世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

白壁の町が金魚の形をした提灯で埋まる柳井

2005-10-23 16:01:08 | 日本の町並み
 生きている金魚の町は大和郡山ですが、金魚の形をした提灯(ちょうちん)をお土産として売っている町があります。山口県の東部の広島県との県境に近い柳井市がその町です。金魚の提灯は、青森のねぶたをヒントに考案されたそうで、赤色と白色に塗り分けられ、ちょっとおどけた顔をしています。8月の上旬には町の中心の白壁通りが金魚の提灯で埋まる幻想的な光景が出現するのだそうです。
 その白壁通りは、漆喰(しっくい)で塗り固められた土蔵作りの商家が並ぶ通りで、店舗部分の1階の黒っぽさと白壁の2階部分が際立ったコントラストを見せています。土蔵作というと同じ山陽路の倉敷や福島県の喜多方を思い浮かべますが、これらの町の土蔵は蔵そのものが多く収納がその用途です。柳井の土蔵は埼玉県の川越と同じように、防火を目的とした町家(まちや)で、人が住んだり店舗として使われています。道に面して開口部があるために、同じ土蔵の町でも景色が違って見えます。
 これらの町家の中で重要文化財にもなって公開されている国森家、それに同じく公開されている「むろやの園」と呼ばれる商家も共に油商だったそうです。電気の無かった頃、油は灯明の燃料として生活と切り離せなかった必需品で、その販売を取り仕切る商家は現在まで残るような大きな家を残せたのかもしれません。
 柳井は、また国木田独歩が20歳台の前半を過ごしたところで、町を見晴らす高台に旧宅が保存されています。独歩が散歩をした道や、独歩が好んだという「三角もち」という名産品も残っています。「三角」はサンカクと読むのではなくミカドと読むのだそうで、かつて天皇の姻戚者が食されたとことでミカド(帝)と命名したとか。まるいアンを三角のギュウヒで包んだもので、上品な味なのですが、お土産に買うと三角形の箱は帰りの荷物の中ですわりが悪いようです。
 すわりが悪いといえば、かつてので携帯電話は自動車に大きな装置を積む電話から発展し、持って歩ける携帯電話が出現した時には、ショルダーホンといって小型のショルダーバッグくらいもあり、ずいぶんとかさばりました。現在の携帯電話は小型になって、腕時計型のPHSも出現して、ずいぶんとすわりがよくなりました。さらに小型化が進めば、携帯するのではなく体の一部のようになるのかもしれません。


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