世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

各地の宮殿のお手本になったヴェルサイユ宮殿は途方もない広さで一日の滞在では足らないくらいです(フランス)

2018-06-03 08:00:00 | 世界遺産
 パリの中心部にもかかわらず壮大であったり華麗であったりの教会や世界ウン大美術館などが所狭しと建ち並んでいるのがセーヌ河畔でした。ドイツの首都のベルリンでは、首都圏に3か所の世界遺産がありますが、フランスのパリでも首都圏に3か所の世界遺産があります。セーヌ河畔、フォンテーヌブロウそれにヴェルサイユ宮殿です。今回は、まだ紹介をしていなかったヴェルサイユ宮殿を紹介します。日本の首都圏には、フランスがついでに申請してくれた西洋美術館があるだけですし、アメリカの首都のワシントンDCには一つもありません。なにか、東京の場合は、古いものを簡単に再開発と言って壊してしまい、アメリカは国の歴史自体が無く、また文化より経済性が優先され、どちらも極度の拝金主義のためでしょうか。

 ヴェルサイユ宮殿はパリの中心地の南西20kmほどで、パリから近郊電車やRERで20~45分ほどの距離ですから、東京でいえば都内の郊外といった感じです。作ったのは絶対王政をひいたルイ14世で17~18世紀にバリック様式によって建てられました。敷地の広さは1千ヘクタールで、外苑も含めた皇居の約4~5倍、作られた当時は、さらに現在の10倍ほどもあったそうです。宮殿の床面積は約2万㎡で、皇居の新宮殿の8倍ほどになります。庭園に十字形に作られた大運河の長さだけでも2kmほどあるので、端まで行くと往復で4kmにもなり、散策の規模範囲を超え、最近は観光トラムや貸自転車もあるようです。筆者の訪問したのは30年ほども前で、このあたりの事情は分かりません。当時も入るのに随分と行列をしましたが、最近はさらにひどいようで、このところはどの観光地も混雑がひどいようで、入場などをあきらめざるを得ないこともありのようです。これは、我が国でも同じような現象が見られますが、隣国の観光客がドッと押し掛けるのも原因の一つかもしれません。







 鏡の間など、宮殿内も素晴らしいのですが、天気が良ければ、噴水や大運河のある裏庭の散策が気持ちが良くってお勧めです。庭園内にはグラン・トリアノンやプチ・トリアノンといった離宮もあってとにかく一日が十分につぶれてしまいます。

ヨーロッパでは、このヴェルサイユを手本や似た構成とした宮殿が数多くあり、オーストリアのシェーンブルン、スゥーデンのドロッドニングホルム、ドイツのサンスーシ、イタリアのカゼルタなどが世界遺産に登録されています。国宝指定ですが世界遺産には登録されてはいない我が国の赤坂迎賓館は、明治期の建物ですがヴェルサイユを模したと言われています。設計はジョサイヤ・コンドルの第1号の教え子であった片山東熊で、東京や京都それに奈良の博物館を設計しています。赤坂迎賓館の裏庭もヴェルサイユ風で噴水越しに見る建物はなかなか綺麗ですが、広さは1/100程度と比べるべくもありません。

 華麗なヴェルサイユ宮殿ですが、何も働かない絶対君主という権力者が、汗水流して働く国民から召し上げたお金によって作られたわけです。どうも、世の中汗水流して働く人々は分が悪いようで、大多数の画家は、存命中には、お金に困っていた人たちが多いように思います。後の世になって、絵画の生産者でもない、商人たちがサザビーのオークションなどで巨額の金を得ているのは、すごく不公平だと思います。それが、資本主義だというのなら、どこかおかしなシステムです。一方、ITの世界では、システムや端末を制御する膨大なプログラムの開発は、過労死しそうなくらい大変な生産作業です。しかし、その生産物で、大儲けをするのは、生産にはかかわっていない一部の商人なのではないでしょうか。


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