ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

日本精神を復興し、日本人の団結で、東京オリンピックを成功させよう1

2013-12-08 08:43:58 | 日本精神
 11月は東京都港区、国立市等で講話をした。その際に話したことの一部の要旨を掲載する。

●日本人が大切にしてきた生き方

 人は幸福を求めて生きている。幸福とは、「心が満ち足りていること。またそのさま。しあわせ」(広辞苑)を意味する。幸せとは、さいわい、めぐりあわせを意味し、運がよく、恵まれていることをいう。
 幸せというと、あなたは何を思い浮かべるだろうか。健康、明るい家庭、感謝と喜びのある生活、仕事の充実、天分の発揮、人格の向上、将来の安心等が挙げられるだろう。しかし、人はなかなか幸せを得られない。そこに人生の悩み苦しみがある。宇宙にはすべてのものを貫く法則がある。人間はその法則のもとにこの世に生まれ、またその法則によって生かされている。それゆえ、真の幸福を得るには、宇宙の根本法則に沿った生き方を志すことである。それによって、人は健康で、喜びに満ち、発展のある人生を送られる。こうした生き方をするには、日本人が大切にしてきた大調和の生き方を心がける必要がある。
 日本人は、昔から和の精神を大切にしてきた。人と人が調和し、人と自然が調和して生きる生き方である。この日本人が先祖代々受け継いできた精神が、日本精神である。日本精神は、単に日本の伝統的な精神ではない。日本精神は、自然の法則が人間生活のうえに表われたものである。それゆえ、日本精神に基づく生き方をすることが、おのずと宇宙の根本法則に沿った生き方につながっていく。

●日本精神を失いつつある日本

 では、日本の現状はどうか。残念ながら、現代の日本人は、この大切な日本精神を見失っている。そのため、わが国には数々の問題が生じている。家庭、社会、学校、地域、国家、どこを見ても、深刻な問題が生じている。政治、経済、外交、国防等、あらゆる分野に及んでいる。そのうち、家族の問題に絞って述べる。家庭は社会の基礎、社会の縮図だからである。
 わが国は、結婚する平均年齢が上がる晩婚化また結婚しない人が増える非婚化によって、女性の出生数が減っている。子どもの数が少なくなることで、人口減少が起こっている。その逆に医療の発達等で高齢者が増え、少子高齢化が進んでいる。
 本年3月末時点で、65歳以上が3186万人となり、初めて3000万人を突破し、4人に1人という割合となった。平成47年には3人に1人の割合となると予想されている。
 長生きが幸せにつながっていればいいのだが、病院通いが日課となり、薬漬けになっている高齢者が多い。また高齢化による問題が多く生じている。高齢者を狙った振り込め詐欺等の特殊詐欺が増加し、振り込め詐欺だけで今年9月末で被害総額が337億円に上っている。その一方、高齢者の万引き等の犯罪が増えている。その犯罪は生活困窮・孤独によるという。そこに浮かび上がってくるのは、家族関係の希薄化、家族が本来持っていた働きの低下である。
 わが国では家庭のあり方に大きな問題を抱えている家族が増え、10年ほど前から機能不全家族という言葉が使われている。家庭内に対立や不法行為、身体的・性的・心理的な虐待、ネグレクト(親からの見捨てられ行為)等が常に存在する家庭を指す。子育て、団欒、地域との関わりといった、一般的に家庭に存在すべきとされる機能が、健全に機能していない家族である。機能不全家族の中で育った子供は、健全な人間関係を築くことができなくなってしまう。同じような家庭を作ったり、社会に適応できなくなりする傾向がある。
 家庭における若者に目を向けると、ニートや引きこもりの問題がある。ニート(NEET)とは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない者。厚労省は若年無業者と呼び、平成22年で60万人いるという。引きこもりは、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」という。内閣府の調査では15~39歳で70万人いると推計されている。引きこもりが長期化したり、社会に出た後に引きこもりになったりするケースがあり、30~40代の年齢層が増大している。親も老年期に入っているなどの理由から、家族が行き詰まってしまう場合が多い。
 ほかにも、家族の孤族化、シルバー離婚等、様々な問題があり、日本の家族は危機にある。ここで家族の大切さに気づき、家族の絆を確かなものにしなければならない。
 ところが、わが国では逆に、家族を崩壊させるような危険な動きが強まっている。夫婦別姓を法制化しようとする動きが、執拗に続けられている。選択的ということで、働く女性の便宜を図るという点はあるが、もともと別姓を唱える者は、結婚制度の否定と性の自由化をめざしている。また、離婚における破綻主義の明確化が企図されている。夫婦関係が事実上破綻している場合、理由のいかんに関わらず、5年以上の別居で離婚を認めるようというものである。また、摘出子・非嫡出子の相続の均分化を求める動きがあり、9月に婚外子の均等相続に係る最高裁の判決が出されたため、民法の改正が進められようとしている。(註 講話後に改正民法が成立)
 これらの動きはみな個人主義を徹底するもので、これらが実現すれば、家族の崩壊が加速されるだろう。それがさらに社会・国家の混迷を深めることになる。

 次回に続く。