シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

熊谷市:妻沼聖天山

2015-05-16 | お出かけ

5月3日のこと、前日の栃木県足利市からの帰路、埼玉県熊谷市の『妻沼聖天山 歓喜院(めぬましょうでんざん かんぎいん)』に立ち寄った。妻沼は地名。

妻沼聖天山は、日本三大聖天のうちの一つに数えられる名刹で、本殿(国宝指定)の外壁の彫刻は豪壮華麗で、埼玉日光という別名もある・・・という情報を事前にWebで得たのでどんな所か行ってみようと思ったわけだ。

貴惣門(きそうもん:国指定重要文化財)は、参道の最初の門。大きくて驚く。

門をくぐって振り返る↓。小高木の並木が緑のトンネルを作っているのだが、これは無くてもよいのでは?と思う。(門が見えない)

後で市のWebで調べたところによると、貴惣門の棟高は13.3m。最大の特徴は、全国に四例しかない特殊な屋根の形で、妻側に三つ重なる破風(山型の部分)がつく。


斎藤別当実盛
(さいとうべっとうさねもり)の像があった。聖天山を開いたとされる方で、熊谷直実や畠山重忠と並ぶ、源平合戦の英雄。左手の円いモノを見ている?

右手に持っているのは筆、左手は鏡で、実盛公が老兵と悟られないように髪を墨で黒く染めて出陣したという史実にもとづいている。でも、もし実盛公がこの像を見たらどう思うだろう?エピソードよりも武将らしく勇ましい像が良いなあ~なんて。

中門(市指定文化財)、さらに仁王(金剛力士)像のある仁王門をくぐると、

   

国宝の聖天堂が姿を見せる。“埼玉日光”と呼ばれるわりには、落ち着いた雰囲気?
聖天堂(本殿)は、 拝殿・中殿(相の間)・奥殿からなる廟型式権現造(日光東照宮などに見られる、複数棟を一体とした建築形式)の建物である。

享保20年(1735)から宝暦10年(1760)にかけて建立された。これまで知られていた彫刻技術の高さに加え、修理の過程で明らかになった漆の使い分けなどの高度な技術が駆使された近世装飾建築の頂点をなす建物であること、またそのような建物の建設が民衆の力によって成し遂げられた点が、文化史上高い価値を有する。と評価され、国宝指定された。聖天堂は、江戸後期装飾建築の到達点とのこと。

拝殿の彫刻は素晴らしい↓と思うものの、やはり「豪壮華麗な埼玉日光」とは思えない。

   

見回すと、正面左側の格子塀沿いに宝くじ売り場のような受付がある。ここで拝観料700円を払うと奥殿などが見られるようだ。なるほど格子の隙間からチラッと見える奥殿は煌びやかだ。しかし、ん~それなりにかかるであろう時間を考え今回は止めておいた。(まぁ、当地はそれほど遠くない。その気になればいつでも来れるだろう)

拝殿前の狛犬は、とても優しそう&長老のような雰囲気だ。この日の前日に見た織姫神社の狛犬とは大違い。(狛犬って面白い)


本殿の手前左側には、弘法大師を祀る大師堂もある。


平和の塔は、少し離れた所で小山の上にある。小川に架かる赤い太鼓橋、緑の樹木、枝葉の影になって一部しか見えない多宝塔・・・異空間だった。


小川の先にある池のほとりには、軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)を祀った小さな滝。
夫婦の木(めおとのき)は、ケヤキとエノキが寄り添う縁結びのご神木。

   


妻沼聖天山の境内というか敷地はかなり広い、案内図を見ると一般道?私道?を歩いた先に本坊本堂がある。車を止めたのはその中間なので行ってみる。
この道路は、とても静かだった。幼稚園もあるので平日の方が人通りがあるかも。

   

本坊は、斎藤別当実盛の次男、実長(出家して良応僧都)により、聖天堂の別当坊寺院として開創したという。山門、本堂は落ち着いた佇まいだった。

山門の前の石柱?に狛犬が載っていた。大きさは・・・全長30cmほどと小さい。阿像は欠けていた。修復を期待。

 

さて、いつか再訪した時にと思っていた聖天堂(本殿)の奥殿などはやはり気になる。Webで調べていた時に、「360度パノラマ」映像というのがあった。聖天堂の保存修理工場をされている株式会社小西美術工藝社のWebサイト

取りあえず、という感じで見てみたら・・・スゴイ!豪壮華麗、精巧な細工に極彩色。また、室内の壁や天井の金を基調にした細工も目を見張る。
それにしても、最近のWebはここまでできるんだな~ひと昔に比べるとこれもスゴイことだな。

 ≪追記 5月21日≫
今日の「カンブリア宮殿」は小西美術工藝社の社長がゲストだった。日光東照宮の修復の様子と少しだけ「妻沼聖天山 歓喜院」の修復前後も紹介され、訪れた後だけに興味深かった。英国人社長も好感がもてた。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする