世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ディズニーリゾートばかりが浦安ではありません、まるで違った町並みもあるのです

2008-08-17 16:34:34 | 日本の町並み
 宍道湖に沈む夕日や、お堀の北側の塩見縄手の風景など、松江は水の存在なしでは語れませんでしたが、東京ディズニーレゾートの近くににも、かつて水辺の漁村だった面影を残す町の浦安があります。39年からの海面の埋め立てが進んで、市域は4倍にもなったそうで、かつては海の近くだったことが信じられません。埋め立て地に、逆に海を作ってしまったディズニ・シーもありますが、舞浜あたりの喧騒がうそのような、かつての漁師の住宅なども残されている、地下鉄の浦安駅付近を紹介します。

 浦安は、千葉県の西のはずれに少し出っ張って、旧江戸川を越えると東京都という位置関係です。このためか、デイズニーランドも千葉ディズニーではなく、東京ディズニーと川向こうの名前が付いています。そういえば、成田も千葉県にあって新東京国際空港でした。埋め立て前の浦安は、地下鉄東西線の浦安駅周辺の、現在の風景からは海の近くを感じられない場所でした。京葉線もディズニー・リゾートもすべて海の中だったのです。

 昔の面影が残るところは、浦安駅から南に300mほど行ったところを流れる、境川に沿った町並みです。

 境川は江戸川の支流ですが、埋め立てが進むに連れて、海がどんどん遠くなる~と川下に伸びていって3倍の長さになったとか。かつては、この境川が東京湾に出漁する漁船の系留地で、漁師町も川に沿って作られたようです。

川沿いの旧大塚家は唯一残された漁師の家の遺構で、他には少し川下にある浦安市郷土博物館にベカ舟などと共に漁師町が再現されています。旧大塚家は、江戸末期に建てられ、水害対策に家財道具を2階に収納できる工夫など、水辺に住むための工夫がされています。

 旧大塚家の手前には、明治初期に建てられた商家の遺構も残されていて、こちらの建物もなかなか見ごたえのある民家の遺構です。関東近郊では商家の遺構は少ないそうですが、この家は商家で多雨変われた後は、郵便局や医者の診療所としても使われたようです。

建物がしっかりしていて、使い回しが効いたのでしょうか。

 これらの民家がある川沿いの道に行く手前、車の多い通りに面して清瀧(せいりゅう)神社と宝城院とがあります。お寺と神社が仲良く隣同士といった感じですが、どちらも、ちょっと立ち寄ってみようかと思うようなものがあります。清滝神社のほうは、本殿の彫刻が立派で、いろんなものが彫られていますが、海の神様らしく亀に乗った浦島太郎の像もあります。

 一方の、宝城院のほうには賓頭廬像や庚申塔があります。庚申塔庚申の夜に体の中の虫が悪事を報告に行かぬよう、寝ないで庚申塔や塚にお参りするためのものです。

道祖神像と共に安曇野散策でよく見かけるものですが、こちらの庚申様は、ちょっとお顔が怖そうです。

 浦安の駅前からも、東京ディズニー・リゾートへ向かうバスが頻繁に出ています。ディズニー・ランドにもディズニー・シーにも、人工の海や川があって、IT制御されレールの上を走る船やボートが走っています。楽しむことを計算しつくされたプログラムは、実実見事で、一日居ても決して飽きないことは、リピータの数の多さが証明しているようです。ただし、あくまで自然や文化のレプリカの集合体なわけで、混んでいるディズニーを避けて、古い本物が残されている浦安の町も訪ねてみてはいかがでしょうか。


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