我が郷に大きな枝垂桜がある。春、咲き誇る巨大な枝垂桜は妖気さえも感じられる。
秀吉による奥州仕置により滅亡した稗貫一族の、悲運の歴史の舞台にもなった由緒あるお寺跡近くに咲いているから、その昔、植えられていた桜の何代目かの子孫に違いない。
ある時、電力会社の人が来て、桜の枝が電線に邪魔になるので枝を切らせてほしいと言ってきたので「どうぞ、ご自由に・・・」と言っておいたが、由緒ある桜に違いないと思ったか枝を切らずに電柱を移動したこともあるという。
今年も見事に花を咲かせた枝垂桜見物に行き、その家の当主と話した。
見事な、この枝垂桜の巨木・・実は由緒も歴史も、まったくないという。
現当主が50年ほど昔、自分で植えたものだと・・・本人は言ってなかったが結婚記念樹に違いない。
近くに池があり、桜の上方の畑の養分が適度に流れ、育つ環境に恵まれて巨木になったに違いないと・・・「さぞや、由緒、歴史が」と勝手に想像していた分、がっかり。
仲間に声をかけて、今夜はライトアップ、盛大なお花見パーティをしよう。
その桜の時期、花巻地方は、あのコロナ蔓延最盛期、来年に期待してあきらめた。
桜の時期からもう1ヶ月余り、花巻地方の水田農家にとっては1年中で最も忙しい田植えを終えて、一雨、日ごとに緑の濃くなる田んぼの稲を眺めて、「老体、よく頑張った」と自分を褒める。
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