世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

富士山の文化世界遺産への登録おめでとうございます(日本)

2013-06-23 08:00:00 | 世界遺産
 カンボジアのプノンペンで6月22日に開催された世界遺産委員会で富士山が世界遺産に登録されました。今回は、この登録を記念して富士山をテーマに取り上げます。

 
 富士山は、当初は自然遺産としての登録を目指しましたが、自然と言うには自然破壊が進んでいて、少々無理ということで、文化遺産に宗旨替えをして登録申請を行い、このほど認められました。富士山の自然破壊は、たしかに進んでいて、憂うべきことであることには変わりありませんが、日本人の心の故郷として崇高な姿は変わってほしくありません。世界遺産の登録によって破壊からの保護が推進されるのか、登録によって観光客や開発が進んで破壊が加速されるか、今後の状況を注視したいところです。



 
 「富士には月見草が良く似合ふ」と書き残したのは太宰治ですが、月見草だけではなく、富士山をバックにすると、いろんな花々が美しく見えるように思います。太宰は可憐で弱弱しい感じの月見草が、富士山と対峙している姿に好感を持ったようですが、そこまで肩肘張らなくとも、どの花でも綺麗に見せるように思います。







  
 山に花と言う取り合わせは、なかなか絵になるのですが、水墨画の世界で「山水」と言われるように、山には水が組み合わされて、絵になるようです。富士山の周りの湖水と言うと富士五湖を思い浮かべ、お札にも本栖湖が描かれていますが、こじんまりとした忍野八海も捨てがたい魅力があります。忍野の水は湧水のために池の底まで見える澄み切った水で名水百選にも選ばれています。

 
 忍野が富士山の東側に位置する湧水とすれば、西に位置するのが白糸の滝です。この水源も忍野と同様に湧水で、名水として知られる柿田川など富士山周辺は湧水だらけです。富士山が高いだけに降った雨の伏流水も多量なのかもしれません。引用の白黒写真は、45年ほども前に撮影し、当時のユースホステルのガイドブックに採用されたものです。それから30年近くたって白糸の滝を再訪しましたが、どう探しても滝の後方に富士山がそびえる風景を見つけ出すことができませんでした。変わったといえば、富士山の西側の公共輸送機関も、学生の頃と比べて格段と悪くなりました。大部分の人が、自家用車か観光バスで出かけるようになったのか、一日に4本程度のバスでは途中下車もままなりません。



 かつては江戸市中からもよく見えた富士山で、富士見坂などの地名に残されています。しかし、現在でも、空気の澄んだ冬場には、我が家のベランダからもかなりの確立で富士山が見られます。特に富士山をバックにした夕焼けは時々刻々変化する空の色を見ていて飽きません。富士山の頂上に沈む夕日を採ろうと朝鮮をしたのですが、引用の写真が限度でした。ちょうど位置が良い日に晴れて見通しが良いと言う保証が無いのです。

 沈む夕日が富士山の頂上に重なる日を推定するのは、地図と理科年表を使いましたが、この理科年表にはなかなか面白いデータたくさん載っています。日の出や日の入りの時刻、太陽の位置をはじめ、これから先の日食や月食の日程や見られる地域が細かく記載されています。過去の天体観測から得られたデータを元にコンピュータで演算すれば、簡単に結果が得られるようです。動きを予測しにくい空気を相手にするためスパコンを使う必要のある天気予報より、計算も簡単で結果も精度の高いものが得られるのでしょう。遠くの天体より、近くの空気の動きのほうが予測し辛いというのも面白い構図です。


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