世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

街中で日本人はあまり見かけませんがシナイヤはすばらしい高原のリゾートです(ルーマニア)

2013-06-16 08:00:00 | 世界の町並み
 指揮者コンクールで日本人が優勝を勝ち取ることが多いのがブザンソンのコンクールでした。クラシックの国際コンクールは、指揮者だけではなくピアノやヴァイオリンなどの楽器の演奏のコンクールが各地で行われています。著名な作曲家が生まれた土地などが多いのですが、意外な場所で開かれていることもあります。それらのうちの一つが、ルーマニアのブカレストで開催される「ジュネス・ミュジカル・ロマニア主催ブカレスト国際音楽コンクール」です。毎回、日本人の審査員も選ばれ、優勝者も出しているようですが、日本ではあまりなじみが無いようです。日本人にとって、クラッシックというと、ドイツやフランスを思い浮かべますが、ルーマニア生まれの作曲家、指揮者、ピアニシトそれにヴァイオリニストとマルチな才能を発揮したエネクスも、日本ではあまり知られていないようです。今回は音楽コンクールが開かれるブカレストから北に100kmほど、エネスクの別荘もあったシナイヤを紹介します。

 シナイヤは、ブカレストから世界遺産の町のシギショアラに向かう列車を2時間ほどで途中下車した、標高が800mほどの高原リゾートです。夏はハイキング、冬はスキーのダウンヒルで有名だそうです。世界遺産には登録されていないためか、日本人の姿は見かけませんが、緑の中に宮殿や修道院が見え隠れするハイキングコースは、わざわざ途中下車をする価値が十分です。列車を途中下車をして、シナイヤの駅を外に出て振り返った駅舎の姿もルーマニアで最も美しい駅舎の一つのようです。

 
 鉄道は山が両側から迫っている川沿いを走っていて、谷底のような駅からシナイヤの町に出るには坂を上っていかなければなりません。坂道を右や左に1kmほど上がっていくとシナイヤ修道院の塀が見えてきます。塀の中はかなり広く、17世紀に建てられた旧教会と、19世紀に建てられ3つの塔を持つ新教会がぽつんと建っています。外観も端正な感じがしますが、内部のフレスコ画も見ごたえのある聖堂です。

 
 
 シナイヤ修道院から、森の中のハイキングコースを1kmほど上っていくと2つの宮殿が見えてきます。手前の宮殿がペレシュ城、奥にあるのがペリショル城です。共にルーマニア王室の離宮として19~20世紀にかけて作られたものですが、緑の中の宮殿は街中のものとは一味違った絵柄です。ペレシュ城は、ドイツルネッサンス様式で建てられ、ルーマニアでもっとも壮麗な城だそうです。周りの木立を越えてそびえる2つの尖塔も目立ちますが、外壁に描かれたフレスコ画もなかなかです。

 
 一方の、ペリショル城は、中世ドイツの木組みの意匠で作られ、外壁のハーフティンバーの斜め線が特徴的です。内部は、時代を反映してでしょうかアールヌーボーによる装飾が施されています。



 
 冬はスキー場になるらしい裏山にロープウェイがあり、簡単に登ることができます。眼下にシナイヤの町が見渡せ、ペレシュ城もペリショル城も、その様子を鳥瞰図風に眺めることができます。

 ルーマニアを訪問したのは10年前でしたが、列車で移動する時の乗車券の手配に手間がかかりました。予約システムが電算化をされる直前だったようで、乗車駅の市内にある販売所(駅とは離れている)でしか購入できませんでした。帰りの座席は、行ってみないと空席があるかどうかは判らないといった状況で、乗車券はもちろん手書です。当日の乗車券も、駅の窓口は発車の1時間前にならないと開かなくて、さらに発券ものんびりとやっているので、発車に間に合わない恐れもありました。日本ではどこに居ても指定券が即座に買えるのが当たり前で、西ヨーロッパ諸国では国外からでもカード決済で購入できてしまいます。コンピュータとネットワークの技術の発展によるものですが、日本でも50年ちょっと昔には、駅の窓口に行くと、手書きの指定券が渡され、乗車駅とは違う窓口に行くと、発駅に電話で問い合わせをしていました。


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