数多くの租界が存在して、中国にありながらヨーロッパの香りがする町が天津でした。この天津は首都の北京からさほど離れていませんが日本の新幹線をコピーした高速鉄道で北京とに間を結ばれています。都市間を短時間で移動するのに便利になりつつありますが、まだまだ寄せ集めの技術でできた高速鉄道は不安があります。現在では、中国全土で高速鉄道網の整備が進んでいますが、当初は大都市と近郊都市とを結ぶ試験船として作られました。北京と天津間の高速新線はその皮きりでした。その一つに西安と宝鶏とを結ぶ新線がありますが、筆者が訪問したころは在来線をわが国のE2をベースとしたCRH2型で高速化した列車が走っていました。今回は、その宝鶏を紹介します。
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宝鶏は西安の西150km足らずの所にあり、北京と天津間よりやや長い距離になります。中央駅は宝鶏市のほぼ中央の宝鶏駅で、2013年に高速新線が開通して宝鶏南駅ができています。この高速新線経由では西安との間は40分ほどだと思いますが、10年ほど前の在来線経由では80分ほど、それでも最高速度が200km/hくらいで走っていたようです。
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宝鶏のおもな見どころは、宝鶏駅の周辺に集中しているようですが、アショカ王が全世界に建てた塔の一つと言われる大塔がある法門寺は市の北東端にあります。この法門寺を訪れる観光客は、西安から長距離バスで直接行くようで、筆者も中国人向けの西安の西にある乾稜などの史跡をめぐる現地ツアーで訪問しました。筆者が訪問した時には、ブッダの舎利が出てきたと言われるかつての塔の後に再建された塔が目立つのと、その地下部分だったかにあった博物館の展示が盛沢山くらいで、さほどのインパクトはありませんでした。しかし、訪問の翌年に、金ぴかで菱形の合十舎利塔や金ぴかの仏像などが立ち並んだテーマパークのような施設ができて、地味寺がド派手寺になってしまったようです。
一方の宝鶏駅周辺の見どころですが、筆者が訪問したのは金台观、炎帝祠、青铜器博物馆の3か所ですが、ガイドブックでもこの程度のようです。
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金台观は、駅の裏の高台にある道教寺院で、太極拳の道場になっているのだそうです。高台なので、宝鶏の市内が眺められるのですが、木立が多くてちょっと邪魔です。山の斜面に建っている割には、多くの建物がありましたが、お堂の中には極彩色の像が置かれてあり、中国のお寺でよくみられる光景です。また、屋根の両端にはインド神話に登場する怪魚のマカラと呼ばれる像が置かれ、日本の鯱と似ていますが、こちらは想像上の動物です。このマカラは、インド神話に出てくる象の頭を持つ魚で、ヒンドゥー教の神様のいくつかの乗り物になっているようです。これが、中国などに渡って魔除けとして建物の装飾として用いられるようになったとのこと。
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炎帝祠は、宝鶏駅の西1.5kmほどにある炎帝を祀るお寺で、周りは広大な公園の中に、大きな建物がドンと建っています。炎帝は夏を司り人々に医療と農耕を伝えた伝説上の皇帝とされています。堂の中には巨大な炎帝と思われる像が鎮座していました。
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青铜器博物馆はちょっと遠くて、駅の南東3~4kmほど渭河の南に位置し、市内バスに乗る必要があります。こちらも緑の多い公園の中に建っている巨大な青銅器を模した建物の博物館です。膨大な青銅器のコレクションが展示されていて、おそらく中国最大級ではないかと思います。周秦時代の青銅器のほかに玉器、陶器など400点余りが展示されていますが、中国語以外の解説がほとんど見当たりません。ただ、見て美しければ良しとすればいいのかもしれませんが、用途などが分かればもっと楽しいかもしれません。
