世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

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葉山御用邸のお隣のしおさい公園は小ぶりですが御用邸の雰囲気を味わうことができるかもしれません

2018-06-10 08:00:00 | 日本の町並み
 日露戦争の講和会議の全権大使を努めた小村寿太郎を生んだ宮崎の飫肥には、しっとりした街並みに寿太郎の生家も残されていました。小村寿太郎は、色々と逸話の多い人物で、侯爵にまで上り詰めましたが、共感できないところも多い人物のように思います。政界を引退した年に、結核の転地療養をしていた葉山で他界しています。今回は、転地療養先になるほど、過ごしやすい葉山町、御用邸の周辺を紹介します。

 神奈川県の葉山は、首都圏では珍しく市ではなく三浦郡に属した町です。三浦半島の西の付け根あたりにあり、鉄道は通ってなく、JRや京急の逗子からバスで南に下ります。御用邸は内陸を通る国道134号と、海岸線を走ってきた県道207号が合流する葉山警察あたりになります。御用邸の北には神奈川県立近代美術館があり、ここから南に御用邸付属邸跡のしおさい公園を経て御用邸まで長さ500m、幅200~300mほどの松林がつながっています。また、背後には148mの大峰山が迫っています。

 
 
 
 
 葉山御用邸は、現在も現役で使われている3つの御用邸の一つで1894年(明治27年)に作られたので、それから130年近くが建っています。ただ、1971年に放火によって建物が消失し、現在の建物は、10年後の再建によるものです。主に2~3月に滞在されるということは、葉山が温暖で避寒に適しているからでしょうか。病弱であった大正天皇も、転地療養先のこちらで崩御しています。

 この御用邸は、現役ということもあって見学はできませんが、隣のしおさい公園は入ることができ、松林が続く日本庭園や博物館があって、御用邸の雰囲気を味わうことができます。鯉のいる池やお茶室など、それに小さな滝もあります。池泉式回遊庭園の一つと思います。さほど広くない庭園なので、午後の半日をのんびりと散策するのにいいかもしれません。

 御用邸は、皇室の別荘の一つで、宮内庁によると比較的規模の小さなものを御用邸、大きなものを離宮と呼ぶようです。現役の離宮は、桂離宮と修学院離宮の2か所ですが、皇室がこの2つの離宮に休養などのため訪れたということは聞きません。御用邸は現役で使われているため内部の見学はできませんが、2つの離宮は、netを含め申し込みによって見学が可能です。なかなか競争率が高くて大変なのですが、苦労をするだけの価値は十分にあります。ただ、当日の天気だけは運任せで、筆者は10年ほど前に同じ日の午前に修学院、午後に桂と当選したのですが、桂では小雨交じりでした。天気に左右されないで楽しむ手としてVRなどの動画があり、視覚イメージとしての情報は簡単に手に入ります。ただ、VRとはいうものの、現場の香りや空気の動きなどは、現在の技術では再現できないので、感動は少ないかもしれません。ただ、実際の見学は、思ったより駆け足で、感動に浸っている暇は少なかったようです。


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