ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

激動する世界を生き抜くため、日本再建を急げ3

2020-03-13 09:40:17 | 時事
●スイスに学ぶ国防のあり方

 わが国の国防のあり方を考えるには、スイスが参考になる。スイスと言えば、アルプスのハイジ、美しい自然と平和を愛する人々というイメージを持っている人が多いだろう。スイスは、平和愛好国・永世中立国として有名である。だが、スイスは、国民皆兵であり、国防は、国民の義務となっている。スイスでは、若者も老人も、男性も女性も、侵略や災害などに対し、不断の備えを怠らない。平時から戦時に備えて2年分位の食糧・燃料等の必要物資を蓄え、国民の95%を収容できる核シェルターをつくるなどして、常に体制を整えている。
 スイス政府は、『民間防衛』という本を作って全国の家庭に1冊ずつ配っている。戦争のみならず自然災害などあらゆる危険に備えるためのサバイバル教本である。日本語版が出ており、阪神淡路大震災の後にベストセラーになった。
 この本は、戦争について、核兵器、毒ガス、細菌兵器が使用された場合、占領下のレジスタンスの場合など、さまざまな状況を想定している。そして、国民は何をなすべきかを具体的に示している。特に注目すべきは「心理的防衛」がいかに重要かが、強調されていることである。私は、わが国の国防を考える際、この点が今日最も大切と考える。
 『民間防衛』の序文に、次のように記されている。
 「…戦争は武器だけで行われるものではなくなりました。戦争は心理的なものになりました。作戦実施のずっと以前から行われる陰険で周到な宣伝は、国民の抵抗意志をくじくことができます。精神ー心がくじけたときに、腕力があったとて何の役に立つでしょうか…」
 同書は「心理的な国土防衛」という項目でも、繰り返し次のように述べている。
 「軍事作戦を開始するずっと前の平和な時代から、敵は、あらゆる手段を使ってわれわれの抵抗力を弱める努力をするであろう。敵の使う手段としては、陰険巧妙な宣伝でわれわれの心の中に疑惑を植え付ける、われわれの分裂を図る、彼等のイデオロギーでわれわれの心をとらえようとする、などがある…」
 『民間防衛』は端的に、「国防とはまず精神の問題である」と説いている。自ら国を守ろうという気概が、国防の根本である。そしてその気概のあるところ、外国のさまざまな働きかけに対する「心理的防衛」が自覚される。
 ところが我が国では、憲法の前文に、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれている。この憲法の下で、自ら国を守るという気概が薄れ、「心理的防衛」という意識が低下している。今日では外交・報道・教育などあらゆる面で、外国の対日宣伝に対し、ほとんど無防備に近い状態となっている。
 『民間防衛』には、外国による侵略はどのように行われるかが書かれている。次の6段階を踏んで行われるとする。

 第1段階 工作員を送り込み、政府上層部の掌握、洗脳
 第2段階 宣伝、メディアの掌握、大衆の扇動、無意識の誘導
 第3段階 教育の掌握、国家意識の破壊
 第4段階 抵抗意志の破壊、平和や人類愛をプロパガンダとして利用
 第5段階 教育や宣伝メディアなどを利用し自分で考える力を奪う 
 第6段階 国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量植民

 日本の現状はどうか。第4段階まで既に完了していると言わざるを得ない。さらに、森友・加計問題、「桜を見る会」の問題等を通じて、第5段階が猛然と進行中である。野党多数や偏向したマスメディアによって、国民の多くは、意識を操作され、自分で考える力を失っている。
 その中で、最後の第6段階が、見えない形で進行している。国民が中国の進出に対して、無抵抗になっているところへ、中国人の移民が増加している。昨年話した外国人材受け入れ拡大は、それを加速している。北海道での土地取得は、中国人を移住させて、北海道の人口の半分以上にし、それによって北海道を領有するための動きと見られる。なぜ北海道が新型コロナウイルスの感染者が一番多くなっているのか。冬の観光シーズンで中国人観光客が多数入っていることが指摘されるが、北海道には労働者、行方不明者等の中国人が多く入って定住していることが要因だろう。
 中国は孫子の兵法で、戦わずに勝つことを上策とする。宣伝・謀略を用いて、相手に戦う意志をなくし、自分で考える力をなくし、無抵抗にしてしまって国を奪う。その計画が、じわじわと進んでいると見てよい。
 ただし、中国がどこかの段階で、隙を見て、武力を用いて侵攻する可能性もある。武力侵攻の場合については、ウクライナの例が参考になる。

 次回に続く。

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