日教組・全教に代わる第3の教職員団体がある。その名を全日本教職員連盟、略して全日教連という。私は教育問題に関心を持つ中で、7~8年前にその存在を知った。
全日教連は、昭和59年に教育正常化を目指して結成された。参加単位団体は、1都2府23県に広がっており、栃木県では県下最大の団体である。山口県、徳島県、愛媛県、香川県などでも有力団体となっている。しかし、東京をはじめ、大阪・横浜・名古屋等の大都市部ではほとんど存在感がない。いわば良識派の弱小教職員団体の連合組織である。教職員の組織率は、2.3%。約3割を占める日教組の13分の1くらいの規模である。
全日教連は「美しい日本人の心を育てる」という理念を掲げている。政治的イデオロギー的には中立不偏の態度を保ち、教育専門職として、教育現場の問題に誠実に取り組もうという姿勢がうかがわれる。私は、日本の教育を変えるには、やはり現場の教育者の人たちに、日本人としての自覚を持って頑張っていただかなければならないと思う。そこで、全日教連に期待を寄せてきたのである。
その全日教連が2月11日、東京で本格的な旗揚げを行った。傘下団体となる東京都教育研究連盟(都教連)の設立記念大会が行われたのである。「東京から日本の教育を変える」がその志だ。
私は、旗揚げの準備に尽力されてきた石井昌浩氏のご案内で、大会に参加してきた。石井氏は、東京都国立市の前教育長で、全国に名高い国立市の教育の惨状を訴えた『学校が泣いている』(産経新聞社)で知られる。現在は拓殖大学客員教授をされている。
会場の日本財団ビルには、約200人が集結した。都教連の加盟者は約500人になるという。東京都では、全教が1万人、日教組が2千人というから、旗揚げとしては幸先の良い人数である。
会長には、都立日比谷高校の校長が就任し、副会長・理事には、東京の小・中学校等の現役の校長が名を連ねている。
自民党・公明党の衆議院議員らが来賓として、お祝いと期待の言葉を述べた。都の副知事と教育長が来る予定だったが、代わりを石原都知事に頼まれたと、首都大学の西沢潤一学長が挨拶した。
祝電の披露にて、石原都知事からの長くメッセージが読み上げられた。知事は「教育現場から子供不在のイデオロギー対立を解消して、教育荒廃を克服し、東京の教育を変革・再生することを目的として結成される貴連盟には大いに期待しております」と祝辞を寄せた。「心の東京革命」にかける知事の思いは熱い。
大会宣言の採択では、「東京発 信頼と誇りある教育の復活」というスローガンを掲げ、具体的な方針が発表された。
その後、基調講演では、永世棋聖・米長邦雄氏が「次の一手」と題して、教育論を展開した。氏は、石原都政のもと、教育委員をして6年になる。「このまま行くと日本という国はなくなってしまう。日本が沈んでいるのは、経済だけではない。魂が沈んでいるのだ」と訴えた。
氏は、ジェンダーフリーや過激な性教育を批判し、扶桑社の歴史教科書の登場以後、他社の教科書から「従軍慰安婦」などの記述がなくなって内容が好転していることを述べた。そして、子供が教師を尊敬するような教育を復活しようと呼びかけた。
講演に対する謝辞では、都教連副会長が「魂を呼び起こす教育に取り組んでゆきたい」と力強く応えた。
大会終了後のレセプションでは、来賓や全日教連のメンバーの方々と懇談した。3月11日に川口で行われるフォーラムにてパネルディスカッションでご一緒する明星大学の勝岡寛次氏に初めてお目にかかりお話ができた。
また、うれしかったことは、たまたま声をかけた青年が二人、マイミクシイだった。ともに初対面である。一人は荒川区議会議員の小阪英二氏。もう一人は国会議員の秘書をしている大学生のN氏。三人でしばし日本の教育や政治について語り合った。思わぬ形でオフ会ができてしまった。
大会の模様は、東京新聞等で報道された。
いよいよ首都東京で旗揚げした全日教連。教育を変えなければ日本はだめになる、東京から日本の教育を変えようというその活動に大いに期待したいと思う。
