ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

天皇誕生日を奉祝する

2007-12-23 23:00:20 | 皇室
 天皇陛下は、本日74歳の誕生日を迎えられた。陛下は平成15年に前立腺がんの摘出手術を受けられた。以後も健康維持に努められ、ご公務に精励されていることに深く敬意を表し、ご聖寿の万歳を祈念申し上げたい。
 宮内庁によると、本年陛下が国事行為に関する書類に署名、捺印されたのは1051件にのぼる。また、公務ご訪問の地は、10道府県、26市町村にわたる。こうした激務の中で、陛下は常に国民の生活に心を寄せておられる。このたびの天皇誕生日に先立つ記者会見でも、食品偽装や年金問題に触れ、「生活の基本である食と住に関して国民に不安をもたらすような事情が明らかになったことは残念」とこの一年を振り返り、年金問題について「一生懸命まじめに働いてきた人々が、高齢になって不安を持つことがないように、解決に向かっていくことを願っています」と述べられた。

 こうしたお言葉は、今上陛下の個人的なご性格に由来するものではない。わが日本皇室の長い伝統に根ざした御心の表れである。陛下のお名前は、明仁と申される。お名前につけられている「仁」という文字は、明治天皇の睦仁、大正天皇の嘉仁、昭和天皇の裕仁、皇太子殿下の徳仁、秋篠宮様の文仁、秋篠宮家ご長男の悠仁というように、皇族男子の方々のお名前についている文字だ得る。これは平安時代からの伝統だという。このことは、皇室が「仁」ということを非常に大切にされていることを表わしている。
 「仁」は、いつくしみ、思いやりを意味する言葉である。そしてこの一字に象徴されるように、日本では、建国の神話以来、天皇が国民をわが子のようにいつくしみ、国民に思いやりを持ってまつりごとを行う。国民はこうした天皇の御心に応え、天皇をわが親のように慕い、天皇を中心として国民が家族のように結び合って生活してきた。こうした精神的伝統があればこそ、わが国は、21世紀の今日まで、一系の皇室が125代も続いているのである。

 小泉政権では、女性天皇・女系天皇容認の方向で皇室典範の改定が行われようとした。しかし、秋篠宮紀子様の御懐妊により、その動きがとどめられ、約40年ぶりに皇室に男子が誕生されたことにより、男系継承の保持が可能となった。
 安倍政権は、男系継承の伝統を維持するための方策を具体的に検討する意思を明らかにしていた。しかし、安倍首相が辞任したことによって引き潮となり、福田政権になってからは、課題取り組みの姿勢は見えない。非常に残念な現状ではある。
 今上陛下がお元気な間に、皇位継承の伝統をしっかり守っていくための方策を策定、実行し、世界に比類ないわが国の国柄を確固としたものとしていきたいものである。

 なお、上記の記者会見において、富田日記と卜部日記の中に出てくる昭和天皇が当時の入江侍従長に書き取らせた拝聴録なるものについてご質問がされた。これは宮内庁が存在しないと言っているものであるが、天皇陛下はご覧になったことがない旨、答えられた。記憶にとどめておきたいと思う。
 以下は報道のクリップ。

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●読売新聞 平成19年12月23日付

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071223i501.htm?from=yoltop
天皇陛下74歳に、国民の食と住の不安に「残念」
 天皇陛下は23日、74歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち宮殿で記者会見し、「生活の基本である食と住に関して国民に不安をもたらすような事情が明らかになったことは残念」とこの一年を振り返り、年金問題について「一生懸命まじめに働いてきた人々が、高齢になって不安を持つことがないように、解決に向かっていくことを願っています」と述べられた。
 ご家族についての質問には「それぞれに幸せであってほしい」と答えたうえで、5月の訪欧前の記者会見で述べた「私どもは私的に外国を訪問したことは一度もありません」という発言が、「皇太子一家のオランダ静養に対する苦言」と一部で報じられたことに言及し、「意図したところと全く違っています」と反論された。
 陛下は発言の真意について、皇太子時代の両陛下の訪問の多くが昭和天皇の名代で、相手国が天皇が来ると考えているところに皇太子が訪問するため、厳しく自らを律する必要があったこと、平成になってそうした訪問がなくなり、今の皇太子ご夫妻は様々な形で国際交流ができることを述べたと説明。「また私の意図と違ったように解釈される心配を払拭(ふっしょく)することができません。したがってこの質問へのこれ以上の答えは控えたく思います」とされた。
 一方、11月に琵琶湖畔で行われた式典で外来魚のブルーギルの繁殖に「心痛む」と述べたことに関連し、釣った魚を放す「キャッチ・アンド・リリース」で繁殖したとの認識を示し、「おいしく食べられる魚と思いますので、食材として利用することにより、繁殖を抑え、日本で生活してきた魚が安全に育つ環境が整えられることを願っています」と述べられた。
(2007年12月23日5時1分 読売新聞)

●ご会見の抜粋

http://www.yomiuri.co.jp/features/impr/im20071223_02.htm
――(関連質問)この2年ほどの間に昭和天皇の側近の日記などが相次いで世に出ております。昨年の富田日記に続きまして、今年は卜部侍従日記が公表されました。この富田日記と卜部日記の中に、昭和天皇が当時の入江侍従長に書き取らせた拝聴録の話が出ております。入江侍従長自身も日記の中で、再三拝聴録について触れております。拝聴録、確かに存在したと見られるのですが、陛下はこれを御覧になったことがございますでしょうか。また現在お手元にあるとも言われておりますが、それについてはいかがでございましょうか。

ご回答
 それは見たことがありません。

――現在、お手元にもないということでございましょうか。

ご回答
 無いと思います。少なくとも私が知っているところには無いということです。
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