小学生がグループごとに空いた炭俵を持って集合する。「すぎっぱひろい」の場所は集落ごとに先輩から引き継いでいる。
2、3年生の低学年は懸命に杉の葉を拾い集める。5、6年生の高学年は集めた杉の葉を要領よく炭俵に詰め込む。
一人一個くらいの杉の葉の入った炭俵は、山から引いたり、転がしながら学校の小使いさんに届ける。遠くの集落の子供達は賑やかにリヤカーで運ぶ。
寒い冬の朝、校舎の長い煙突から白い煙が立ちのぼっている。
小使いの「ヨシばあさん」がブリキの大きなちり取で、燃えさしを運び、ストーブに入れてその上に子供達の集めた「すぎっぱ」を乗せると勢い良く燃え始める。「すぎっぱ」は良い焚き付けになる。更にその上に大きな薪木を乗せる。
教室に明るい日差しが入る頃、教室もだんだん暖かになる。
交通の不便な頃、先生も大方、地元の人が多いから登校する子供達と一緒に歩いて登校する。子供たちのにぎやかな話を聞いて「うん」「うん」と頷いている。
2、3校時頃から弁当がストーブの周囲に集まり弁当を温める。時には近すぎた弁当が焦げることもある。お昼近くになると暖かくなった弁当の匂いが教室に漂う。
「ヨシばあさん」の振る、鐘の合図で賑やかな昼食。
弁当が終わるとお待ちかねの「手つなぎ鬼ごっこ」、人が多いほど楽しいダイナミックな遊びである。1年から6年まで一緒にやる。
複式学級が当たり前の頃の山の学校の出来事。
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