参考
・全日教連のサイト
http://www.ntfj.net/
全日教連は、昭和59年に教育正常化を目指して結成された。参加単位団体は、1都2府23県に広がっており、栃木県では県下最大の団体である。山口県、徳島県、愛媛県、香川県などでも有力団体となっている。しかし、東京をはじめ、大阪・横浜・名古屋等の大都市部ではほとんど存在感がない。いわば良識派の弱小教職員団体の連合組織である。教職員の組織率は、2.3%。約3割を占める日教組の13分の1くらいの規模である。
全日教連は「美しい日本人の心を育てる」という理念を掲げている。政治的イデオロギー的には中立不偏の態度を保ち、教育専門職として、教育現場の問題に誠実に取り組もうという姿勢がうかがわれる。私は、日本の教育を変えるには、やはり現場の教育者の人たちに、日本人としての自覚を持って頑張っていただかなければならないと思う。そこで、全日教連に期待を寄せてきたのである。
その全日教連が2月11日、東京で本格的な旗揚げを行った。傘下団体となる東京都教育研究連盟(都教連)の設立記念大会が行われたのである。「東京から日本の教育を変える」がその志だ。
私は、旗揚げの準備に尽力されてきた石井昌浩氏のご案内で、大会に参加してきた。石井氏は、東京都国立市の前教育長で、全国に名高い国立市の教育の惨状を訴えた『学校が泣いている』(産経新聞社)で知られる。現在は拓殖大学客員教授をされている。
会場の日本財団ビルには、約200人が集結した。都教連の加盟者は約500人になるという。東京都では、全教が1万人、日教組が2千人というから、旗揚げとしては幸先の良い人数である。
会長には、都立日比谷高校の校長が就任し、副会長・理事には、東京の小・中学校等の現役の校長が名を連ねている。
自民党・公明党の衆議院議員らが来賓として、お祝いと期待の言葉を述べた。都の副知事と教育長が来る予定だったが、代わりを石原都知事に頼まれたと、首都大学の西沢潤一学長が挨拶した。
祝電の披露にて、石原都知事からの長くメッセージが読み上げられた。知事は「教育現場から子供不在のイデオロギー対立を解消して、教育荒廃を克服し、東京の教育を変革・再生することを目的として結成される貴連盟には大いに期待しております」と祝辞を寄せた。「心の東京革命」にかける知事の思いは熱い。
大会宣言の採択では、「東京発 信頼と誇りある教育の復活」というスローガンを掲げ、具体的な方針が発表された。
その後、基調講演では、永世棋聖・米長邦雄氏が「次の一手」と題して、教育論を展開した。氏は、石原都政のもと、教育委員をして6年になる。「このまま行くと日本という国はなくなってしまう。日本が沈んでいるのは、経済だけではない。魂が沈んでいるのだ」と訴えた。
氏は、ジェンダーフリーや過激な性教育を批判し、扶桑社の歴史教科書の登場以後、他社の教科書から「従軍慰安婦」などの記述がなくなって内容が好転していることを述べた。そして、子供が教師を尊敬するような教育を復活しようと呼びかけた。
講演に対する謝辞では、都教連副会長が「魂を呼び起こす教育に取り組んでゆきたい」と力強く応えた。
大会終了後のレセプションでは、来賓や全日教連のメンバーの方々と懇談した。3月11日に川口で行われるフォーラムにてパネルディスカッションでご一緒する明星大学の勝岡寛次氏に初めてお目にかかりお話ができた。
また、うれしかったことは、たまたま声をかけた青年が二人、マイミクシイだった。ともに初対面である。一人は荒川区議会議員の小阪英二氏。もう一人は国会議員の秘書をしている大学生のN氏。三人でしばし日本の教育や政治について語り合った。思わぬ形でオフ会ができてしまった。
大会の模様は、東京新聞等で報道された。
いよいよ首都東京で旗揚げした全日教連。教育を変えなければ日本はだめになる、東京から日本の教育を変えようというその活動に大いに期待したいと思う。
参考
・全日教連のサイト
http://www.ntfj.net/