世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

本陣跡の堂々たる建物の残る江迎の入り江の向こう側には天然温泉も湧いています

2015-11-22 08:00:00 | 日本の町並み
 平清盛が開いた大和田泊の跡は、神戸港の中でも最初に岸壁のできた兵庫港ですが、現在の兵庫港周辺の主役は造船会社の工場群になっていました。川崎重工や三菱重工のドックには潜水艦をよく見かけます。この潜水艦は海上自衛隊の所属ですが、その海自基地の一つが佐世保港になります。今回は、その佐世保港ではなく、佐世保市の北のはずれの江迎です。

 江迎は、佐世保駅から第三セクターの松浦鉄道で約1時間、佐世保市街地からは20kmほど北へ行ったところにあります。最寄駅名は2つの町が隣接するため江迎鹿町になっていますが、この駅は鹿町に属しています。鹿町は駅の南西側、江迎は東側一帯に分布しています。この2つの町は、もともと独立の町でしたが2010年に佐世保市に編入されました。

 
 
 江迎町の前面には海が深く入り込み、後方は山が迫るため、交通の要所となっていたようで、平戸往還の宿場町として発展してきた歴史を持っています。この宿場町の面影を残すものが本陣跡で、駅から10分くらいの平戸往還の跡の国道204号沿いにあります。車がビュンビュン行きかう道路に面していて、落ち着きませんが、なかなか堂々たる門と屋敷が県史跡となっています。

 
 
 本陣跡というと、石碑が一つ建っている所が多いのですが、こちらは造り酒屋の山下家の屋敷であったために、醸造倉ともども圧倒的な存在感のある建物群が残っています。レンガ造りの煙突もなかなか絵になっています。山下家は、酒造りだけでなく醤油作りも兼ねているようで、暖簾がそれを主張しています。裏山に続くわき道に沿って雰囲気の良い石塀が続き、この塀越しに奥行きのある瓦屋根が望めます。

 
 
 ただ、古い町並みは、この本陣跡周辺だけで、駅周辺は緑の山と雑草の生い茂る空き地、そして町の中心にあるバスセンタ周辺は、どこにでもある地方都市といった顔をしています。江迎とは駅の反対側になりますが、鹿町には天然温泉が湧き、市営の温泉施設である「やすらぎ館」が建っていて、日帰りの湯として町並み散歩の帰りに寄るのもいいかもしれません。

 最近、テレビでビッグデータのCMをよく見るようになりました。お酒造りに適した米作りにも、このビッグデータ技術が使われていりとのこと。ビッグデータ技術とは、桁違いに大量のデータを扱う技術で、データの解析にはデータマイニング技術が使われることが多いようです。これは、前もって予想できないようなデータ間の関連性を探し当てるもので、予想できないかったような結果が得られることが利点です。大量のデータの中から、埋もれている関連性を見つけ出すために高速のコンピュータが必要でしたが、技術の発展で手に入りやすくなった技術です。ただ、このビッグデータは、CMでは夢の到来的に扱っていますが、自分の知らないところで、個人の行動を解析されるなど問題も多いようです。ただ、お酒の味は、ビッグデータの手が届かない要素が左右しているようにも思います。
 


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