宝鶏の青銅器博物館の青銅器は紀元前3~10世紀の物ですが、中国の青銅器文明は紀元前20世紀ころから始まったそうです。それまでの石器文明に比べて、硬くて加工のしやすい青銅器が文明を後押しするだけでなく、兵器にも使われて争うごとで人殺しに利用されたのは悲しいことです。青銅器はやがてより硬い鉄などの文明に発展していきましたが、現代のITはゲルマニュウムに始まりシリコンなど石と呼ばれる材料に根差しています。これって、石器文明に戻ったのかもしれません。ただ、この石器文明も人殺しに使われることが多いんですね。
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宝鶏は西安の西150km足らずの所にあり、北京と天津間よりやや長い距離になります。中央駅は宝鶏市のほぼ中央の宝鶏駅で、2013年に高速新線が開通して宝鶏南駅ができています。この高速新線経由では西安との間は40分ほどだと思いますが、10年ほど前の在来線経由では80分ほど、それでも最高速度が200km/hくらいで走っていたようです。
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宝鶏のおもな見どころは、宝鶏駅の周辺に集中しているようですが、アショカ王が全世界に建てた塔の一つと言われる大塔がある法門寺は市の北東端にあります。この法門寺を訪れる観光客は、西安から長距離バスで直接行くようで、筆者も中国人向けの西安の西にある乾稜などの史跡をめぐる現地ツアーで訪問しました。筆者が訪問した時には、ブッダの舎利が出てきたと言われるかつての塔の後に再建された塔が目立つのと、その地下部分だったかにあった博物館の展示が盛沢山くらいで、さほどのインパクトはありませんでした。しかし、訪問の翌年に、金ぴかで菱形の合十舎利塔や金ぴかの仏像などが立ち並んだテーマパークのような施設ができて、地味寺がド派手寺になってしまったようです。
一方の宝鶏駅周辺の見どころですが、筆者が訪問したのは金台观、炎帝祠、青铜器博物馆の3か所ですが、ガイドブックでもこの程度のようです。
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金台观は、駅の裏の高台にある道教寺院で、太極拳の道場になっているのだそうです。高台なので、宝鶏の市内が眺められるのですが、木立が多くてちょっと邪魔です。山の斜面に建っている割には、多くの建物がありましたが、お堂の中には極彩色の像が置かれてあり、中国のお寺でよくみられる光景です。また、屋根の両端にはインド神話に登場する怪魚のマカラと呼ばれる像が置かれ、日本の鯱と似ていますが、こちらは想像上の動物です。このマカラは、インド神話に出てくる象の頭を持つ魚で、ヒンドゥー教の神様のいくつかの乗り物になっているようです。これが、中国などに渡って魔除けとして建物の装飾として用いられるようになったとのこと。
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炎帝祠は、宝鶏駅の西1.5kmほどにある炎帝を祀るお寺で、周りは広大な公園の中に、大きな建物がドンと建っています。炎帝は夏を司り人々に医療と農耕を伝えた伝説上の皇帝とされています。堂の中には巨大な炎帝と思われる像が鎮座していました。
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青铜器博物馆はちょっと遠くて、駅の南東3~4kmほど渭河の南に位置し、市内バスに乗る必要があります。こちらも緑の多い公園の中に建っている巨大な青銅器を模した建物の博物館です。膨大な青銅器のコレクションが展示されていて、おそらく中国最大級ではないかと思います。周秦時代の青銅器のほかに玉器、陶器など400点余りが展示されていますが、中国語以外の解説がほとんど見当たりません。ただ、見て美しければ良しとすればいいのかもしれませんが、用途などが分かればもっと楽しいかもしれません。
宝鶏の青銅器博物館の青銅器は紀元前3~10世紀の物ですが、中国の青銅器文明は紀元前20世紀ころから始まったそうです。それまでの石器文明に比べて、硬くて加工のしやすい青銅器が文明を後押しするだけでなく、兵器にも使われて争うごとで人殺しに利用されたのは悲しいことです。青銅器はやがてより硬い鉄などの文明に発展していきましたが、現代のITはゲルマニュウムに始まりシリコンなど石と呼ばれる材料に根差しています。これって、石器文明に戻ったのかもしれません。ただ、この石器文明も人殺しに使われることが多いんですね。