軍事力を恐れて、このことを非難できない。逆に親中派の政治家は、国民の健康と生命より中国のご機嫌取りが大事になっている。わが国は中国の精神的な属国状態である。これも憲法で国防を規制され、緊急事態条項もないことによっている。
 日本の安全と繁栄のためには、この欠陥だらけの憲法を改正して、国のあり方を根本から立て直すことがどうしても必要である。激動する世界を生き抜くために、憲法の改正を急ぎ、日本の再建を急がなくてはならない。(了)

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