徳山昌守(本名:洪昌守〔ホン・チャンス〕)が引退を発表した。
最後の防衛戦から1年以上経ってからのことだ。
WBC世界スーパーフライ級の王者として8度の連続防衛。
これは日本歴代3位となる記録。なのに、注目度は低かった。「何故?」
9度目の防衛戦は、7度目に無難に退けたはずの川嶋勝重とのリマッチに決まった。「何故?」苛立ちはピークに達した。
サウナでの減量をするだけで臨んだ試合は、1回TKO負け。
自尊心、意地…。3度目の対戦で判定3-0の完勝。
その後、初防衛し「スーパーフライ級王者を卒業」。
このクラスでは相手がいない。引退も考えてた。
しかし、自分の考えだけでは(進退を)決めることができなかった。
亀田、プライド、長谷川と話題になっても戦いは無い。
モチベーションも維持できなかった。
何も出来ず1年以上経ち、やっと引退だ。
「スッキリしている」と徳山は言うが、その心中は計り知れない。
徳山がボクシングを極めながら世間から圧倒的な評価を受けないのはなぜか。もちろん北朝鮮籍を当初から公言してきたこともあるかもしれない。だが、それよりも人気の最大の要因である強さや面白さを感じにくいのは彼のボクシング観に集約される
ボクシングの試合では、打たれても打たれても前進を止めない選手に人々は感動を覚え、派手なKOシーンに大きく心を揺さぶられる。
徳山のボクシングはその逆なのだ。どんな時も相手の距離では決して打たせず、常に自分の距離を維持して打ち続ける。“打たせずに打つ”という、シンプルだが最も難しいことを容易にやってのける。そのスタイルはあまりに繊細で、かつ見た目には難解なために世間的な評価につながりにくい。それでも徳山は自分のスタイルを変えようとはしない。それが、彼のボクシングだからだ。(Numberより)
そんな徳山を、私は嫌いじゃない。
これからも後輩育成など、ボクシングに関わって頑張ってほしい。
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