世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

雲崗石窟の基地の町ですが、城壁内に巨大な寺院もあり見所が沢山の大同です(中国)

2015-11-15 08:00:00 | 世界の町並み
 ポルトガルの首都からも近い場所に、城壁に囲まれて白とブルーの家並みが美しい村がオビドスでした。日本の城は、権力者が住む場所という性格が強く、堀や城壁で囲まれている城内の広さはさほど広くはありません。しかし、ヨーロッパや中国の城壁は、町全体を取り囲んだものが多く、その面積も広大です。陸続きで、外敵から町全体を守らないと、権力者を支える経済が成り立たなかったのかもしれません。中国では、町を囲む城壁が世界遺産に登録されている平遥ではほぼ完全な形で城壁が残されていますが、今回はその平遥から北に400kmほどの大同(だーとん)を紹介します。なお、大同は2012年に紹介済みでしたが、新たな情報も加えて再度の紹介です。

 大同は、北京の西300kmほどの黄土高原の東北にある人口が約300万人の都市で、町を出ると黄色の原野が続きます。北京からの列車は北に大きく迂回をするので、高速道路を走る都市間バスが早くて便利です。待ちの西には世界遺産の雲崗石窟があり観光客の基地となっています。雲崗石窟は世界遺産編で紹介済みなので、城壁もある市内を紹介します。



 町のぐるっと囲むように鉄道が囲んでいて、中心となる大同駅は北東方向にあります。城壁は、駅の南1kmほどのところに、1.5km四方の部分を取り囲むようにあります。しかし、残されていた城壁は土塁が部分的にあった程度で、再建といった感じです。筆者が訪問した2011年には、まだまだ工事中で、バスも走っていた道路が、工事中の城壁によって分断されて困りました。日本の道路工事では、歩行者だけは遠回りをしなくても済むように側道などを作ってくれますが、向こうはお構いなし。延々と遠回りをさせられ、その迂回路もどこにあるのやらよく解りません、中国語で掲示があったのかもしれませんが。現在は、城壁の中央あたりに大極殿のような建物を再建しているようです。
(城壁の写真はBaido百科から)

 
 
 
 
 この城壁ができたことによって、訪問をした時と地理感覚が変わってしまって、間違った記述があるかもしれませんが、観光施設は、ほぼ城壁内に集中しているようです。大きなお寺が2つ、華厳寺と善化寺で、華厳寺は道路を隔てて上下2つのお寺になっています。華厳寺は西北方向にあり、華厳宗の最重要寺院だそうです。ということは、日本の東大寺のご先祖様?でしょうか。上華厳寺は中国でも伽藍を誇り、大雄宝殿など巨大な建物が林立しています。かなりの数の仏像もあるようですが、写真に収めていたのは、日本の仏像とは随分イメージの違う千手観音らしき像でした。華厳寺の寺域外ですが周辺には、長屋風の連続した建物が、詳細は不明ですが、気になりました。

 
 一方、善化寺は、南のほうに位置していて、こちらも大きな寺域を誇っています。こちらの大雄宝殿も巨大で、色の違いはありますが唐招提寺とどこか似てるようにも思います。境内も、どこか日本風を感じさせたように記憶してます。



 
 
 一方、北東方向には、鼓楼や九龍壁があります。鼓楼は道路のロータリーの中央に建っていて、太鼓を収容する建物という目的からすると随分と立派です。一方の九龍壁は、明時代の屋敷の影壁として作られ、屋敷は焼失して壁だけが残ったものです。龍を珍重する中国ですが、9匹もの龍が描かれた壁は3つしか残っていないようです。9匹もの龍はいないのですが、雲崗石窟への途中にある観音寺には三龍壁があり、こちらは瑠璃瓦の美しさでも有名です。

 北京と大同の間は高速都市間バスが便利と述べましたが、列車の場合の乗車券の手配が面倒なこともその理由です。現在は、乗車券販売のオンライン化が進んだようですが、4年ほど前は高速列車のみがオンラインで、他の列車の座席指定有り乗車券は、その列車の始発駅の窓口のみの発券でした。もちろん、途中駅でも乗車券は売られていますが、ほとんどの場合は無座、つまり立ち席です。始発駅の乗車券とて、季節によってはすぐに売り切れで、旅行中に明日の列車の乗車券を買いに行っても無座しかありません。長距離乗車で座席を確保するには、中国の旅行社に頼んで買ってもらうしかありませんでした。中国は、日本からの技術を流用した(彼らはオリジナルと言っているけれど)高速列車を、外国に売り込んでいるようですが、高速化のハード面は簡単にまねはできても、ソフトを含めたトータルシステムとしては、乗車券一つを取っても、不完全そのもののようです。


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