世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

イスラム教の第3の聖地ケルアンは城壁に囲まれた迷路の町に個性的なモスクがあります。(チュニジア)

2008-08-10 16:37:42 | 世界遺産
 アルハンブラ宮殿はスペインにあってイスラム文化を代表するような美しさを誇る宮殿でしたが、スペインにイスラム教が伝わる経路の北アフリカに、アラブのメッカ、メディナに次ぐ第3の聖地ケルアンがあります。ケルアンは7世紀に建設が始まり、北アフリカにおけるアラブの重要拠点となりました。中世にはその重要性からイスラムにおける第3の聖地と位置付けられるようになりました。今回は、城壁に囲まれたイスラム都市のケルアンを紹介します。

 ケルアンは、チュニジアの首都のチュニスの約160km南方にあり、鉄道の駅があり海沿いのスース(こちらも世界遺産の町)からバスで1時間ほどです。バスで行くと、旧市街からだいぶ離れた所に降ろされ30分ほど暑い中を歩かされました。

城門を通り抜けた内部のメディナの旧市街は、イスラムの町に共通する迷路の町で、太陽の位置と磁石が無いとどちらに向かって歩いているか解らなくなります。

 城壁を北門から入ると、すぐにケロアンを代表するグランドモスクがあります。

主堂の中には信者以外は入れませんが、外から見た内部はシャンデリアなどもあって、なかなか見事です。

トルコなどで見かける、がらんとした空間だけのモスクとずいぶんと様子が違います。中庭を囲む回廊の柱が作り出す陰影も絵になる風景です。

 城壁の中には、グランドモスク以外にも大小のモスクや霊廟があり、個性的な意匠ものもありました。スペインのコルドバにあるメスキーととそっくりな白と黒の縞模様のアーチのあるガリアニ霊廟です。おそらく、こちらのほうがオリジナルなのではないでしょうか。

 メディナの中を歩いていると、白の壁に青い窓や扉の家をよく見かけます。この色の組み合わせは、チュニジアを代表する配色で、チュニス近郊の高級住宅街のシティブサイドでもよく見かけました。

強烈な光線の下で、光輝く白と寒色系の青とのコントラストは、最初のこの配色を考えて取り入れた人は、チュニジアの光の様子をちゃんと計算に入れてたんでしょうか。

 その街中で奇妙なものを見かけました。少し高いテラスのようなところに上って、中を見るとらくだがグルグルと廻っているいるのです。牛や馬が臼を引いて廻るのは時々見るのですが、らくだが円を描いて廻るのは初めてです。

それに臼も見当たりません。らくだの廻っている中心には井戸があって、紐に付けられた壷が井戸野水面までを循環するようになっています。この紐をまわす動力源としてらくだが使われていたのです。

 ケルアンは城壁の中だけでなく、外にも美しい霊廟があって、うろうろさせられます。特に、シディ・サハブ霊廟は回廊にはめ込まれたタイルと回廊を支える列柱とが美しく、苦労して訪れるだけの値打ちはあります。

ポルトガルにはアズレージョと呼ばれる美しいタイルの文化がありますが、このタイル文化も源は北アフリカにあるのかもしれません。
 
 チュニジアを地図で調べてみると、東京とあまり緯度は変わらないんですね、エジプトのカイロもやや南くらいなのです。ところが、なぜかはるかに暑いのです。地中海がそばにあるので、大陸性の気候というわけでもないと思うのですが。逆に海の近くの割には湿度が低くて、暑い割りに木陰などは涼しいので助かりますが。この暑さは、おそらく砂漠の影響かと思います。どちらも、都市部を離れると、砂や石ころだらけの砂漠になります。砂漠の多くは、かつて緑豊かな土地だったところで、人類の祖先がエネルギーのために、木を切り倒してしまったのが原因の一つといわれています。この頃から、地球温暖化が始まっていたのでしょうか。IT技術の発展でエレルギー効率を上げ、CO2の排出を抑えるというのも一見合理的のように見えますが、IT機器は仕事をしていないときにも待機電力を消費することのほうが問題なのでは?とも思います。


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