ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

安重根は犯罪者であり、「英雄」ではない6

2013-12-24 08:44:46 | 歴史
●伊藤暗殺で日韓併合は促進された

 韓国人・安重根が日本の最高実力者、伊藤博文を殺した。事件の衝撃は大きかった。韓国の指導層は、武力による報復を恐れた。韓国は、シナやロシアなど周辺の大国に従属しようとする事大主義的な傾向が強い。この際、日本に合併した方がよいという運動が起こった。李完用首相や日韓同祖論を説く韓国人・日本人等が日韓併合論を作り上げ、日本の天皇と韓国の皇帝の両帝合意の形の併合案が浮上した。
 李氏朝鮮時代、全権大使としてアメリカに渡った李成玉は、朝鮮人は米国人に軽蔑されているインディアンやメキシコ、インドなどの民族より劣っていることを知り、衝撃を受けた。そして、「李完用侯の心事と日韓和合」に、次のように書いている。
 「現在の朝鮮民族の力量をもってすれば、とても独立国家としての体面をもつことはできない。亡国は必死である。亡国を救う道は併合しかない。そして併合相手は日本しかない。欧米人は朝鮮人を犬か豚のように思っているが、日本は違う。日本は日本流の道徳を振り回して小言を言うのは気に入らないが、これは朝鮮人を同類視しているからである。そして、日本人は朝鮮人を導き、世界人類の文明に参加させてくれる唯一の適任者である。それ以外に我が朝鮮民族が豚の境涯から脱して、人間としての幸福が受けられる道はない。日韓併合が問題になるのは、変な話だ。我輩の併合観は欧米人の朝鮮人観を基に考察したのだ」と。
 当時、韓国では一進会という政治団体が活動していた。指導者の李容九は、民衆宗教・東学の信徒で、一進会は東学組織を再建したものだった。李容九は日露戦争を「ロシアによって代表される西洋勢力が、全アジアを侵略する重大な戦争」とみなした。「ロシアの東漸を、韓日同盟をもって防ぎ、アジアの復興のなかに、韓国が発展する道がある」と信じ、日本への積極的協力を行った。そして、韓日合邦を求める百万人の署名運動を展開した。一進会は、上奏文と請願書を、李完用総理、皇帝純宗、曾禰荒助統監に提出した。李容九は今日の韓国では売国奴とされているが、当時の韓国にはその主張に賛同する者が多くいた。併合を求める世論があったのである。
 日本政府は、武力で併合を進めたのではない。極めて慎重な姿勢を取り、列国の意見を十分聴取した。アメリカ、イギリスは東アジアの安定のために日韓併合は必要と賛成した。米英のジャーナリズムも大部分が支持を表した。シナ(清)、ロシア、フランス、ドイツ、イタリア等の意見も聴き、一国も反対が無いことを確認したうえで、併合に踏み切った。併合は、武力による侵略ではなく、両国の政府の合意により、諸外国の賛同を得て、合法的な条約の締結をもって成立した。比較されるべきものは、イギリスにおけるイングランドとスコットランドの合併である。
 併合によって韓国は、朝鮮となった。1910年、韓国併合と同時に発せられた明治天皇の詔書は、李王家の王族を日本の皇族と同等に処遇するとした。戦前日本皇室と韓国王室は友好的な関係を結んでいた。純宗の息子・李垠には、梨本宮方子女王殿下が嫁いだ。方子妃は、日本と朝鮮が一体となる日鮮融和の象徴と敬われた。方子妃は、日韓の懸け橋に努めた。平成元年(1989)に逝去した際、葬儀は韓国皇太子妃の準国葬として執り行われ、わが国から三笠宮崇仁親王殿下夫妻が参列した。今になって、歴史を何もかも否定しようとするのは、無理がある。

 次回に続く。